【インタビュー】気鋭のミリタリーショップとテーラーの若き感性が響き合う!<ワイパー> × <ラ・スカーラ>の異色タッグの誕生秘話とは?(1/2)
- 11.02 Sat -11.04 Mon
- 伊勢丹新宿店 メンズ館5階 メンズテーラードクロージング
昨年、伊勢丹新宿店メンズ館にてポップアップを開催し話題を呼んだミリタリーセレクトショップ<WAIPER/ワイパー>が今年もポップアップを開催。
今年はオリジナル商品の販売と合わせて、伊勢丹新宿店メンズ館のみで取り扱う実力派テーラーブランド<LA SCALA/ラ・スカーラ>との異色のタッグが実現。両ブランドの協働で生まれた「別注ジャケット」を展開し、11月2日(土)~11月4日(月・祝)の期間限定で受注オーダー会を開催します。ミリタリー×ドレスウェアという、それぞれ真逆とも思えるスタイルを持つ両ブランドがタッグを組むきっかけとは。別注ジャケットのこだわりのポイントと完成までの製作秘話をお届けします。
異色の別注ジャケット、その誕生のきっかけとは?
軍放出品のデッドストックやオリジナルアイテムを取り扱う、福岡発のミリタリーショップ<ワイパー>。インスタグラムでも13万人のフォロワーを持ち、ミリタリーとアメリカンカジュアルをミックスさせた着こなしを発信し、インフルエンサーとしても活躍するL.L.WOOD氏がディレクターを務める同ブランドですが、なんとオーダーによるテーラードウェアを手がける<ラ・スカーラ>とのコラボレーションが実現することに。一見、相容れないように思える両ブランドがなぜタッグを組むことになったのか? その理由を、<ワイパー>のディレクターであるL.L.WOOD氏はこのように語ります。
L.L.WOOD「昨年多くのお客さまにご来店いただいたメンズ館でのポップアップを今年も開催できることが決定し、今回は何か特別なアイテムを提供できないかと考えました。そこで注目したのが、テーラードというキーワードでした。どちらも歴史と機能美を兼ね備えたスタイルで、現代のファッションシーンにも強く影響を与えています。これらの要素を取り入れたアイテムが、きっとお客さまに新鮮な驚きと楽しさを提供できると確信しました。そこでテーラードの分野の専門であり共に物作りを企画できる方として伊勢丹新宿店 メンズ館5階 メンズテーラードクロージングの稲葉バイヤーに紹介いただいたのが、<ラ・スカーラ>を手がけるテーラーの山口さんでした」
また、メンズ館 テーラードクロージングでも高い人気を誇る<ラ・スカーラ>の代表を務める山口は、自身も<ワイパー>のアイテムの愛用者だったとのこと。だからこそ、<ワイパー>L.L.WOOD氏とのコラボについてより明確なイメージを持って臨むことができたと言います。
山口「今回のように他のブランドとの協働で商品を企画することは、私にとって初めての経験でした。ですが、スウェットやカーゴパンツなど元々<ワイパー>の服を愛用し、YouTubeでL.L.WOODさんがアイテムについての解説をするのを見ていたということもあり、<ワイパー>らしさを取り入れた服作りについてはイメージしやすかったかと思います。ミリタリースタイルのアイテムを仕立てることも、初めての挑戦でしたがとても新鮮で楽しみながら臨むことができました」
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メンズ館でも高い人気を誇る実力派テーラー<ラ・スカーラ>の山口信人とは?
伊勢丹新宿店メンズ館に常駐するテーラー山口信人が主宰する<ラ・スカーラ>。国内有数のファクトリーに勤め、さらにミラノ、ナポリのサルトに通い、経験を積んだ山口は、国にとらわれない独自の服作りをハウススタイルに掲げます。いかり肩の多い日本人に合わせた、肩パッドやゆき綿の使用を控えたナチュラルな肩周り、そしてイタリアのサルトらしさも感じさせるような、着る人の身体を美しく見せるナチュラルなフォルム。欧米人に比べて、胸板が薄く前肩の上半身と下半身もO脚が多い、日本人のスーツ姿を美しく見せる仕立てを得意とします。
ミリタリーとテーラードが共存する、渾身の一着が完成!
