【インタビュー】金子恵治さん|道具的な革靴は、僕にとって必要「Meets your J.M. WESTON 2025」
- 04.30 Wed -05.13 Tue
- 伊勢丹新宿店 メンズ館1階 ザ・ステージ

春の恒例、伊勢丹新宿店の人気イベント<J.M. WESTON/ジェイエムウエストン>のポップアップストアが今年もやってくる!
4月30日(水)から5月13日(火)の期間、伊勢丹新宿店 メンズ館1階 ザ・ステージでは、例年好評を博している「WESTON VINTAGE/ウエストン・ヴィンテージ」の販売をはじめ、ロシアンフィニッシュカーフモデルの販売やオーダー、コードバンモデルのオーダーなど、スペシャルなコンテンツを展開。
本記事ではイベントの開催に伴い、いま<ジェイエムウエストン>が気になっているという3人のファッション賢者に取材を実施。
1人目インタビューを行ったのは数々の注目ショップを手がけてきた、ディレクターの金子恵治さん。
革靴にも造詣が深い金子さんが<ジェイエムウエストン>に見出したのは、その道具性。取材当日、「#690 ヨット」を履いて颯爽と自転車で登場した金子さんの姿には、彼の価値観が表現されていました。
東京都出身のクリエイティブディレクター/コンセプター。
セレクトショップ「EDIFICE/エディフィス」のバイヤーを務めたのち、<L’ECHOPPE/レショップ>を立ち上げたほか、さまざまなブランドやショップのディレクションを手がける。2022年にはショップ「BOUTIQUE/ブティック」を東京・青山にオープン。2025年には自身のブランド<FOUNDOUR/ファウンダ>をスタートした。
Instagram:@keijikaneko
最初の<ジェイエムウエストン>は、ヴィンテージで

セレクトショップ「EDIFICE/エディフィス」にてバイヤーを務め、その後服好きたち注目のショップ「L’ECHOPPE/レショップ」を立ち上げた金子恵治さん。最近はさまざまなブランドのディレクション等に携わる一方で、青山のショップ「BOUTIQUE/ブティック」、自身のブランド<FOUNDOUR/ファウンダ>を運営しています。
バイイングなどでフランスにも幾度となく訪れている金子さんゆえ、さぞ充実した<ジェイエムウエストン>コレクションをお持ちかと思いきや、愛用の<ジェイエムウエストン>としてお持ちいただいたのは、近年伊勢丹にて購入したという「#690 ヨット」と「#321 ゴルフ ハイトップダービー」でした。
「僕にとって、それこそ“ウエストン・ヴィンテージ”がスタートだったんです。20代の、<エディフィス>のバイヤーだった頃だと思いますが、服にお金を使うあまり、靴まで手がまわっていませんでした。当時の<エディフィス>のスタッフは、白のワークパンツにネイビーの<ジェイエムウエストン>シグニチャーローファーを合わせるようなスタイルが多かったのですが、僕はどこか天邪鬼なところがあって、あえて違う感じにしていた、ということもありました。」
「さらに、20代後半は、足元をコンパクトな印象にしたくて、ピッタリとしたドレスシューズを好んで履いていました。ローファーに関しても、ヨーロッパの人たちのような、細くてスマートな感じで履けるのならいいと思っていたのですが、ある時パリのヴィンテージショップで、レングスが僕の足より長くて、ウィズが確かBのシグニチャーローファーを見つけたんです。それが僕にとって最初の<ジェイエムウエストン>でした。すごく傷んでいて、しかも履き心地がよくなかったので数回履いてしばらくお蔵入りしていたのですが、<レショップ>を始めた40代ぐらいの時にフルリペアして、一時期よく履いていました。」

