まず特筆すべきが、日本が誇るヒップホップレジェンドMUROとのコラボレーションだ。1980年代後半から活動を始め、日本語ラップの黎明期を支えて来たMURO。1999年からはDJとしてインディーズ、メジャーを問わず活躍し、ディミトリ・フロム・パリとの共作など、世界的なアーティストとのコラボレーションも旺盛に行うなど精力的に活動。2007年にはミラノにて行われたNIKEのイベントを皮切りに、ロンドン、アムステルダムでツアーを敢行。また、同年12月には北京で行われたFENDIのショーのアフターパーティでDJを務めたほか、自身のセレクトショップをオープンさせるなど、ファッション面でも独自のスタイルを発信する世界を股にかけて活躍する日本を代表するDJのひとりだ。
90sフレーバーを強く感じる、夢のトリプルコラボ
──かなり長い付き合いかと思いますが、改めてお二人の出会いについて教えてください。
三浦(以下敬称略)もともと「スタジアム」で、NYのEXPANSIONというブランドを買い付けしていて、EXPANSIONをやっているNY在住の先輩がMUROさんのお店(渋谷の宇田川町にあった「SAVAGE」)の買い付けを過去にされていた経緯がありました。そこの展示会などで顔を合わせるようになってから仲良くさせてもらっている、という感じですね。
MURO「スタジアム」も以前は代官山にあって、恵比寿の「ネバーランド」とともに、ヒップホップファッションを盛り上げていたという印象があります。「SAVAGE」が終わってから、うまい具合に世界観を引き継いでもらったと思いますね。
──では、コラボレーションの経緯について教えてください。
三浦 今回はまず、<STARTER BALACK LABEL/スターター ブラックレーベル>というブランドが前提にあります。<スターター> といえば1990年代のHIPHOPシーンを語る上で欠かせないブランドです。2012年から、現代的な要素を取り入れた<スターター ブラックレーベル>が立ち上がり、『スタジアム』でも何かできないかとブランド側からお話をいただきました。これは日本のHIPHOPシーンのレジェンドであるMUROさんの力を借りるしかないなと。僕自身、中高生の頃から憧れの存在でしたので。
MURO 90年代はミュージックビデオの時代でもあって、<スターター> はMTVなどでも向こうのヒップホップアーティストがこぞって着用していたブランドですね。MLBのチームユニフォームなどにも採用されていて、スポーティなムードが魅力です。