今回の企画で初めて顔を合わせたという二人。L.L.WOOD氏はテーラーとの仕事は初めてで最初はやや緊張もあったと企画当初を振り返ります。ですが山口がワークウェアやミリタリーに対する愛着や共通の理解があったこともあってすぐに打ち解け、別注ジャケットの製作アイディアもどんどん膨らんでいったとのこと。
そうして打ち合わせを重ねて完成したのは、モールスキンを採用することでミリタリーウェアのように経年変化を楽しめる「育てるドレスジャケット」というもの。また、ビスポーク服のようなラグジュアリーなムードを醸し出しつつ、デニムやスウェットなどのカジュアル服とも合うような、ゆったりとしたシルエットも特徴です。
モールスキンの生地による「育てるジャケット」
ミリタリーウェアでよくみられるような、モールスキンの生地を採用。微起毛した生地による光沢感は、どこかラグジュアリーな雰囲気を演出します。
L.L.WOOD「今回一番悩んだのが生地選び。モールスキンは着込むほどあたりが出て味わいが生まれるので、長く着て育てていくとヴィンテージ服のようなエイジングも楽しめます。モスグリーンのカラーもミリタリー服のような雰囲気で気に入っています」
カジュアルにも着こなしやすい、ボクシーなシルエット
前身頃にダーツを取らず、ゆったりとしたシルエットにすることでカジュアルなコーデとも好相性に。
山口「アメリカントラディショナルのサックスーツジャケットのようなボクシーなシルエットをイメージしました。クラシックなビスポークジャケットのように、構築的にしすぎないことでカジュアルな着こなしともマッチするように仕立てています。また、インナーにスウェットを着込んでも動きづらくならないように、アームホールを深く作り、腕周りもタイトになりすぎないようにするなど、フィッティングについては特にこだわりました」
AMFステッチで手縫い風の高級感を演出
ラペルや縁周りをAMFステッチで仕上げたのもこだわりのポイントの一つ。
山口「ミリタリーウェアのような無骨なミシンステッチにするのではなく、あえて手縫い風のAMFステッチで仕上げることで、ビスポーク服のような手仕事の高級感や温もりのある表情を加えました」(山口)
迷彩柄の裏地でミリタリーな隠し味をプラス
さらに表地だけでなく裏地にもこだわりを。内側がチラリと覗いた時に覗く迷彩柄が遊び心を感じさせます。
L.L.WOOD「裏地は迷彩柄にすることでミリタリーテイストを隠し味で取り入れてみました。一見派手な柄ですが、表地と同じグリーンのものを選ぶことで悪目立ちせずに、ちょっとした遊び心を出すことができます。袖も同じ迷彩柄の裏地を使用しているので、本切羽の袖先を捲ってチラッと覗かせて着こなしのアクセントにするのも良いかもしれません」
初挑戦のジャンルへの進出を果たして見えた、それぞれの新しい景色とは?
