【インタビュー】<PELLE MORBIDA/ペッレ モルビダ>|“優雅さ”と“バッグを持った時の美しさ”を追求し続ける姿勢
バッグブランド<PELLE MORBIDA/ペッレ モルビダ>から、これまでのデザインコンセプトを踏襲しながら、ワンランク上の世界観を形にした新しいエクスクルーシブライン「Hawser/ホーサー」が伊勢丹先行でリリース。今回は、バッグデザインを担当する株式会社bulldogのデザイナーにお話を伺った。「<ペッレ モルビダ>にある船のイメージを膨らませながら、ブランドの姿勢やメッセージなどをエッセンスとしてシンクロさせています」と語り、「デザインは生きもの」というバッグデザインの技術や生産まで精通する、 “デザインの発想と着地点”とは・・・。
<ペッレ モルビダ>とは・・・
PELLE MORBIDA(ペッレ モルビダ)は、"旅の理想形"として知られる船旅を楽しむ大人たち、"クオリティ オブ ライフ"を求める成熟した大人たちに向けて誕生したバッグブランド。優雅な船旅に持って行きたくなるような、上品で良質なアイテムを展開している。
“優雅さ”の追求とお客さまを“想う”こと
「<ペッレ モルビダ>の商品は、「何がエレガンスか?」を起点に、奇をてらっていないデザインで、モノ自体がきれいで、普遍的でありながら時代の気分も感じて、長く売れ愛され続ける形を強く意識しています。特に、プロポーションなどは手で触って確かめながら、こだわりを込めつつ、ピュアにデザインしているつもりです。」「それぞれネーム(ライン)を分けているのも、持って頂くお客さまをイメージしてのこと。バッグの立ち姿、持ち姿、利便性、好み、お客さまを想定し、作り上げています。これまでのそれぞれのラインの商品バランスなども見直しながら、常に“次”を考えています。」
奇をてらわないデザインは、「手で触る感覚」のドローイングから生まれる
「<ペッレ モルビダ>のバッグやSLG(スモールレザーグッズ)のデザインを考えるとき、“雰囲気を出したい”場合は手で描いて進めます。最終的にはデザインソフトを使って仕上げますが、柔らかさや硬さなどの全体の雰囲気は、手や目で追いながら描くほうが慣れているし、パソコンのソフトで雰囲気を出すより、鉛筆で描いていったほうがイメージを出しやすい。いまだにアナログかと笑われるかもしれませんが、“手で触る感覚で描いている“ことが大事ですね。特に最近は頭でイメージして、”確かめるために描く”ということが多いです。」「普通、“ファッションデザイン”というと、洋服のデザインがメインで、鞄や帽子などはマイナーだと思いますが、今でも仕事をしているときは、「バッグデザインとは何だろう」ということを深く考え、モノには深いワケがあることに立ち返ります。さらに、「世界には、上には上の凄いデザイナーがいる」ということを想像しながら・・・。デザイナーは誰かと比べられてチョイスされる生き物なので、常に勉強が必要だし、探究心は年々大きくなっていきますね。今、アラフォーですが、世の中には知らないことはまだまだあるし、バッグだけでも知らないことはたくさんあります。常に情報を得るように、詳しく知るように心がけています。」
飽くなき探求心によって得られてた知識で作り上げるバッグ。多くは語らないが、経験と知識がバッグの1つ1つに凝縮されているのを感じた。
「人が持ったときに綺麗」なことを大事にしながらデザインした定番2モデル
Ⅰ.「Capitano/キャピターノ」 ブリーフケース
「Capitano/キャピターノ」のロングセラーモデルのブリーフケースは、「大事にモノ作りをしたい、キレイな佇まいのデザインをしたい」という思いから生まれたものです。このラインの前のシリーズが比較的ベーシックだったので、上手く“クセを出す=個性を出す”ことができたと思います。ブランドのベースにある「波形」など、広く分かりやすい部分を残しつつ、オリジナルの型押しレザーできれいに仕上げました。」
「あるとき、バッグ作りのプロから、「<ペッレ モルビダ>のバッグは作りが難しそうですが、どうやって作っているんですか?」と質問されたことがありましたが、デザイナーとしては難しい作りもさり気なく意識的に取り入れています。そうすることで、「誰でも受け入れられるデザインだけど、簡単には真似はできません」というメッセージにもなっていると思います。」
Ⅱ.「Maiden Voyage/メイデン ヴォヤージュ」トートバッグ
「横型トートバッグの「Maiden Voyage/メイデン ヴォヤージュ」もロングセラーモデルですが、デザインするときには“CapitanoとMaiden Voyageは好むお客さまが違う”というところから発想していきます。「Maiden Voyage」を好む方は、艶っぽいスタイルを好まれる方が多いので、レザーの質感やデザイン、細部の仕様にまでしっかり意識します。」
「また、トートバッグなので持ち手を肩にかけたときのバランスや、手に持ったときの立ち姿を考えるのはもちろん、ビジネスにもオフにも旅行にも使えるものなので、実際に使ったときの利便性や機能性などもしっかり考えて取り入れます。そうして完成したデザインに向き合って、「何故これが好きで、欲しいのか」までイメージを巡らせることもあります。」
<ペッレ モルビダ>ならではのストーリーから生まれた新作フラップトートバッグ
「今シーズン新たに登場したエクスクルーシブライン「Hawser/ホーサー」は、<ペッレ モルビダ>のコンセプトの“船”のイメージから世界を広げていきました。ライン名の「ホーサー」とは、船を岸壁や桟橋のビット(係留用の鉄の杭)などにかけて繋ぎ止めるロープのことで、新作のハンドルにそのモチーフをメッシュの型押しで表現。ワンポイントディテールのシルバーパーツは、ビットをイメージしています。」
「船のロープ=ホーサーをビットにかけたり、出港するときに放したりする船乗りを“ラインマン”といい、多くの命に関わる非常に重要な役割を担っています。それを知ったときに、「<ペッレモルビダ>のラインマンはカバン職人だな」と思い、ブランドの姿勢やメッセージをエッセンスとしてシンクロさせています。」
「メインボディのレザーには、柔らかさと膨らみが出て優しい雰囲気のイタリアンレザーを使用し、ハンドルをメッシュの型押しにすることにより温かみを感じさせ、実際に持ったり、肩にかけたときには滑りづらいという合理的な機能も込められています。」
近年メンズ館地下1階のバッグコーナーにおいても、女性のお客さまからの支持も増えてきており、何年先も愛用されるバッグとして選ばれている背景には、“本質的に良いもの”への追求、そしてお客さまが実際に持った姿やスタイルなど全てを緻密に計算し作り上げられた<ペッレ モルビダ>のバッグだからこそ手に取られるのだと実感。ぜひ自分のスタイルに合わせて、この春新しく取り入れて欲しい。
- 開催期間:2月10日(水)~2月23日(火・祝)
- 開催場所:伊勢丹新宿店 メンズ館地下1階 バッグ
【店舗情報】
2月19日(金)は本館1階~7階・メンズ館は休館とさせていただきます。
►2月19日(金)の営業についてお知らせ
►営業時間変更のお知らせ
Photograph:Tatsuya Ozawa
Text:Makoto Kajii
*価格はすべて、税込です。
*諸般の事情によりイベント内容が変更、または中止となる場合がございます。予めご了承ください。
*本記事に掲載された情報は、掲載日時点のものです。商品の情報は予告なく改定、変更させていただく場合がございます。