すっかりと冬の寒さが感じられるようになった今日この頃。ですが、伊勢丹新宿店メンズ館ではまもなくスタートする春夏シーズンに向けて、展開の準備が整いつつあります。そんな新商品の情報をひと足先にお届けすべく、先日開催された2025年春夏のプレス展示会場へ潜入しレポート！
ドレスクロージングからは、バイヤー和泉と稲葉に、紳士靴バイヤーの鏡へ取材し、春夏シーズンのTOPICを聞きました。

伊勢丹新宿店 メンズ館5階 メンズテーラードクロージング1
バイヤー 和泉 圭

■小売と生産が融合した“欲しい！”を満たす「イセタンメンズ」

伊勢丹新宿店 メンズ館5階 メンズテーラードにて、スーツやシャツ、ネクタイを扱うバイヤーの和泉。
ここ数シーズン特に注力してきた伊勢丹メンズのオリジナルブランド＜ISETSN MEN'S/イセタンメンズ＞がさらに充実した今シーズンについて、そのこだわりのポイントを次のように語ります。

「たくさんのお客さまの声を直接売り場で聞くことができる。そして単に商品を販売するだけでなく、アイテムの生産にも関わっていくことができる。販売と企画、その両方を手がけることができるのが私たちの最大の強みだと考えています。私たちのプライベートブランド＜イセタンメンズ＞は、“お客さまの悩みを解消する”ということをコンセプトに掲げており、今シーズンはそのようなお客さま視点のエッセンスをより強く盛り込んだアイテムへと仕上げることができました」


和泉が特に力を入れたというのが、クールビズやビジネスシーンでのカジュアルスタイルでも活躍する「カジュアルシャツ」。特にリネンを用いた本作は、麻のクオリティを落とさずに肌触りの良さも保ちつつ、インポートブランドのものよりはるかにお買い求めやすい金額に設定されています。裾を出してカジュアルにも着やすい着丈の長さに、襟型はワンピースカラーで日本の夏にもノータイで着やすいのもポイント。襟の芯地の作りも手を抜かず、美しく上品に襟元が開く仕立てが特徴です。



夏以外の3シーズンで活躍する、最も汎用性の高いストールを目指したという本作。薄くて、暖かくて、肌触りがよい、という3つの点にこだわり抜いて生地がセレクトされています。レーヨンとウールの混紡したイタリアの生地を用いることで、耐久性とエレガントなタッチの両方が実現されています。

■リアルなニーズを取り入れたインポートブランドとの別注企画

さらにプライベートブランドに加え、他ブランドとの別注商品にも、今シーズンから新たに力を入れていると和泉は言います。

「2025年春夏シーズンから本格的にスタートするのが、他ブランドとのダブルネームのアイテムです。＜イセタンメンズ＞のエッセンスを取り入れて別注商品を企画することで、インポートのブランドながら、日本のお客さまのリアルなニーズを取り入れたアイテムへと進化させることに成功しました。海外ブランドはかっこいいんだけれど、実際の着心地にはもう一歩満足できない……。そのようなお客さまの声を反映させた肝入りの別注商品にもぜひ注目してみてください」


毎年高い人気を誇る＜GUY ROVER/ギローバー＞のポロシャツ。ですが、着る人によっては肩幅がやや狭くて着ているうちに袖が上がってきてしまうというお客さまの声があったとのこと。そのような着にくさを解消するために、通常のモデルより肩幅を広げて袖丈のバランスも再構成。海外ブランドならではの、日本人体型とのアンマッチを絶妙に調整した一着となっています。



コンサバな装いは保ちたいけれど、ちょっとだけ人とは違う印象にしたい。そんな方へぜひおすすめしたいのがこちらの＜BREUER/ブリューワー＞のネクタイです。わざとらしくはならないけれど洒脱なムードも香る、絶妙な大きさの小紋や細かい柄が豊富にラインナップされています。さらに芯地を程よい柔らかさと薄さのものに別注することで、締めやすさが格段に向上。ノットのディンプルも作りやすく、気づいたら手にとってしまう、そんなネクタイへと仕上がりました。

伊勢丹新宿店 メンズ館5階テーラードクロージング2
バイヤー稲葉 智大

■東京ならではのニュークラシックなミックススタイルを再編集

メンズ館の主軸となる5階のテーラードクロージングを担うバイヤーの稲葉は、最先端の進化を続ける東京ならではのクラシックスタイルに注目。クラシックなものづくりをベースとしたアイテムを中心に据えつつ、多国籍のブランドが自由にミックスされた、新しいスタイルを打ち出します。

「かつてイタリアのブランドはイタリアスタイル一辺倒で着こなされていた時代とは異なり、今では着る人の感性によって自由に自分らしくミックスして着こなすというスタイルが主流になりつつあります。ただ自由ではあるものの、その着こなすアイテムのセレクトは、クラシックで上質なものづくりを基本としているもの。シルエットやレイヤードで抜け感を持たせ、国境を超えて自分らしくいいアイテムをミックスしたスタイルが、東京らしく今らしいのではないかなと思います」


展示会場には稲葉が提案する、いまの東京らしさを打ち出した、ニュークラシックなミックススタイルを表現したトルソーが並びます。このようなミックススタイルにマッチする、イチオシのクロージングを、稲葉が紹介します。



「こちらの＜SETCHU/セッチュウ＞はこの春夏シーズンから取り扱いを始める新ブランド。ブランドの位置付けとしてはデザイナーズブランドで、本来であれば私の担当する5階のテーラードクロージングのエリアではあまり扱わないアイテムです。でも実はデザイナーが英国サヴィル・ロウの＜ハンツマン＞で修行をしていたり、パターンや仕立てについてはかなり本格的なテーラードクロージングの作りが取り入れられているんです」

