夏の強い味方「帽子」の種類や正しく学んでおきたい取扱い方法(1/3)
そこで今回は、知っておくと必ず得をする夏の帽子にまつわるお話を服飾評論家の飯野 高広氏に伺いました。
帽子についての知っておきたい知識&お手入れ方法
*全て参考商品です。
「ハット」と「キャップ」は何が違うの?帽子は二種類ある
帽子には大きく分けて「ハット(HAT)」と「キャップ(CAP)」の二種類に分けられます。中学校の英語の授業でも習った方も多いはず。
大まかに言うと、下端部にある「つば(ブリム)」がグルリと一周しているものが「ハット」で、それが前など一部にしかないものや全く付いていないものがキャップです。混乱したら「ペットボトルのキャップ」と覚えておきましょう!キャップにもつばは付いていません。
形が異なるということは性格や役割も異なることも意味します。すなわちハットは華やかで落ち着いた印象であるのと対照的に、キャップは軽快で活動的な雰囲気を与えます。スポーツ用の帽子や各種の団体の制帽が総じてキャップなのは、この要素も当然ながら深く影響しています。
*全て参考商品です。
正装にもカジュアルにも使える“パナマハット”
夏の帽子で「ハット」とくればまず思い浮かぶのが“パナマハット”ではないでしょうか。これは事実上中米のエクアドルでしか生育していない椰子科(ヤシ科)の「パナマ草(トキヤ草)」の若葉を細く裂いた上で、漂白もしくは染色したものを編んで作られ、通気性の高さが特徴です。
今日最もポピュラーな形状は、俗に言う「中折れ帽」タイプに類似したもの。基本的なのは、白か生成り色で黒いリボンが付いたもの。これならオンビジネスにはもちろん、Tシャツにショートパンツ姿のような真夏のカジュアルな装いの上にも難なく被れます。特に白麻の3ピースの上に被ると夏の雰囲気が最高に盛り上がりますね!
さらに、紺や黒といった色付きのパナマ帽は、カジュアルな印象にもなりがち。それよりもリボンの色を紺やレジメンタルストライプ系とした物のほうが、着こなしの幅を広げやすいでしょう。
また、「オプティモ」と呼ばれる、中央に筋が一本前後方向に入ったタイプもあります。こちらはペコッと簡単に折り畳めかつ丸められるのが特徴。真偽は不明ながら、エクアドルから欧米に船で輸出する際、スペース効率に優れ大量に運べるよう考案された形状で、それが転じて旅行での携行に便利な高級品的に捉えられるようになったそうです。
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