印象が勝負のビジネスマン必見|プロが解説!スーツの着こなし【色柄合わせ編】
そこで、ここからはカラーアナリストの資格も有する岩見が、色や柄が与える印象や、印象別のビジネススタリングのポイントを解説していきます。
ビジネスマンは「見せる」から「見られる」着こなしが大事
紺のスーツをすっきり着こなしている人は静謐で知的な感じがしたり、赤やオレンジのネクタイをしている人は明るく饒舌な感じを受けたり、着る人は同じでも、色や柄一つで相手に与える印象は変わります。
私はお客さまに商品をご紹介するアテンドという業務をしているので、仕事のときは、少しでもお客さまに安心してお買物をたのしんでいただければと、強い印象よりも落ち着いた印象をもたらすネイビーやブラウンのスーツを着用しています。スーツに合わせるシャツは、白やサックスなどベーシックな色を基本に、メッセージを強く出したいときは、印象づける為にネクタイの色に暖色系を取り入れたりしてアピールします。
また、スーツの色で言うと、「お受験用のスーツ」や「初めてのリクルート用スーツ」をご案内するときはフォーマルな印象を持つネイビーのスーツを、自分より年齢が高いお客さまをアテンドするときは落ち着きのあるグレーを、ブラウンのスーツはカジュアルさをプラスしたいときなど、お客さまの年齢や用途などで着分けることも心がけています。
色が与える印象を知れば、ビジネスシーンで効果的に演出できます
色によって人の印象が変わるという理論は、100年ほど前にアメリカで生まれたもので、日本に導入されたのは30~40年ほど前ですが、この10年ぐらいで「色が人の印象を変える」ことが改めて見直されています。ここでは、カラーアナリストがパーソナルカラーを診断をするときに基準にしている代表カラー6色の印象を解説します。
1.「赤」の印象
情熱・パワフル・積極性
2.「青」の印象
冷静・誠意・清潔
3.「緑」の印象
安心・リラックス・穏やか
4.「黄」の印象
希望・自由・開放
5.「紫」の印象
高貴、華麗、ロマンティック
6.「茶」の印象
寛大、安静、落ち着き
柄(スーツ)が与える印象と、シャツやネクタイと組み合わせるときのポイント
1.無地
印象:フォーマルなイメージ
ビジネスシーンやセレモニー(冠婚葬祭)などに適していて、フォーマル感が強いのが無地のスーツです。シャツは無地、ストライプ、チェックなどどれでも合わせやすく、ネクタイもスーツが無地なら、シャツと柄が重なってもそこまでしつこくないので、幅広く合わせられます。また、無地といっても通気性の良いフレスコ生地やフランネルなど、素材感も異なりますので、季節やシーンに合わせて取り入れながら着こなしを愉しんでいただくのもおすすめです。
2.ストライプ
印象:冷静・落ち着き・スタイリッシュ
英国ジェントルマンを感じさせる男性的でスタイリッシュな柄がストライプ。金融業など信用を重視する職業の人が好んで着る濃紺にピンストライプの「バンカーストライプ」など、落ち着きがあり頼りがいのある印象をもたらします。シャツは無地を推奨し、柄を取り入れる場合はシャドーストライプくらいまでがおすすめ、柄が目立つストライプとチェックは避けるのが無難。ネクタイはシャツが無地の場合は無地、ストライプ、チェックはOKですが、シャツを柄物にする場合は無地のネクタイがファーストチョイスです。
3.チェック
印象:おしゃれ・上級者・カジュアル
無地とストライプを着こなしてから挑戦したいのがチェック。比較的カジュアルな印象を与える柄がチェックですが、「グレンチェック」などは渋いイメージも演出できます。スーツ全体がチェックだと少し派手な雰囲気を与えてしまうので、シャツは無地のみ推奨。ストライプやチェックのシャツだとかなり重たいイメージになります。ネクタイはシャツが無地の場合は無地、ストライプ、チェックは大丈夫。シャツを柄物にする場合は無地のネクタイをお選びください。
ポイント解説!5つの印象別コーディネート
1.爽やかで清潔感のある印象を作りたいなら……
・シャツ=サックス無地
・ネクタイ=ネイビーレジメンタル
たとえば、取引先に初めて挨拶に行くとき、どんなコーディネートが思い浮かびますか。清潔感を意識するなら、紺から青の色のトーンを重ねる「トーンオントーン」の組み合わせが間違いありません。全体をスッキリ見せることができるので、フレッシュマンにもおすすめです。
2.頼り甲斐がありしっかりした印象をアピールしたいなら……
・シャツ=白無地
・ネクタイ=グレー小紋柄
紺のスーツが清潔感なら、グレーのスーツは頼りになる上司像の演出にぴったり。ネイビーより落ち着きを感じるグレーのスーツには、白のシャツが一番馴染みます。シンプルな組み合わせですが、信頼感が伝わる着こなしです。
3.情熱的でエネルギッシュな印象を与えたいなら……
・シャツ=ブルーロンドンストライプ
・ネクタイ=赤の水玉柄
しっかりした濃紺のスーツで落ち着きをもたらしながら、主張のあるストライプのシャツに、情熱的な赤のネクタイ。人を説得したり、納得させるメッセージを強く出したいときの好例で、押し出しの強いイメージは、意図的に使いこなしたいコーディネートです。
4.落ち着きと威厳を感じる印象を醸し出したいなら……
・シャツ=白無地
・ネクタイ=グリーンレジメンタル
茶色は年齢を重ねるごとに馴染んでくる色で、スーツに茶色を取り入れると貫禄を感じさせる印象になります。白のシャツに、茶色と相性の良いカーキのネクタイを合わせると全体的に渋いイメージに。逆に茶色のスーツで若々しい印象を出したいなら、ダンガリーシャツに、ネクタイはオレンジを合わせると、渋さから一転してトレンドの着こなしになります。
5.個性を感じるオシャレな印象をもたらしたいなら……
・シャツ=ブラウンストライプ
・ネクタイ=オレンジ小紋柄
主張のある柄でまとめたコーディネートは、オシャレ上級者向きの足し算の着こなしです。柄×柄の合わせで失敗しないコツは、ストライプ×ストライプを避ける、グレー×グレーなど同系色のチェックを選ぶ、控えめな柄を上手に重ねること。周りと差別化したいときに上手に着こなしましょう。
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Photo:Tatsuya Ozawa
Text:Makoto Kajii
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