2020.02.21 update

【特集】1年間履き続けたリアルレポート!ミッドソールをカスタマイズしたスニーカーの履き心地とは?

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これまで何度かレポートしてきた<ECCO/エコー>の「QUANT-U(クアントゥー)」は、最新のテクノロジーを駆使して、履く人の足型や歩き方のクセに合わせたミッドソールを、ビスポーク感覚で3Dプリンター成形するという画期的なプログラム。昨年春と秋の2度にわたって伊勢丹新宿店でポップアップが開かれると、多くのお客さまをはじめ、靴業界、ファッション業界関係者の間でも大きな話題となった。その評判は三越伊勢丹社内にも広がり、プログラムを実体験したバイヤー、スタッフも少なくない。最初のポップアップから1年、昨秋の第2回から半年を経て、実際に「クアントゥー」を履き続けてきた伊勢丹新宿店のスタッフに、その後の様子を聞く機会を得た。果たしてその効果のほどはいかに?


  1. 「QUANT-U(クアントゥー)」を体験した伊勢丹社員の本音
    1. 1. 紳士靴担当バイヤーの2人は硬軟ミッドソールを履き分けている
    2. 2. 元甲子園球児は古傷を感じさせない快適な歩行性能を実感
    3. 3. 前・ISETAN MEN'S net編集長はファッション性も高評価
  2. <エコー>「クアントゥー」が変えるスニーカーの未来とデジタルイノベーション
  3. 【特集】スニーカーの新しいフィッティング、「QUANT-U(クアントゥー)」を体験


「QUANT-U(クアントゥー)」を体験した伊勢丹社員の本音


左から、田畑智康(メンズ館地下1階=紳士靴バイヤー)、宮下創太(メンズ館6階=メンズコンテンポラリー アシスタントバイヤー)、福田隆史(メンズ館地下1階チーフバイヤー)、田代径大(三越伊勢丹MD統括部マーケティング推進部ディレクター)


1. 紳士靴担当バイヤーの2人は硬軟ミッドソールを履き分けている



伊勢丹メンズ館スタッフで、初めて「クアントゥー」を体験したのは、メンズ館地下1階チーフバイヤー福田隆史だ。オランダ・アムステルダムにある<エコー>の直営店・W-21内にある研究施設「エコーイノベーションラボ」を訪れた際、試験段階だった「クアントゥー」にトライ。自分の足に合わせて1足オーダーしている。



「エコーの技術者におまかせして、足の計測が終わると、いくつか質問されました。立っている時間と歩いている時間、どちらが多いかと聞かれ、当時は店頭に立つことも多かったのでそう答えると、ならば少し硬めの仕上がりが良いでしょうということでした。出来上がったハニカム構造のシリコーンミッドソールは、硬いと感じることはありませんでしたが、アーチがやや高めの設定です。これが履いてみると、まるでやわらかい青竹を踏んでいるみたいに土踏まずを支えて、すごく快適だったんです」。

ここでの体験を是非日本へと考え、世界で初めて「クアントゥー」の販売が伊勢丹メンズ館で行われたのだ。福田に同行していた紳士靴バイヤー田畑智康も、このとき1足作っている。


「私のクアントゥーのアーチは福田より低めでしたが、つま先に厚味がありました。これは僕の足が二の甲が低く開張足だったことによるものです。ウィズが広くて薄いので、つま先を持ち上げることで靴内のフィット感を増すという仕組みのようでした」。

アーチが分厚い福田と、つま先が分厚い田畑のミッドソールには、もうひとつ違いがあった。

「ハニカムの大きさが違うんです。福田より、微妙に僕のほうが大きい。たぶんこれは体重にもよるのかと。重い人はハニカムを密にして体重を分散しますし、軽い人は大きめのハニカムでふわりと支える。この違いは左右でも変わるので繊細な調整がされているようです」。

左右で違うミッドソールが仕上がるというところも大きなポイント。人間の足は左右同寸であることは珍しく、利き足の違いでも左右で差がでる。また歩き方にもクセがあるため、重心位置や体重の掛け方によって左右の靴への負担は異なるものだ。クアントゥーの計測結果は、そこまで読み取ってミッドソールを成形するのである。振り返って福田は言う。


「私の場合、運動不足のせいもあって足が扁平足だったんですね。歩き方も、右足を外側に振るクセがあるそうで、たしかにいつも右足の靴が痛みやすいんです。クアントゥーでオーダーした靴は、片足だけ痛むこということがなく、均等に履き込まれた風合いがでてきました」。

