Saori Ohwada
おおわだ・さおり●2012 年、樹木の生態と生命力に興味を持ち、樹木の生き生きとした佇まいと、樹にしか持つことの出来ない表情に胸を打たれ自身の作品モチーフを樹木に絞る。 現在も樹木の作品に加え、サボテンや多肉植物や塊根植物といった植物のリアル画をシリーズ化させ、作品を増やし続けている。www.instagram.com/saori_ohwada/
今後も生命力が宿る植物作品を描き続けたい
──どういった経緯でアーティスト活動を始めたのですか?
専門学校のデザイン科を卒業後、昼間はデザインの仕事をしつつ、帰宅して絵を描くという生活をしていたのですが、4年前くらいに一念発起して昼間の仕事も辞めて、それから本格的に絵だけで活動を始めましたのが最初です。
──2012年から植物のアート作品を製作されていますが、そもそも何がきっかけで描くようになったのですか?
実家が福島県で、もともと木々に囲まれて生活をしていて身近な存在だったということもあるのですが、一番の要因は体調を崩したことです。というのも上京をしてから、自分にしか描けないモチーフは何だろうって悩んで体調を崩し、1ヶ月間入院をしたのです。そして退院後に、改めて呼吸ができるありがたさや、生命の尊さを実感して。そんなとき最初に興味が湧いたのが、植物や樹木でした。特に樹木は見た瞬間、生命力に魅せられたと言いますか、きらきら輝いて見えたんですよね。そのときに樹木の生命力を絵で表現したいって思いました。
──ご自身の作品の魅力はどこにある思いますか?
自分では特に意識して描いてはいないのですが、周囲の方からは樹皮の模様だったり葉脈も細かな描写がすごいリアルで、そこから樹木の命の息吹や生命力を感じるって言われます。リアルな表現にはこだわっているので、すごく嬉しいです。あと樹皮や葉はリアルにこだわる一方、全体のシルエットは「こんな形があったらいいな」っていう私の理想型で描いているので、リアルと幻想の共存ではないですが、個人的にはそこも面白いなって思います。
──作品を通じて、今後どんなことを伝えたいですか?
私は珍しい植物を中心に描いているので、そういう植物も世界には存在しているんだということを知ってほしいですね。あとは樹木のもつ生命力の尊さを、私にしかできないリアルな表現などを駆使して、一枚一枚絵に魂を込めて描きたいですね。私が植物から元気をもらったように、私の絵を見た人がポジティブな気持ちになるような作品を描き続けることが理想です。
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