CADANと伊勢丹メンズ館のコラボプロジェクト第4弾“Winter Takeover”を12月23日(水)より展示開始
1年間にわたるプロジェクト「Takeover」の最終章
「Takeover(テイクオーバー)」は、日本を代表するコンテンポラリーアートギャラリーが組織する一般社団法人 日本現代美術商協会(CADAN: Contemporary Art Dealers Association Nippon)と、世界No.1のメンズファッションストアを目指す伊勢丹新宿店メンズ館の1年間にわたるコラボレーションプロジェクト。
「Takeover」の語源は、インスタグラムをはじめとしたSNSのプロモーション用語に由来し、互いにテイクオーバーすることで伊勢丹メンズ館という場を用いて、CADANを構成するギャラリーで取り扱う現代美術をお客さまに新しい価値として提供する。
伊勢丹新宿店メンズ館の4フロアに設置された立方体の展示空間SI(ストアアイデンティティ)では、CADANメンバーギャラリーがリプレゼントするアーティスト4組がフロアテーマに合わせた作品を発表。今年3月より展示を行ってきた。
フロアテーマに合わせた4組のインスタレーションが登場
磯谷博史(所属ギャラリー:青山|目黒)
シンプルなポストカードに思考が揺さぶられる作品
今回、正面玄関に登場するのは、大小2台のポストカードスタンドとポストカードによる作品。ポストカードには、それぞれバナナとアーリーレッド(赤玉ねぎ)が写っているポストカードを用いて、バナナと赤玉ねぎをカットしている様子が写っている。またそれぞれのラックにはバナナの房状、タマネギの球根状にポストカードが配置されている。私たちが普段やり過ごしている時間の流れや物事の手順、空間の把握という安定した構造を揺さぶることにより、ズレを生み出そうとする試み。
COBRA(所属ギャラリー:XYZ collective)
鳥のために制作されたユーモラスかつロマンチックな作品
作品『Story of Eggs (Bird Gallery for birds)』は、ごくあたり前の、芸術における絵画作品は人が鑑賞するために、制作、展示され購入されるという固定概念に対し、視点を変え皮肉を込めてユーモアで展開・制作された作品。タイトルが示す通り、この鳥籠内に展示された絵画は卵とアドベンチャーがテーマで鳥のために制作されている。
本堀雄二(所属ギャラリー:ヤマキファインアート)
「捨てる紙あれば、拾う神あり。」というモットーから生まれた作品『毘沙門天』
使用済みのダンボールや包装紙を用いて日本の神仏や宗教建造物を制作、「捨てる紙あれば、拾う神あり。」をモットーに制作をつづけ、日常的に消費された物を「輪廻転生」してみせる本堀の作品は、正面から見たときの透過性と側面から見たときの物質感という二面性によって現代社会の均衡を的確に描写している。
利部志穂(所属ギャラリー:KAYOKOYUKI)
モノに近づき、モノが発する声を聞きながら、生成や循環を展示空間に構築
利部志穂は、生活の中で不要となったものや壊れて廃棄された拾得物、あるいはホームセンターで購入できる建築資材など、様々なモノを使用して彫刻作品を制作してきた。利部の作品においては、それらの日常的な意味や機能は解体され、組み合わされ接合されることによって新たな関係性が形成され、空間の中に置かれていく。
利部は「作品を構成するモノと自分自身は、どちらも同じく地球上の法則に従って存在しているのであり、その意味で、両者はつながっているのだ」と言う。「人間が定義したルールは疑うけれど、地球的・宇宙的なルールを信じる」と言う利部は、モノに近づき、モノが発する声を聞きながら、その一部となって、自然の摂理ともいえる生成や循環を展示空間に構築していく。
- 開催場所:伊勢丹新宿店 メンズ館1階・2階・4階・6階
主催:伊勢丹新宿店メンズ館
協力:一般社団法人日本現代美術商協会