<ワイパー>にとってはオーダーのテーラードウェア、<ラ・スカーラ>はミリタリーという、お互い今まで手がけたことのないジャンルへの挑戦となった本企画。異色の別注ジャケット製作を通して感じた、各々の想いと今後の自身のブランドの展望についてお伺いしました。
L.L.WOOD「これまではミリタリーやワークウェアといったヘリテージ性の高いアイテムで独自の地位を築いてきましたが、テーラードというクラシックな領域に挑戦することで、ブランドとしての幅がさらに広がると思います。今後は、これまでの機能性や実用性を生かしつつ、さらに洗練されたシルエットやディテールを取り入れた、いわばミリタリーやワークウェアとテーラードを融合させた<ワイパー>らしい独自のスタイルへと進化していきたいですね」
今回の別注ジャケット製作について、非常にエキサイティングなステップだったというL.L.WOOD氏。多彩な国のミリタリーウェアを取り扱い、それぞれのシルエットやディテールに触れてきた経験を活かして、ミリタリーの持つ機能性やデザイン美に、独自の解釈を加えられたのではないかと確かな手応えを感じているようです。
山口「ビスポークやオーダーによるクラシックな服を好む方は、ドレスウェアの着こなしのルールを重視するがゆえに、自由な着こなしを楽しめなくなってしまうことがあります。今回の企画は、クラシックなドレス服好きの方にも、カジュアルで自由なお洒落を楽しむきっかけになってもらえればと思います」
従来の枠にとらわれないドレス服の楽しみ方を提案する山口。今回のような企画に取り組むことで、ジャケットを楽しむ機会を増やすことに繋げたいと語ります。
L.L.WOOD氏オススメのスタイリング実例を解説
完成した別注ジャケットを取り入れた、L.L.WOOD氏おすすめのスタイリング実例をご紹介。<ワイパー>のスタッフによる、多彩なコーデをぜひ参考にしてみてくだい。
カジュアルタイドアップで今らしいトラッド感を楽しむ
BDシャツにロイヤルクレストのタイを締めたアメリカントラディショナルなムード溢れる着こなし。ゆったりとしたミリタリーパンツとキャップを取り入れることで、畏って見えがちなタイドアップを今らしくカジュアルダウン。グリーンのモールスキンジャケットが、フランクなトラッドスタイルを、どこかクラス感のある佇まいへと演出。
デニムスタイルもワンランク上へ格上げ
タートルネックのセーターを合わせたベーシックなデニムスタイルも、本作の別注ジャケットがより大人らしい上質な着こなしへとクラスアップ。一般的なコットンツイルジャケットに比べて、モールスキンのしっとりとした生地感が上品でクラス感のある装いに格上げしてくれます。インナーのニットは、ブラックカラーを選べばより着こなしが引き締まって◎。
異素材で遊ぶ、グリーン×グリーンのセットアップ風コーデ
こちらはグリーンのコーデュロイパンツを合わせることで、セットアップ風の着こなしに。モールスキンのジャケットに対して、凹凸感のあるコーデュロイのパンツを合わせることで、あえて生地の異素材感を楽しめます。インナーは異素材による着こなしのアクセントを際立たせるために、シンプルなグリーンのカットソーをチョイス。
どこか漂うモード感が、レディースの着こなしにもおすすめ
微起毛したモールスキンが備えるほのかな光沢や上質な仕立ては、どこかモードな雰囲気を醸し出しレディースのスタイリングとも相性抜群。ブラウスにワイドチノのシンプルな着こなしでも、さっと羽織るだけで洒脱な印象に。ボクシーなシルエットも、レディースの抜け感ある着こなしにぴったりとマッチします。
ジャンルの異なる気鋭のブランド同士のタッグにより実現した本企画。ミリタリー好きも、ドレスウェアの愛好者の方も、双方の着こなしの幅を広げてくれるような一着が実現しました。ポップアップ当日には実際に袖を通して、その新たな世界を体感ください。
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【11月2日(土)のご入場ついて】
WAIPER × LA SCALA
EXCLUSIVE ORDER JACKET RELEASE
- 開催期間:11月2日(土)~11月4日(月・祝)
- 開催場所:伊勢丹新宿店 メンズ館5階 メンズテーラードクロージング
- サイズ:S,M,L,XL
- カラー:olive
- 価格:110,000円
- お渡し:2025年2月下旬以降
Text:Shinji Hashimoto
Photograph:WAIPER Inc.
*価格はすべて、税込です。
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伊勢丹新宿店 メンズ館5階 メンズテーラードクロージング
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