フィレンツェの街を纏う、大人のお洒落って素敵です




広瀬未花
フラワーコーディネーターから、ファッションモデルに転身。『朝だ!生です旅サラダ』の旅サラダガールズとして、世界中を旅した経験も。現在はナノ・ユニバース公式YouTubeチャンネルにてスタートしたファッション番組のアシスタントを務める。


Pittiは行ったことないんですが、私がアシスタントをしているファッション番組でよく聞いています。今年の6月、『朝だ!生です旅サラダ』のロケでフィレンツェに行ったんですが、期間がズレててPittiは見られなかったんです。だから今度は連れていって!と、お願いしてるところなんです。

イタリア人っていつも陽気で情熱的で、女性を口説いてばかりいるイメージがあるじゃないですか(笑)。でも現地のスタッフの仕事熱心さにはちょっと驚きました。イギリス人も真面目ですが、なんていうか生真面目に粛々と仕事してる感じ。でもイタリア人はプライドを持ちながら、きちんと仕事に向き合っていて、さらに人を楽しませようとしているし、自分たちも楽しもうとしているんです。ときには自虐ネタで笑わせてくれたり、サービス精神も旺盛です。そんな文化の国って、ほかにないように思います。


フィレンツェはプライベートで1度行ったことがあったので、今回は2回目になります。辻仁成さんの『冷静と情熱の間』が大好きだったので、私にとって憧れの街。路地を歩くとちっちゃい工房がいくつもあって、おじいちゃんがずっと何か作っていたりして、ものづくりの街なんだなっていうイメージがありますね。とても雰囲気があるし、街と人が溶け込んでいて、どこを切り取っても絵になる街。カフェでエスプレッソ飲んでるだけのイタリアのおじさんが、とってもカッコよく見えたりして。白髪だったり髪が薄かったりしても、すっごくお洒落でカッコいいんです。とくに年齢がいった人ほどカッコいいですよね。シャツ一枚だったり、ジャケット着てネクタイしてたりもするけれど、誰も無理してる感じがなくて、それがすごく自然なんです。


番組に出させていただくようになってから、スーツやイタリアのファッションのことを知るようになって、見方も変わってきたように思います。だから1回目より2回目のフィレンツェのほうが印象も強いですね。旅に出るとき、あえて現地のこと何も知らずに行って、感動したいという人もいますけど、私は事前にいろいろ調べてから行くタイプ。そのほうが心のゆとりを持てるので。イタリアの紳士服のことを知ってから行ったフィレンツェでは、多少知識があったからこそ、スーツやネクタイの男性が、どういうところにこだわっているとか、センスの表し方とかが気になったんでしょうね。ジャケットの肩のフォルムとか、ラペルの幅とか、ポケットチーフの差し方までチェックしちゃいましたよ(笑)。本当に知れば知るほど、男の人の服って深いなって思います。女性のファッションは、そこまで深く掘り下げられないから。

<チンクアンタ>のスエードジャケット


イタリアブランドでまとめたカジュアルなジャケットスタイル。スエードのジャケットっていうセレクトが、シンプルだけどエッジが利いていていいですね。かっちりしてなくて、ちょっと無骨さがあるカジュアルスタイルなんだけど、シャーリングパンツでちゃんと抜きのポイントも作られていて好感持てます。こういうファンクション系のパンツ、最近流行ってますよね。流行りものをさりげなく上手に取り入れていると、お洒落な人だな−って、感じます。

<タリアトーレ>のチェックジャケット


ジャケットに、あえてドレスシャツじゃないところが良いですね。ネイビーとブラウンのウィンドーペーンっていうのがイタリアらしいきれいな配色です。ネイビーのトーンでまとめると、清潔感があって誠実そうだし、なんだかちょっとモテそうなイメージです。着飾りすぎてないところ、行き過ぎていないイタリアンスタイルというところが良いんでしょうね。デートでも、ちょっと高級なレストランとかに連れて行ってくれそうだし(笑)。

<ランベルト ロザーニ>のニットジャケット


シンプルにニットジャケットのスタイルは、一番好きかも。パンツのシルエットとか、今っぽくて素敵です。柄使いもあまり派手じゃないし、普通より太めのボーダーっていう選び方に個性があっていいと思います。IT系にいそうじゃないですか。パソコンにステッカーとかいっぱい貼ってそうだし(笑)。でも恋人にするなら、こういう着こなしが似合う人が良いですね。



▼ 1. 稲葉智大(三越伊勢丹バイヤー)
▼ 2. 高田朋佳(「コロニークロージング」クリエイティブディレクター)
▼ 3. 広瀬未花(モデル・タレント)
▼ 4. KING MASA 
 5. 石井洋(『LEON』編集長)