この経験を除くと、もしかしたら初の<ジェイエムウエストン>はこの数年前にメンズ館で購入した「#690 ヨット」かもしれません、と金子さん。数々の革靴を履き、自身が関わるお店でも取り扱ってきた金子さんが「#690 ヨット」を選んだのには、彼の<ジェイエムウエストン>観が反映しているようです。
「レザーソールの、スーツに合わせるようなドレスシューズを普段着として履くのが好きなんです。そして英国やアメリカのシューズブランドに比べて、<ジェイエムウエストン>のドレスラインは、あまり特徴が感じられませんでした。その一方で、“道具”的 な靴としてこの『#690 ヨット』や『#321 ゴルフ ハイトップダービー』は、すごく気になりました。実際に自転車での移動時に履いたりと、道具的な革靴は僕にとって必要で、その位置付けの靴として<ジェイエムウエストン>がフィットしたんです。道具、といってもワーク系の靴ということではなくて、あくまでドレッシーな靴の中で、道具的な要素があるもの、そして洗練されている。そんな靴は<ジェイエムウエストン>以外ないんじゃないですか。」

ストーリーを大事にしたい<ジェイエムウエストン>の着こなし
金子さんのこの日の装いは、「#690 ヨット」にコットンパンツ、ポロシャツにアンコンストラクテッドなジャケットという組み合わせ。「今日はこの『#690 ヨット』に1950年代のアメリカのワークパンツを選んで、フレンチラコステでちょっとフランスの感じももたせています。このジャケットもフランスのワークウェアがもとになっていますが、日本の絣生地を使っています。全体的にはワークテイストですが、パンセレラのホーズを履いてドレスシューズの感じを少し残す感じにしています。」

「『#321 ゴルフ ハイトップダービー』の場合はデニムのセットアップと合わせて、アメリカのワークブーツっぽい着こなしにしたり。僕は靴のキャラクターを考慮して、合わせるものを決めるのですが、ちょっとアメリカのテイストを混ぜたスタイリングが、最近は面白く感じています。そして見た目はベーシックなものを合わせている感じですが、その裏にあるストーリーみたいなものが、これら<ジェイエムウエストン>の靴の着こなしでは大事だと考えています。どこかフランスのフィルターが入って、曖昧というか、ニュートラルな感じになるのがいいですね。この『#690 ヨット』の装いも、アメリカ製のモカシンを合わせるとなると、また違ってくると思います。」
そして次に気になっている<ジェイエムウエストン>として、いくつかのモデルを挙げた金子さん。
「ブラウンヌバックの『ワーカーブーツ』やブラックの『ウェイキースリッパ』、あとブラックボックスカーフを使った、ラバーソールの『#180 シグニチャーローファー』が気になりますね。
先ほどの道具的な靴という話とも繋がるのですが、日々の足として使うクルマのように、『#180 シグニチャーローファー』を履く感じが、かっこいいんじゃないかと思っています。パリのおじさんの日常履きみたいな感じで。そして最初からしっかり履くつもりだったら、ラバーソールを選ぶのもいいと思いました。」

さらに、この日お持ちした<ウエストン・ヴィンテージ>の中から、金子さんが注目したのは「#641 ゴルフ」。
「『#321 ゴルフ ハイトップダービー』はブーツなので、服の組み合わせが限られる感じがあって、やはり『#641 ゴルフ』が気になりますね。ブラウンスエードはよく履くことがわかっているのでもちろんいいんですが、このレザーソールの『#641 ゴルフ』がこの中ではベストかもしれないです。『ゴルフ』はちょっと前なら、存在感が強いので敬遠していたかもしれないですけど、今は60歳や70歳になった時を想像して、このくらいの靴のほうがいいかもしれないと考えている自分がいます。」
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- 開催期間:4月30日(水)~5月13日(火)
- 開催場所:伊勢丹新宿店 メンズ館1階 ザ・ステージ
ジャズライブ
■開催日時:5月10日(土) 午後2時/3時/4時 *各回約20分間の演奏を予定しております。
■開催場所:伊勢丹新宿店 メンズ館1階 ザ・ステージ
Photograph:Tatsuya Ozawa(Studio Mug)
*価格はすべて、税込です。
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