【Amvaiコラボ企画】名著から紐解く達人のファッション考vol.5|古書店主・中武康法のルーツとなる“心に刺さり続ける本”後編(1/3)
今年、2009年の夏にオープンして10年目を迎える。後編では、現在の神保町のことや店頭で感じる流行の移り変わりなど、中武さんにしか語れないお話を伺った。
名著から紐解く達人のファッション考vol.5|古書店主・中武康法のルーツとなる“心に刺さり続ける本”前編
昔の雑誌は本当に“足で稼いだ情報”を載せている
柴田 『マグニフ』はオープンして今年で10回目の夏ですが、今の神保町に何か変化はあるのでしょうか?
中武 活気があって、昔の建物が残っていて、良い街だと思います。新しい店や飲食店も流行っていて、街は盛り上がっているんじゃないでしょうか。
柴田 中武さんはいつもお忙しそうですね。お店に行っても何だかいつも誰かのインタビューを受けている気がします…。
中武 1から10まで自分でやらないと気が済まないんですよね…。店頭での買取や地方から送られてくる買取分まで僕一人でやっているので、なかなか新しい展開ができません。
柴田 現場感覚って大事ですよね。でも、もっともっと新しい『マグニフ』も見てみたいです!
中武 お客さんからは、「これだけファッション誌があるんだから、服も扱えばいいのに」などの声もありますが、スペースも必要だし、時間もないし、なかなか難しくて……(苦笑)
柴田 それはうちに任せてくださいね(笑)
ちなみに今のファッション誌をどう見ているのか教えてください。
中武 規模の大きな書店などでしか扱っていないものよりも、近所のコンビニや小さな書店でもならんでいるような雑誌を主に読みます。
読んでいて一番感じるのは、「昔と今では雑誌に関わっている人数が違うな」と。昔の雑誌は本当に“足で稼いだ情報”を載せていましたが、今はなるべく少ない人数で効率よく作っているような。みんなでワイワイ言いながら作っている雑誌は減っているのかもしれませんね…。
でもそういう作り方ができるので、とてもパーソナルなアーティスティックな雑誌が増えているとも思います。
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