松本恵奈さんがディレクションするブランド〈CLANE/クラネ〉が2020年でデビュー5周年を迎えた。さまざまなブランドとのコラボレーションでアニバーサリーイヤーを盛り上げているが、中でも注目なのが、藤原ヒロシさん手掛ける〈fragment design〉とのコラボレーションだ。9月2日（水）から三越伊勢丹オンラインストアで先行受注販売される同アイテムについて、松本恵奈さんにお話を伺った。

──今回、藤原ヒロシさんとのコラボレーションが実現した経緯を教えてください

松本恵奈（以下、松本）：ヒロシさんとは同じ中学校の出身なんです。数年前にイベントでご一緒して以来、食事に行ったり仲よくさせていただくようになりました。前にも一度コラボレーションしたことがあるのですが、今回〈クラネ〉が5周年を迎えるにあたって企画をいくつか考えていくなかで、ヒロシさんとのコラボレーションはぜひやりたいなと思って。いつもの何気ないメールの流れからお誘いして実現しました。

──藤原さんとはどのようなやり取りをしてもの作りを進められたのですか？

松本：ヒロシさんともの作りをする時は、直接会って何度も打ち合わせをします。ヒロシさんのデザインに〈クラネ〉らしさを加える時もあれば、〈クラネ〉の提案するデザインにヒロシさんのエッセンスをプラスしていただくことも。今回もヒロシさんの考えるミリタリーアイテムやメンズアイテムをベースに、女性らしさと〈クラネ〉らしさを落とし込みました。ヒロシさんは、グラフィックやネームのセンスもすごく素敵。最終的に、女性らしいフォルムのアイテムにグラフィックをのせて完成しました。

──今回のコラボレーションでは、Tシャツ、ブルゾン、コートと3アイテム用意されました。それぞれについて教えてください。

松本：Tシャツは、シンプルにヒロシさんが考えてくれたロゴをメインデザインにしています。左胸には〈クラネ〉と〈フラグメント〉のロゴを施し、バックには”CALNE”の”A”と”fragment”の”A”を重ねたトライバル柄のようなデザインを大胆に入れました。サイズはSとLの2サイズ。Sサイスは女性がジャストで着られるサイズ感です。メンズライクなグラフィックなので、女性らしく着こなしやすいよう、タックインしやすい丈で作りました。Lサイズはビックシルエットで大きめに着てもいいですし、男性の方にも着ていただけるサイズです。



松本：ブルゾンは、1970年代にアメリカ軍で使用していた「CWU-36P」をベースにしました。ミリタリーのヘビーナイロンツイルを使用して本格的に仕上げつつも、中わたはあえてなし。ミニマルな印象で着られるよう〈クラネ〉のエッセンスを入れたので、普段ミリタリーアイテムを着ない方にもオススメです。カラーは今回のコラボ用にオリジナルで染めた色。カーキには白で、ブラックには同色系でプリントを施し、モードな印象に仕上げました。ライン状に入れた「A」の柄の上から、あえて柄にかかるようにポケット付けたのもポイントです。アウターとして着るだけでなく、レイヤーアイテムとして〈クラネ〉のアイテムとも一緒に着こなしていただきたい、スタイリングのスパイスになるようなブルゾンです。



松本：コートは、「M-65」をベースに本物さながらに再現しました。フーディの取り外しもできる本格的な仕様です。昔は綿・サテンのミリタリーの素材を使用しているものがほとんどでしたが、CLANEとfragmentのコラボアイテムということで、カジュアルになりすぎないようにメルトンウールを使用しモードな印象に仕上げたのもポイントです。大人っぽく着られるように、ロゴとグラフィックモチーフを生地のベースカラーと同色プリントにしました。



──9月2日（水）からはポップアップイベントも開催されます。〈クラネ〉ファンの方やイベントを楽しみにしている方々にメッセージをお願いします。

松本：〈クラネ〉が5周年を迎えることができたのも、日頃から〈クラネ〉を好きでいてくれて、お買い物をしてくださる方がいるからこそ。アパレルはそういう方々がいるからこそ成り立つ仕事なので、感謝の気持ちでいっぱいです。コロナで世の中が沈みがちになっていますが、ファッションは気分を上げたり、楽しみを感じたり、人に幸せを届けるためにあるべきものだという気持ちは変わっていません。それを仕事にしている私たちは、どんな時でもお客さまに、明るい気持ちでいてもらえるような提案、もの作りを続けていきたいと思っています。これからも〈クラネ〉をどうぞよろしくお願いします。

5周年という節目を迎えた〈クラネ〉だが、松本さん自身、何事にも貪欲な姿勢は昔から変わらないと語る。仲間とのチームプレーを大切に、これからも新しいこと、おもしろいことを提案し続けたいという〈クラネ〉から、今後も目が離せない。