2023.09.13 update

【特集】紳士のニュースタンダード「レイジーマンジャケット」とは?|THE GENTLEMEN CLOTHING AUTUMN & WINTER 2023

09.13 Wed
伊勢丹新宿店 メンズ館5階 メンズテーラードクロージング


イセタンメンズが発刊するカタログ『THE GENTLEMEN CLOTHING AYTUMN & WINTER 2023』
P10 ・11「レイジーマンジャケット」コンテンツを掘り下げてご紹介!

 

ジャケパンスタイルよりもリラックスして装いたいけれど、シャツやニット一枚ではちょっと心もとない……ライフスタイルの変化により、そんな場面が増えています。そこでメンズ館は近年、「レイジーマンジャケット」と命名したアイテムを提案しています。いわばテーラードとカジュアルの中間にあたる、上品かつ気負わない羽織りもの。そんな新機軸の魅力をここにお伝えしましょう。

 

関連記事:バイヤー稲葉が解説! 復活の<イセタンメンズ>そのかつてない新機軸

 『THE GENTLEMEN CLOTHING FALL & WINTER 2023』伊勢丹メンズ テーラードクロージング
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  1. フレンチシックの新鋭<ルテス>
  2. 進化系レザーウェアなら<チンクワンタ>に注目
  3. パリの実力派<ハズバンズ>が再上陸
  4. トラッドブルゾンをモダンな素材で進化させた<カンタータ>に注目

 

フレンチシックの新鋭<ルテス>

 

レイジーマンジャケットという着想の原点となったのが、フランスの気鋭ブランド<LUTAYS/ルテス>。ベルギー人ながらフランスのもの作りに魅了され、パリへ移住したジャン・バティスト・ロソー氏が2020年に立ち上げた注目株です。

 すべてのアイテムをメイド・イン・フランスで製作し、当地に息づく職人技を宿した服作りにこだわっていますが、コレクションの中核はミリタリーやワークにインスピレーションを受けたカジュアルジャケット。

 

「仕事でも、プライベートでも、旅行でも、いつでも着たくなる服を提案したいと思っていました。それには、テーラリングはフォーマルすぎるじ、シャツは柔らかすぎる……そこで、フランスのクチュール技術を取り入れたカジュアルジャケットを作ることにしたのです」

 過去のインタビューでそう話したロソー氏。まさに時代の機運をとらえたこのコンセプトに共感したメンズ館はいち早くバイイングに乗り出し、それが発展して「レイジーマンジャケット」という新概念を生むに至ったのです。

ベルギーで生まれの、学生時代には法律を学んだジャン・バティスト・ロソー氏。やがてものづくりの魅力に惹かれ、メンズウェアの世界へ入りました。フレンチシューズの名門<コルテ>でキャリアをスタートし、<ボッテガ・ヴェネタ>を経てフランスの高級革手袋ブランド<ラヴァブール・カデ>のディレクションを担当。2020年に“フランスらしさ”の追求を掲げて自らのブランド<リュテス>を始動させました。

 

関連記事:【インタビュー】パリ在住のベルギー人デザイナーがこだわる“フランスらしさ”とは?知る人ぞ知るブランド<ルテス>の魅力に迫る!

 

 

この秋冬で3シーズン目を迎えたレイジーマンジャケット。当初はテーラリングの技術で上質に仕立てたミリタリージャケットを中核に据え、<ルテス>ほかいくつかのブランドからバイイング行って展開していました。しかしシーズンを重ねるにつれ、その概念も発展。今季の<ルテス>からは、「ティレル」と名づけられた新モデルに注目しました。こちらは“料理人のワークウェア”がデザインソース。モデル名はギヨーム・ティレル氏という人物にあやかりました。ガストロノミーの創始者とされ、数々のフランス王族たちに仕えたシェフです。シルエットはゆったりとしていながら、デザインはミニマル。クチュールの技術を活かした上質な仕立ても健在です。

 

 

<ルテス>ジャケット 473,000円
9月20日(水)から販売予定

 

ニットやカットソーの上にサラリと羽織れば、大人の余裕と気品が薫るカジュアルスタイルに。これぞレイジーマンジャケットの真骨頂です。

後ろ身頃は、一枚の布で構成したワンピースバック仕立て。ワークウェアなどに見られる作り方ですが、背中に程よいボリューム感が生まれリラックス感を演出します。

素材は上質なコーデュロイ。ダークグリーンの色みが実にお洒落です。ボタンには水牛の角を用いるなど、カジュアルジャケットとしては珍しい高級仕立てを採用しているのが<ルテス>の特徴です。

 

 

内側には大小のポケットが配されていて、表見頃がスッキリとしたシルエットになるような工夫がされています。

 

進化系レザーウェアなら<チンクワンタ>に注目

 

 

レイジーマンジャケットは<ルテス>以外のブランドもラインナップしています。まずご紹介したいのは、レザーアウターの大定番<CINQUANTA/チンクワンタ>。イタリア・フィレンツェに拠点を置くファクトリーブランドで、当地に伝わる伝統のレザーウェア作りを継承しつつ、時代のニーズへ柔軟に対応する表現力の高さでも知られています。これまで英国ハンティングジャケット風のレザーアウターや、アメカジのフリースベストを思わせるムートンアウターなど革新的なアイテムを世に送り出してきた<チンクワンタ>。そのノウハウを活かしたレザー・レイジーマンジャケットに注目です。

