ポートレートとスナップをシームレスに繋ぐ、「ライカM10」シリーズ。


「今の若い子たちにとってのリアルなカメラカルチャーがスマホやレンズ付きフィルムだとしたなら、ライカというブランドはその対極にあるわけです。でも憧れの対象となるだけでなく、自分の感情を揺さぶられるような“リアル”な要素を見つけられるものだということも、知ってほしいと思いました。友人同士で撮影した、レンズ付きフィルムの写真の良さもわかります。でも今回は、実際には友人関係ではないモデルで、しかも全員グッチの服を衣装として着ていても、それがちゃんと“リアル”に見えるというか……。カメラも最高峰、スタッフも日本のファッションシューティングのチームとして最高峰のメンバーを揃え、でも見え方としてはスナップなのかポートレートなのか分からないという、曖昧なところをあえて目指したんです」



「その結果、ドキュメントっぽさのある映画のような“リアル”が表現できたんだと思います。明け方の新宿の色というものが、そのまま再現されているなと感じました。夜遊びしたことがある人なら誰もが一度は見たことのある景色が、そこにあるのかな、と。『またやっちゃったよ〜』って笑いあっているような(笑)」

そう語る中野氏がこの撮影のために使用したボディは、『ライカM10』と『ライカM10-P』という2台。レンズは昔ながらのシャープさがありながら、周辺の柔らかさもある「ズミルックス M 1.4/50mm ASPH.」と「ズミルックス M 1.4/35mm ASPH.」、「アポ ズミクロン M 2/75mm ASPH.」という3本を、シーンに合わせて使い分けたという。

©HIROHISA NAKANO

「東京から海へ行く」より


「正直に言って、ライカの機材を使った本格的なファッション撮影は、今回が初めてでした。ライカを使う前は、“ちゃんと写りすぎない”ことがかっこいいニュアンスのカメラだと考えていたんですが、実際はまったく逆でした。実は描写力がすごく高いからこそ、仮にボケていたとしてもかっこいい写真になるんだと気付かされたんです。他のカメラとは圧倒的に違うな、と感じましたね」

またスナップ撮影においては、さらに明確で具体的な強みを感じたようだ。

©HIROHISA NAKANO

「東京から海へ行く」より


「最新のモデル『ライカM10-P』はクリック音を極限まで抑えてあるので、モデルが『撮られている気がまったくしない」ということをすごく言うんです。『いつ撮ったんですか?』とか(笑)。それがいいときも、そうじゃないときもあるんですが、すごく面白いな、と。逆にもっとしっかりモデルと向き合いたいときに良さを発揮してくれたのが、『ライカM10』です。クリック音もしっかり感じられますしね。

この2台を使い分けることで、本人たちにグッと寄った写真と、ちょっと引いたシチュエーションを撮る写真と、いい意味で“ギャップがない”表現をすることができました。引いて撮っている何気ないスナップも、ちゃんとポートレート的にこの3人を捉えている。他のカメラだと、こうはいかないんじゃないでしょうか。そういう微妙な撮影感覚を表現できるのが、『ライカM10』シリーズを使って分かった、ライカの良さだと思います」

会期初日の26日(水)には在廊予定という中野氏。実は、密かに願っていることがあるという。


「伊勢丹だし、メンズ館の最上階ということで、あまり若い人は来てくれないかもしれません。でも、できればモデルの俳優さんたち世代の方にも見ていただきたいです。これは“おっさんの戯言”ですけど(笑)、いいものにはそれなりの価値があるんだよ、と。そういうことを分かったうえでレンズ付きフィルムで撮るのもいいですけど、いずれはライカを使ってみたいと思ってもらいたいというか……。自分が先輩たちからそういう学びを得てきたからこそ、若い人にも同じように伝えて、残したい。そんなことを、ずっと思っているんです」

イベント情報

中野敬久写真展「東京から海へ行く」

□12月26日(水)~2019年1月15日(火)
□メンズ館8階=イセタンメンズ レジデンス
協賛:ライカジャパン株式会社 

在廊情報

■12月26日(水)17~20時

キャンペーン情報
12月より、メンズ館8階=イセタンメンズ レジデンスでは、「ライカトライアルサービス」を実施中。お客さまのご希望の環境(伊勢丹新宿店周辺に限定)で最新機種『ライカM10-P』をはじめとした実機によるテストシューティングのご案内を行っております。詳しくは、下記(商品に関するお問い合わせ)までお問い合わせください。


Photo:Tatsuya Ozawa
Text:Junya Hasegawa(america)

商品に関するお問い合わせ
メンズ館8階=イセタンメンズ レジデンス/ライカ担当 佐藤・山口・内田
03‐3225‐2787(直通)

イベントに関するお問い合わせ
メンズ館8F=イセタンメンズ レジデンス/チャーリー・ヴァイス
03-3352-1111(大代表)