2019.04.07 update

改めて知りたいタイクリップ・タイバーの使い方と選び方(1/2)

メンズ館では、お祝いことやお礼の品として春先にタイクリップやタイバーの問い合わせが非常に多くなるその一方で、何も考えずに惰性でこれらを用いている人が多いのも事実。そこで今回は、タイクリップやタイバーにまつわるあれこれを、服飾評論家 飯野氏と共に探ってみましょう。








 



タイバー 左から<ルイファグラン>10,800円、<ランバン>17,280円

タイの変化に合わせて生まれたさまざまな構造



日本では一括して「ネクタイピン」と呼ばれるこれらですが、その構造は登場時から色々と考案されてきたことは案外知られていません。
長い針をタイとシャツに深く刺す最も古典的な「タイピン」、短い針をタイに刺しそれをシャツのボタンとチェーンで連結させた受け座で押さえる「タイタック」、鎖にタイを通して横長の台座でシャツのボタンに固定させる「タイチェーン」、それに金属の応力のみでタイとシャツとを固定させるシンプルな構造の「タイバー」など。

今日圧倒的に主流なのは、バネと小さな刻みでタイとシャツとを噛んで固定させる「タイクリップ」と呼ばれているものです。ここから先はこのタイクリップと、形状が似ているタイバーに絞って見ていきましょう。

 

「どこに、どう挿す?」にあなたのセンスが出る



タイクリップやタイバーを違和感なく自然に身に着けるにはぜひとも知っておきたいコツがあります。まずは挿し方。シャツの合わせの関係で、これらは右胸側を根元にして左胸に向かって真横に挿すのが正解。
また、当然ながらタイの大剣と小剣、それにシャツも全て挟み込まないと、それらを固定する効果が十分に発揮できない他、根元までしっかり挿すことが肝心です。

また絶対的にというわけではないですが、着ける上下の位置も印象を大きく左右します。
これはジャケットを着けた際に生じるVゾーンの下端より少し上、と覚えておけば基本的には大丈夫。つまりタイクリップやタイバーが適度にちらっと見えるポジションです。これさえ知っておけばジャケットの流行が変化しても柔軟に対応できます。

ただし、ジャケットを脱いだ際にはシャツの上から5番目と6番目のボタンの間、ちょうどへその少し上辺りに移動させたほうが、大剣がバタつかず快適性と実用性が増すのも覚えておきましょう。