AZU KIMURA
きむら・あづ●フラワーデザイナー、作家。 植物を素材とした空間ディスプレイや、撮影を担当するかたわら、自然物をテーマに作品を制作。 植物という存在が鑑賞者にとって新鮮なものになることを目的に活動をしている。http://azukimura.com

アートだから表現できる植物の不思議な変化を見てほしい


──ずっと植物が好きだったのですか?

そうですね。もともとは生け花を10年間ほどやっていたのですが、そのときに「これが仕事になったらいいな」って思っていました。そして転職をしてお花を扱う職についたのですが、そのときに花びら一つをとっても色や模様がそれぞれ違って面白いなって思うようになって、作品を作り始めたという感じです。



──ルーブル美術館のカルーセルで開催された、155 年の歴史を持つフランスの美術団体主催のアート展「the Salon des Beaux Arts,」へ出展されていますが、これはどういったいきさつで?

日本で展示をしていたときに偶然パリのキュレーターの方がいらしてて、それで気に入ってくださって展示をさせてもらいました。私は海外での展示経験が浅いのでわからないですが、フランスの方は作品の説明文を読まずに、第一印象で善し悪しを決めている気がしました。色んな国の方がきていて、中国の方から他のギャラリーでやらないかってお誘いを受けたのですがタイミングが合わず、残念ながらお断りをしてしまいました。

──「ART UP」での展示はいかがですか?

今回が初めてなのでありがたいですし、嬉しいです。出展した作品は特に伊勢丹さんを意識しているわけではないですが、メンズ館っていうのがいいなって思いました。というのも、植物やお花って女の人が好きなものなので、男性に見てもらえる機会が増えるからすごくありがたいなって。やっぱり至近距離で、まじまじと見てもらえたら嬉しいですね。花や植物ならではの花びらの模様や色、葉脈など、繊細な部分を見て欲しいです。



──今後植物を使ってどんな表現をしたいですか?

植物が変化するところを見せたいなって思います。例えばお花でも、普通に咲いているものと作品として仕上げたものでは、また違った美しさを提案しなければならないと思っています。もちろん自然に咲いているお花が一番美しいわけですが、それに手を加えるからには花びらが違う色に変わったり、葉の葉脈が浮きでたり、色や質感の変化で生まれる不思議な部分を表現できたらいいなって思います。さらに言えば、そのものの色やかたちが変わるというだけでなく、花への捉え方や視点が変わることも表現したいことです。


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