 

 

多彩なデザインバリエーションを展開する<チンクワンタ>ですが、なかでも定番のひとつといえばライダース。といってもアメリカもののようなハードさはなく、非常にしなやかでエレガントな顔つきです。大人の装いにもすんなり馴染むこの軽快感は、下で紹介するレイジーマンジャケットにもいかんなく発揮されています。

 

<チンクワンタ>ジャケット 179,300円

※10月中旬 販売予定

 

<チンクワンタ>からピックアップしたレイジーマンジャケットは、フレンチスタイルのアイコンといえるアトリエジャケットをオマージュした一着。特徴的なスタンドカラー、ゆったりとしたAラインのシルエットといった魅力を活かしつつ、レザージャケットとして再構築した力作です。カバーオール感覚でラフに合わせてもよし、ニットタイなどを合わせて上品に着こなしてもよし。ノンシャランな抜け感とフレンチ的な気品、そしてレザーならではのリッチさを兼備した新機軸といえるでしょう。

 

 

襟先にスナップボタンつきのタブが備わった、独特なスタンドカラーが大きな特徴。タブやボタンの留め方次第でシルエットが変わり、さまざまな着こなしを楽しめます。

素材は軽くソフトなカモシカ革を採用。<チンクワンタ>の拠点であるフィレンツェは古くから革の街としても知られ、このように上質なレザーアイテムがそこかしこで作られています。

 

 

パリの実力派<ハズバンズ>が再上陸

 

今季はパリの<HUSBANDS/ハズバンズ>も久々にメンズ館で展開。かつてはスーツやテーラードジャケットを中核にしていましたが、近年はラグジュアリーなカジュアルウェアも発表。この進化にバイヤーが魅了され、再びバイイングを行いました。ブランドの創業者兼デザイナーであるニコラ・ガバール氏は、もと弁護士という異色のキャリアをもつ人物。法律からファッションの道へ転換を決めたあとはナポリのサルトリアに入門し、当地伝統の技をイチから修業したといいます。そんな本格テーラリングの素養はカジュアルウェアにも応用され、圧倒的なまでの上質さと品格を発揮。こちらもレイジーマンジャケットの新たな名作として太鼓判を押せる出来ばえです。近年主流になっている股上深めのパンツとベストマッチ。短めの着丈が軽やかな印象も演出してくれます。着心地も軽快そのもので、ドライブや旅にもぴったりの使い勝手となります。

 

 

<ハズバンズ>ジャケット 220,000円
9月20日(水)から販売予定

 

古きよき時代のカルチャーや映画をコレクションのインスピレーションとする<ハズバンズ>。今季の新作はヴィンテージのフレンチライディングコートをモチーフにしたもので、短めの着丈に対して程よくゆとりをもたせた身頃や袖というバランスが、独特なたたずまいを見せています。素材は強燃のウールツイル。ガッシリと立体感のある風合いがヘリテージテイストも感じさせつつ、抜群の上質さも備えています。

 

 

デザインの大きなポイントとなっているのが、ヴィンテージの雰囲気を意識した大きな襟。首元に立体的なアクセントが生まれ、シンプルに着ても印象的な装いに。

 

ゴールドカラーのジッパーがエレガンスをいっそう高めている点にも注目。ウールパンツなどテーラードクロージングにもマッチする理由のひとつになっています。

 

トラッドブルゾンをモダンな素材で進化させた<カンタータ>に注目

 

ブルゾンタイプのレイジーマンジャケットなら、ジャパンブランドの雄<カンタータ>の新作もおすすめ。英国伝統のハリントンジャケットをモチーフにした一着は、しっとりとなめらかな高密度ナイロンで仕立てたものです。ナイロンを高密度に織り込むことでリッチな滑らかさを表現。シルエットのバランスも現代の感覚で再構築され、ゆったりとしつつもダボつかない絶妙のバランスになっています。

 

 

<カンタータ>ジャケット 99,000円
9月20日(水)から販売予定

 

 

裾・袖のリブはスーパー140'Sウール、ボタンは本水牛と細部までこだわりが凝縮されています。

 

関連記事:【インタビュー】<cantate│カンタータ> 松島紳氏が紡ぐモノ作りへの自信と覚悟

 

『THE GENTLEMEN CLOTHING AUTUMN & WINTER 2023』

イセタンメンズが『これまでも これからも 真価と進化を』をテーマに、2023年秋冬に選ぶべきファッションを紹介するカタログ『THE GENTLEMEN CLOTHING FALL & WINTER 2023』を発刊。今秋で20周年を迎え、お客さまへ感謝の意を込めて開催する、大ファッション祭のコンテンツ詳細や、この秋冬に取り入れたいさまざまなコンテンツをご提案します。

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Text:Hiromitsu Kosone
Photo:Natsuko Okada

*価格はすべて、税込です。
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