福田は秋のポップアップで、もう一足オーダーしている。今回は足の特徴にあわせた形状はそのまま、やや柔らかめのシリコーンを使って、クッション性をアップした。

「一足目を作った後で、歩くときは柔らかめのほうがいいと聞いたので。たしかに歩くときのクション性はやわらかいほうが自分の好みにも合っていました。商談などで出歩く日は柔らかめ、店頭に立つ日やオフィスワークが多い日は硬めといったように履き替えています」。


2. 元甲子園球児は古傷を感じさせない快適な歩行性能を実感



甲子園出場経験のあるメンズ館6階=メンズコンテンポラリー アシスタントバイヤー・宮下創太の場合は、更に複雑だ。野球体型で下半身が太く、がっしり体型の彼は以前、メンズ館地下1階=紳士靴でスタイリストを務めていたこともあり、靴への見識が深い。そのため自分の足の形状についても熟知している。


「足長は左右で1サイズ違います。右はウィズもブランドによってHかG、左はF。既成靴はそのままではほとんど合いません。靴は大きい右足に合わせて買うのですが、左足のシュータンの裏には必ずパッドを貼ります。フッティングを高めるためでもありますが、紐靴の場合、羽根の開き方が左右で変わって、見た目にカッコワルイので(笑)」。

宮下はクアントゥーの計測時から「踵荷重」を指摘されていた。姿勢が良いこともあり胸を反りがちで、歩行時には踵からドスンと足を下ろす歩き方がクセになっている。そのうえ野球部時代に半月板を損傷し膝を手術しているため階段を登る時の衝撃が膝にくることがあるという。


「3D計測時、技術者の方から踵を下ろすときの音がやばい(笑)と指摘されました。膝も弱いので、普段からエレベーターやエスカレーターを多用するクセが付いていたのですが、クアントゥーを履くと衝撃がやわらいで不快感がない。階段の角に足をついたときの衝撃がやわらかいので膝に負担が来ないんです。駅のホームや社内移動のときの階段がラクになったと感じています」。

昨春にオーダーしたシューズは、かなり履き込まれている。取り出したミッドソールは、ハニカムが細かいうえに踵が高く、さらに左右の幅も厚味もかなり違っていた。踵部分のハニカムをとくに密に仕上げることで前荷重となるように調整されているのだ。



「姿勢が前荷重になることで、すごく歩きやすいし疲れにくくなりました。靴担当時に相当買ったので、靴はたくさん持っているのですが、これは快適すぎて、かなりの頻度で履いてしまいます。革質がモチモチしていて、包まれている感がすごく気持ちいいですし、クリームを入れた時のツヤも美しい。経年変化していく様も革靴のように楽しめます。次回のポップアップではもう1足、オーダーしたいですね」

<エコー>は現在、レザーの供給会社もグループ内にあり、世界中のデザイナーやファッションメーカーに供給している。原皮のタンニングにイノベーティブな技術を採用し、軽量で耐久性がある革、ケミカルカラーの革、さらには半透明な革まで生み出している。革に一家言ある靴好きも、満足できるものとなっているのだ。


3. 前・ISETAN MEN'S net編集長はファッション性も高評価



クアントゥーの体験レポートにも登場している田代径大には、紳士靴アシスタントバイヤーとしての経歴もあり<エコー>についても、すでに周知している。


「このモデルは、”SOFT8”という<エコー>の定番モデル。シンプルで飽きのこないデザインですよね。以前の<エコー>はロゴが目立つ健康靴、コンフォートシューズというイメージだったんですが、ここ数年でかなりブランディングを変えてきました。モダンでミニマルなモデルが増えたので、ファッション性も向上しているし、いい意味でテクノロジーを駆使したシューメーカーとしての地位を築き上げています」。

バイヤーやスタイリストとは異なり、デスクワークが主な現職。最近では、歩きやすさよりファッション性を重視した靴選びをしがちだという。


「会社に履いていけるシンプルで大人っぽいスニーカーって、探してみると意外とないんです。キャンバススニーカーではオフィスではちょっと軽すぎるし、ジャケットに合わせにくいですよね。レザーアッパーのスニーカーとしても<エコー>はスマートなフォルムで汎用性が高く、コーディネートもしやすいですし、革質もスニーカーの革としてはかなり上質です」。

社内でもウェルドレッサーで知られ、古着を取り入れた着こなしもお得意だ。この日は古着のミリタリーパンツだというワイドなボトムズに<エコー>をコーディネート。カジュアルな印象だが、普段はクリース入りのスラックスにも合わせられるという。


