【動画】矢部克已×ナポリの新世代クリエーターたち vol.1|ルカ・グラシア──サルトリアからブランドへ移行する重要な一年(1/3)
「メンズ館でトランクショーを何度か重ねてきて、日本の文化や働き方、考え方などに徐々に慣れてきました」という<Luca Grassia/ルカグラシア>を率いるルカ・グラシア氏を迎え入れたのは、ファッション雑誌『MEN'S Precious(メンズプレシャス)』(小学館刊)のエグゼクティブ・ファッションエディター矢部克已さん。昨年秋のインタビューよりも力強い言葉が多い印象的なインタビューになりました。
ファッション雑誌『MEN'S Precious(メンズプレシャス)』(小学館刊)のエグゼクティブ・ファッションエディター矢部克已さん(左)とルカ・グラシアさん(右)
サルトの商品にコレクションの概念を加えるという革命
サルト界を牽引してきたレジェンドたちとルカの違いは、彼自身がクリエーターであり、さらにデザイナーの感性を持っているサルトリアであること。彼の工房の「サルトリア グラシア」の特徴は、ナポリのサルトの技術を取り入れながら、ほぼフルハンドで仕立てているところで、トランクショーでは仮縫い付きのビスポークを展開。若い感性が光るサルトとしてお客さまと新しい関係を築いている。
矢部 昨年秋のトランクショーのときに続いて、またお話を伺います。まず簡単にプロフィールから。
ルカ 1985年生まれで、「サルトリア グラシア」の3代目になります。自分と弟が働いています。工房で生まれ育っているので、子どもの頃から職人の手ほどきは染みついています。会社は父がしっかり組み立てて、今、弟と大きくしているところです。2018年は、私たちが「サルトリアからブランドへ変わりつつある」重要な一年と位置づけています。
矢部 <ルカグラシア>が"ブランド"として核としていることは。
ルカ 私たちは、サルトの技術をベースに、ラグジュアリーブランドからもインスピレーションを受けています。サルトというと「クラシックな枠内に囲ったもの」と思われがちですが、ファッション性があるものも積極的に受け入れて、サルトの商品にコレクション的な概念やトレンドを入れているのが、<ルカグラシア>の革命だと思っています。
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