メンズ館社員に聞いた、2021年"春"これ買いました!―メンズコンテンポラリー編
グローバルな感性で、最新最旬なファッションとライフスタイルを提案する伊勢丹新宿店メンズ館6階 メンズコンテンポラリー。同フロアを含め、日々様々なブランドや商品に触れ、バイイングやキュレートを担当する目利きの5名の男性社員は、この春、どんなアイテムを選んだのだろうか?
磨かれた独自の感性を持つメンバーのセレクトアイテムが、皆さまがこの春お迎えするワードローブの参考になれば幸いです。彼らがどんな理由で選びどう着こなしていくのか、5名5色のファッショニスタの語りも合わせてお楽しみあれ。
奥深く掘り甲斐がある"普通"なスタイル、松岡
Ⅰ. POLYPLOID/ポリプロイド|ベスト
このアイテムは、初見で「どう着ようかな」と自然に考えてしまう一着でした。コットンベースのナチュラルな表情でありながら、首元のカットや前後の裾の差、サイドボタンやバックに配されたポケットと、なんだか良い意味でちぐはぐな雰囲気にグッときました。
中に重ね着するものとしてはカットソーやシャツ、フーディーもいけます。サイドボタンの開閉でシルエットの変化を楽しむのも◎。一番表に出して主役を張ることもできながら、コートやジャケットの中に重ねることもできます。こう考えているだけでも既に楽しい、スタイリングしがいのあるアイテムです。
Ⅱ. Graphpaper/グラフペーパー|バンドカラーシャツ
一見、とてもシンプルなバンドカラーシャツ。超長綿系の細番手で織られたブロード生地を用いたオーバーサイズな仕立ては、「普通」な良さを突き詰めたアイテム。バンドカラーは個人的にレギュラーカラーのシャツよりも、畏まって見えず、かつレイヤードしやすいため、好きなシャツの襟型です。
春先はサイズを上げたバスクシャツやクルーネックスウェットとのレイヤードで、そして1枚で着られる季節が来た時には、グレーのサマーウール素材のスラックス(裾はシューズに少し溜めて)に、インナーは白のカットソーで、ボタンは上2つを開けてリラックスした表情で着たいです。
歴史やカルチャーを感じるスタイル、関川
Ⅰ. KIJIMA TAKAYUKI/キジマ タカユキ|バケットハット
昨シーズンに「あっ!ベンタイルだ!!これでもうにわか雨予報の日に傘持たなくていいじゃん。」と、"いかに手ぶらで快適に過ごせるか"に執着している私にとっては大ニュースでした。その時は真夏だったので白を購入して大活躍でした。春夏の今シーズンは裏地がメッシュになっており、より快適さが増しています。ということで、白はもう持っているため今回は黒とベージュを2色買いしました。
雨の日はベンタイルやバーバリークロス、ゴアテックスなどのレインコートと合わせたり、晴れの日はパーカやカーゴパンツなどでラフにストリートなスタイリングをしたいですね。
Ⅱ.URU/ウル|カーディガン
なんていい色なんだろう。
大好きな深いグリーン。そして着丈が82cmあるのにワイドな身幅でフェミニンになり過ぎない絶妙なバランス。暖かくなってきた時のジャケット替わりのアウターとしても使えそう。パンツのシルエットも選ばずに合わせやすそうです。レーヨンが混ざっているのでしっとり滑らかな肌触りも好印象です。Tシャツの腕や首元で素肌があたっても嫌じゃない。
この色なら靴が何色でも合わせやすいのも好きなポイントです。気を抜いたら毎日着ていそうですが、まずはマルジェラのドライバーズベストの上に羽織ってニットアンサンブルで綺麗に着たいですね。
細部に神が宿るスタイル、バイヤー渡邊
Ⅰ. HERILL/ヘリル|カジュアルシャツ
インドの上質なスヴィンコットンを使用したワークシャツ。なめらかな肌触りで、着心地の良いシャツです。ゆったりとしたパターンで、ブランドらしいシルエットを楽しむことができます。2019AWシーズンからスタートした同ブランドですが、瞬く間に広まっていきました。その人気な理由もうなづけるアイテムだと思います。アイロンをかけるというよりは、洗いざらしでバサッと着るイメージです。他にもレギュラーカラーやバンドカラーも同素材にて展開しています。
Ⅱ. ATON/エイトン|パーカ
ゆったりめのシルエットと天然染料で製品染めされた独特の発色がお気に入りのポイントです。袖口のリブがトライアングルになっており、一か所に力がかからないようになっている細やかなディテールがファッションラバーの心をくすぐります。ブランドのシグネチャーアイテムでもあるので、ぜひ一度手にとっていただきたいアイテムです。
ストリートカルチャーと男らしいスタイル、鳥山
Ⅰ. NEEDLES/ニードルズ|ミュール
毒々しい色使いの中に気品のあるアイテムが多い大好きな<ニードルズ>。今回は定番のミュールを選びました。革靴でもスニーカーでもない絶妙なアイテムで、クセがありながら不思議とスタイリングがまとまるところが魅力です。
自分の定番スタイルであるスウェット×チノに合わせたり、最近はワイドパンツにやや食傷気味なので、細めのスラックスやデニム、フレアパンツなんかとも相性がいいと思います。
Ⅱ. THE RERACS/ザ・リラクス|スラックス
大きいウエストをベルトでグッと絞る履き方も大好きですが、ウエストが極端に細い自分にとって、イージー仕様のスラックスはとても嬉しいアイテムです。
上のミュールでも触れましたが、極端なワイドシルエットよりもややスリムな方が気分のため、今回はテーパードを選びました。見た目の綺麗さに反したイージー仕様で穿き心地もよい汎用性の高さが魅力で、気づいたら手に取っています。
グレースウェットに白ブレーザーでシンプルに合わせたいですが、何に合わせてもしっくりくるので、ワードローブの中心になりますね。
シルエットやデザインで変化をもたらすスタイル、薗部
Ⅰ. CFCL/シーエフシーエル |カーディガン
コンピューターニッティング技術によるホールガーメントで作られた、他に類を見ぬエレガントな表情がたまらない逸品。デザイン・シルエットはもちろんですが、生産背景にあるデザイナー 高橋悠介さんの「CFCLはスタイルブランドではなく、プロダクトブランドである」というフィロソフィーに魅力を感じます。
機能性も申し分なく、縫い目のないホールガーメントはシワになりにくく、さらに洗濯機で洗うことができます。高橋さんの「さまざまなオケージョンに合わせられるように」という想いからも分かるように、シーンやスタイルを選ばずに味わうことができるアイテ・・・いや、“プロダクト”です。
Ⅱ. stein/シュタイン | フーデットコート
ミリタリーベースなのに、上品な佇まい。
それだけで購入理由には十分ですが、フードの取り外しやシェル・インナーの組み分けなど、ギミックの応酬にやられました。その日の天気や合わせるアイテムによって着こなしを変化させられる点が魅力です。
個人的には、「上二つのボタンを留め首元にボリュームを出し、ウエストベルトは留めずに結び、胸元以下のボタンをすべて開けインナーコートの存在をアピール」という、動きのあるスタイルが気分。コートで表現した黒の濃淡を活かし、チャコールグレーのパンツでシックに合わせるのがおすすめです。
メンズコンテンポラリーの特集ページを見る
Photograph:Yuichi Tajima
*価格はすべて、税込です。
*本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。
*こちらの商品はLINEでのお問合せが可能です。店頭でのお取り置き、ご質問等お気軽にお問い合わせください。