「学生時代はハンドボールをやっていたのですが、足の底面がフラットで、アーチも低いのだそうです。左足が軸足で、右足が蹴り足ということも計測時にわかりました。出来上がったミッドソールは前足部が厚くて、踵が低い。アーチもしっかり盛り上がっていて立体的。僕のフラットな足を矯正してくれているみたいです。ミッドソールの形状は左右でかなり違うのですが、履いてみるとこれがしっくりくる。フィット感が良く歩きやすいので。推進力が増したように足がすいすい前に出るというふうにも感じます」。


<エコー>「クアントゥー」が変えるスニーカーの未来とデジタルイノベーション


田畑 今日は社内でもクアントゥーを体験済みの方に集まってもらったのですが、どうですか、かなり好評だと思うんですが。
田代 かなり調子いいです。<エコー>って、ここ10年ぐらいでかなりイメージ変わってきてると思うんです。以前はシニア向けのコンフォート靴というイメージがありましたよね。



福田 <エコー>ってじつはまだブランドとしての歴史は50年ぐらい。最初日本に入ってきたときは、北欧のコンフォート靴、ウォーキングシューズというイメージだったけど、いまでは最新のテクノロジーを駆使したビッグネームになってる。
田畑 先日のCESにも出展していて、靴メーカーでありながらデジタルイノベーションを推進する企業としての立場を明確にしています。歩行特性を数値化する技術や計測機器の設計・製造までできるシューズメーカーって他にはないでしょ。将来的にスマホと連動するスマートシューズ構想もあるんじゃないかな。


田代 デザイン性も悪くないというか、むしろ高いですよね。それに一般的にアウトソールかインソールで衝撃吸収するけど、ミッドソールに着目してる。ミッドソールの素材にこだわるのは、ランニングシューズぐらいでしょ。
宮下 たしかに最近のスニーカーは、インソールが衝撃吸収素材のカップインソールだったりしますよね。アウトソールで衝撃吸収する設計にすると、いまならハイテク系のダッドスニーカーみたいになりがちです。


田畑 私は以前、ミッドソールをいれないタイプの”SOFT8”を履いてたことあるんですが、ダイレクトインジェクション方式なので通常のスニーカーより履きやすい形状ができるんだそうです。普通、この手のスニーカーって、セメントかバルカナイズじゃないですか。アッパーとソールを一体成型できるから、木型の足裏面まで立体的に成形できるのでフィット感が良いんです。これに一人ひとりの足型に合わせたミッドソールを入れるわけですから、そりゃ履き心地が良いワケですよ。
福田 計測結果に基づいてミッドソールを成形する際、液体シリコンを噴出してハニカム構造のミッドソールを3D出力する様子には未来を感じるよね。

  • 3Dスキャンと歩行計測による解析データをすべて反映した、お客さまのためだけのシリコーン製ミッドソールを、専用3Dプリンターで出力する。

宮下 スニーカーなのにオーダーシューズという感覚も新鮮です。革靴をビスポークする感覚で、スニーカーを自分だけの一足にカスタムできるんですから。
田代 革の種類や色も変えられるんですよね。
福田 仕事に履ける靴として選んだので、こういう色になっちゃった(笑)。
田畑 今日、皆さん、たまたまモノトーンの靴ばかりですけど、本当は12色あるんです。革質はマットな質感で滑らかな「セレステ」と、職人が手作業で染色、いわゆるパティーヌ染めを施す「オックスフォード」との2種類に加えて、鉄の約5倍の強度を持ちながら"超"軽量な「ダイニーマ®」モデルもあります。ベーシックカラーが揃っているので、どれも履きやすいラインナップだと思います。

  • 紙レベルの軽さと薄さに高耐引裂性を備えたダイニーマレザー。薄く削いだ革に鉄の15倍の強度を持つ高強力ポリエチレン繊維を貼り合わせている。

宮下 派手な原色とかケミカルカラーは無いんですね(笑)。
田代 <エコー>はレザーメーカーとしても話題のメーカー。Apple WatchやiPhone、iPadケースにもエコーレザーが採用されているんですよね。


田畑 いい振りですね(笑)。3月にはエコーレザーと国内外のバッグブランドがコラボして、オリジナルバッグをカスタマイズできるイベントも企画しています。こちらも改めてレポートさせていただきたいと思っていますので、よろしくお願いいたします。

【特集】スニーカーの新しいフィッティング、「QUANT-U(クアントゥー)」を体験


イベント情報
<エコー>「QUANT-U」ポップアップストア
  • 2月19日(水)~3月24日(火)
  • メンズ館1階=紳士靴

Photo:Natsuko Okada
Text:Yasuyuki Ikeda

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