2020.12.18 update

CADANと伊勢丹メンズ館のコラボプロジェクト第4弾“Winter Takeover”を12月23日(水)より展示開始

日本を代表する37のコンテンポラリーアートギャラリーが加盟するCADAN(一般社団法人日本現代美術商協会)とイセタンメンズのコラボレーションプロジェクト「Takeover」シリーズの第4弾“Winter Takeover”が12月23日(水)よりスタート。伊勢丹新宿店メンズ館の4フロアに設置された立方体の展示空間SI(ストアアイデンティティ)に、フロアテーマに合わせたスペシャルインスタレーションが出現する。


1年間にわたるプロジェクト「Takeover」の最終章


「Takeover(テイクオーバー)」は、日本を代表するコンテンポラリーアートギャラリーが組織する一般社団法人 日本現代美術商協会(CADAN: Contemporary Art Dealers Association Nippon)と、世界No.1のメンズファッションストアを目指す伊勢丹新宿店メンズ館の1年間にわたるコラボレーションプロジェクト。

「Takeover」の語源は、インスタグラムをはじめとしたSNSのプロモーション用語に由来し、互いにテイクオーバーすることで伊勢丹メンズ館という場を用いて、CADANを構成するギャラリーで取り扱う現代美術をお客さまに新しい価値として提供する。

伊勢丹新宿店メンズ館の4フロアに設置された立方体の展示空間SI(ストアアイデンティティ)では、CADANメンバーギャラリーがリプレゼントするアーティスト4組がフロアテーマに合わせた作品を発表。今年3月より展示を行ってきた。

*SI(ストアアイデンティティ)は、昨年3月に「男として、そして、人として -As a man , and As a human- 」を新ステートメントに掲げ、生まれ変わった伊勢丹メンズ館のお迎えの場。シーズン毎に設定されたテーマに沿ってアート作品の展示を行っている。


フロアテーマに合わせた4組のインスタレーションが登場


磯谷博史(所属ギャラリー:青山|目黒)

 


磯谷博史『Bananas and Postcards』(2014)
155×45×45cm、postcard, spinning rack
□伊勢丹新宿店 メンズ館1階 正面玄関

シンプルなポストカードに思考が揺さぶられる作品

今回、正面玄関に登場するのは、大小2台のポストカードスタンドとポストカードによる作品。ポストカードには、それぞれバナナとアーリーレッド(赤玉ねぎ)が写っているポストカードを用いて、バナナと赤玉ねぎをカットしている様子が写っている。またそれぞれのラックにはバナナの房状、タマネギの球根状にポストカードが配置されている。私たちが普段やり過ごしている時間の流れや物事の手順、空間の把握という安定した構造を揺さぶることにより、ズレを生み出そうとする試み。

  • 磯谷博史
  • いそや ひろふみ●1978 年東京都生まれ。東京藝術大学で建築を、同大学院とロンドン大学ゴールドスミスカレッジで美術を学ぶ。彫刻、写真、ドローイング、またそれらを含んだインスタレーションは、極めて静謐、詩的でありながら、建築的なスケール感と精度をもって、認識の一貫性や統合的な時間感覚を揺さぶる。


COBRA(所属ギャラリー:XYZ collective)

 

COBRA『Story of Eggs (Bird Gallery for birds)』(2020)
Bird cage, acrylic on canvas
□伊勢丹新宿店 メンズ館2階 メンズクリエーターズ

鳥のために制作されたユーモラスかつロマンチックな作品

作品『Story of Eggs (Bird Gallery for birds)』は、ごくあたり前の、芸術における絵画作品は人が鑑賞するために、制作、展示され購入されるという固定概念に対し、視点を変え皮肉を込めてユーモアで展開・制作された作品。タイトルが示す通り、この鳥籠内に展示された絵画は卵とアドベンチャーがテーマで鳥のために制作されている。

  • COBRA
  • こぶら●1981 年千葉県生まれ。現在は東京を拠点にアーティスト活動を行う。アーティストランス ペース「XYZ collective」を運営。ごく普通の世間的主題を映像作品を通してコミカルに表現した作品を多く発表している。コミカルに繰り広げられる映像作品の多くは自作自演であり、映像内のみでのパフォーマンスが多い。近年参加している多くの展覧会にて、チーズの絵がトラップに入った彫刻を手がけている。


本堀雄二(所属ギャラリー:ヤマキファインアート)

 

本堀雄二『毘沙門天』(2017)
80×75×H230cm、段ボール、ミクストメディア
□伊勢丹新宿店 メンズ館4階 メンズラグジュアリー

「捨てる紙あれば、拾う神あり。」というモットーから生まれた作品『毘沙門天』

使用済みのダンボールや包装紙を用いて日本の神仏や宗教建造物を制作、「捨てる紙あれば、拾う神あり。」をモットーに制作をつづけ、日常的に消費された物を「輪廻転生」してみせる本堀の作品は、正面から見たときの透過性と側面から見たときの物質感という二面性によって現代社会の均衡を的確に描写している。

  • 本堀雄二
  • ほんぼり ゆうじ●1958年神戸市生まれ。1983年愛知県立芸術大学彫刻専攻大学院修了。神社の廃材を用いて制作を行う機会を得たことで、仏像と向き合う道を見出す。神戸ビエンナーレ(2009)、東京INAXギャラリー個展(2010)にて”ダンボールによる仏像”を発表以来、各地のアートフェアや展覧会で発表している。


利部志穂(所属ギャラリー:KAYOKOYUKI)

 

利部志穂『ひかりのとき/ワンダー・バイ・ワンダー(Lightning-Wonder by Wonder)』(2020)
W1850×D1850×H1800mm、紙、ステンレス、ハンガー、映像
□伊勢丹新宿店 メンズ館6階 メンズコンテンポラリー

モノに近づき、モノが発する声を聞きながら、生成や循環を展示空間に構築

利部志穂は、生活の中で不要となったものや壊れて廃棄された拾得物、あるいはホームセンターで購入できる建築資材など、様々なモノを使用して彫刻作品を制作してきた。利部の作品においては、それらの日常的な意味や機能は解体され、組み合わされ接合されることによって新たな関係性が形成され、空間の中に置かれていく。

利部は「作品を構成するモノと自分自身は、どちらも同じく地球上の法則に従って存在しているのであり、その意味で、両者はつながっているのだ」と言う。「人間が定義したルールは疑うけれど、地球的・宇宙的なルールを信じる」と言う利部は、モノに近づき、モノが発する声を聞きながら、その一部となって、自然の摂理ともいえる生成や循環を展示空間に構築していく。

  • 利部志穂
  • かがぶ しほ●1981年神奈川県生まれ。文化女子大学立体造形コース卒業後、多摩美術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了。2017年より文化庁新進芸術家海外研修制度の助成を得て、2年間ミラノを拠点に活動。現在は東京都在住。


イベント情報
CADAN×ISETAN MEN'S : Winter Takeover
  • 開催場所:伊勢丹新宿店 メンズ館1階・2階・4階・6階

主催:伊勢丹新宿店メンズ館
協力:一般社団法人日本現代美術商協会

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