折り紙のように、あえて折り目を残した独特なデザインやユニセックスなサイズ感からもモダンなムードが漂います。このようなクラシックなテーラードの仕立てを踏襲しつつ、現代的な感性を取り入れたアイテムを自由にとりいれることが、今らしいミックススタイルを表現するポイントにもなると稲葉は語ります。



英国老舗ブランドの＜Kinloch Anderson/キンロックアンダーソン＞は、実はタータンチェックの発祥とも言われているブランド。英国らしいタータンチェックを用いた本作は、伝統的なホースライディングブルゾンをAラインのシルエットになるようにモダナイズして別注して生まれました。昔ながらのブリティッシュトラッドなアイテムを、今らしい感性で着こなすにはぴったりです。



今年人気再燃を果たしたこちらは「テバ」ジャケットと呼ばれる、スペインの伝統的なジャケット。
「このようなディープでクラシックなジャケットを、どのように今らしく自分らしく着こなすか。まさに今シーズンのテーマですよね。スペインの老舗ファクトリーブランド＜Justo Gimeno/フストヒメーノ＞の一着で、アイテムとしての本物感のようなものもしっかりと感じられます。襟付きできちんと感を持って着られますが、一般的なジャケットのラペルとは少し異なるデザインなので、カジュアルに着崩したスタイルにもマッチします。見た目以上に着やすいので重宝しますよ」

伊勢丹新宿店 メンズ館地下1階 紳士靴
バイヤー鏡 陽介

■ビジネス服の変化を捉えた「ドレスカジュアルスニーカー」が充実

最後にご紹介するのは、圧倒的な知識量を活かした独自のセレクトを行う紳士靴バイヤーの鏡。昨年から力を入れてきたコンフォートシューズやスニーカーのバイイングは今季どのように変化したのか。テーラードクロージングのバイイング経験もある鏡ならではの、顧客のスタイルや市場のニーズを捉えたアイテムラインナップ見どころです。

「昨年は主にカジュアルシューズやスニーカーが得意な専業メーカーさんの多く靴を取り扱ってきました。ですが顧客様のリアルの声として多かったのは、仕事用でドレス感高く履きたいということ。そうするとやはり、ドレススタイルに長けたブランドの方が安心感もあり求められているということ。そうするとリアルで履きやすいのは、このような＜CARMINA/カルミーナ＞のスリッポン。ホワイトのラバーソール、素材はスエード、色は柔らかいアイボリー。軽やかな印象で、機能性のセットアップスーツにTシャツを合わせたようなドレススタイルとも相性が抜群です」

「一方、一見ドレッシーに見えて仕事でも履きやすい＜＜TLB Mallorca/ティーエルビー マヨルカ＞のダブルモンクのような靴は、よりドレス感の高いクラシックできちんとしたテーラードウェアを着た人へ向けたもの。シャツにニットタイや、Tシャツでは無くキレイ目なニットやポロシャツなどの服装の人が、程よくリラックスしたいときの足元にはぴったりとはまります。リラックスしたドレスアップスタイル向けということになるかもしれません」

そして、より足元に遊びを聞かせたビジカジスタイルを実践するなら、こんな一足も。ドレッシーな装いを好む上級者向けのスニーカーから、編み込みのデザインがインパクト大な＜CAMERLENGO/カメルレンゴ＞のようなスニーカーまで、幅広いドレスカジュアルスニーカーが取り揃えられています。

■本格靴の愛用者も納得の「ハイエンドカジュアルスニーカー」

さらに鏡によると、昔からの靴好きも満足させるハイエンドな本格靴ブランドもカジュアルスニーカーの生産に力をいれているとのこと。

「＜J.M. WESTON/ジェイエムウエストン＞のこちらは、スニーカーながら革靴と同様にフランス本国のリモージュの工場で作られています。本国ではスニーカーの認知度高い＜ジェイエムウエストン＞ですが、日本ではまだその存在はあまり知られていません。本作は、本格靴の好きな方にもより手に取っていただきやすいように、キャンバスからスエードへの素材変更をブランドへリクエスト。とても上品な印象で個人的にもかなり気に入っています。靴紐もエラスティックになっており、脱ぎ履きもとてもスムーズな仕様となっています」

「＜Church's/チャーチ＞も本格靴のなかでは先駆けてコンフォートカジュアルなシューズを展開してきました。メゾンブランドのグループ傘下にあるブランドなので、やはりファクトリーブランドと比べて顧客のライフスタイルの変化には敏感なのでしょう。ぐにゃっと曲げられるぐらいソールも柔らかさは圧巻です」

■防水・透湿性のエビデンスを獲得した新世代の「機能性スニーカー」

そしてニュートピックとして、非常に高い防水性と通気性を兼ね備えた、新世代のパフォーマンスシューズも新たに登場。

「日本企業がプロデュースする＜モイスルー360＞は、防水・透湿性のエビデンスを取得しているという非常に珍しいブランド。防水や透湿などの機能を謳おうとするブランドは多々ありますが、自社基準が多く第三者機関でエビデンスを取得できるのは稀。こちらは、撥水性も備えつつ、独自の構造で湿気も逃がし、真の機能性シューズと言ってもいいかもしれません。クッション性も抜群ですし、デザイナーズブランドとも相性が良さそうな見た目も特徴的です。ご自身のライフスタイルの変化に合わせて、最適な一足をぜひ探してみてください」 

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