2018.02.23 update

【インタビュー】有機的な温かみあるサウンドこそ、マーティンの個性──藤原ヒロシ(1/3)

創業1833年の歴史を持つアコースティックギターメーカー、マーティン。「D-28」を筆頭とする永遠のスタンダードモデルを多数手掛けるマーティンこそは、ギター界の重鎮ブランドだ。プロも認める“アコギ”界の殿堂が、ついに総生産(シリアルナンバー換算)2,000,000本(!)という偉業を達成。そのアニバーサリーとして昨年11月、メンズ館8階=イセタンメンズレジデンスにて、世界限定モデルである「D-200 DELUXE(現品限り)」を含むマーティン・ギターを多数取り揃えたスペシャルイベントが執り行われた。

同イベントの彩りとして話題をさらったのが、「トーク&アコースティックライブ」だ。マーティン・ギターにゆかりの深いミュージシャンを招いて開催された特別なひと時は、一般的なコンサートなどとは異なり、演奏や言葉を通してアーティストたちの“素顔”と“現在”が身近に感じることのできる、いわばアットホームなもの。その「トーク&アコースティックライブ」のなかでも、とりわけアコースティック・ギターの豊かな可能性を提示してみせたのが、イベント最終日に登場した藤原ヒロシだ。DJ、音楽プロデューサーであるだけでなく、日本のストリートカルチャーに多大な影響を与え続けているカリスマに、マーティン・ギターについてうかがってみた。



そもそもマーティンとの出会いは?

 

「エリック・クラプトンが持っていたマーティンがひとつのきっかけになっています。ちょうどその頃、黒いギターが欲しいと思っていて、当時一緒にプレイすることも多かった彼に相談したところ、『マーティンなら作ってくれるはず』と提案しくれたのです。もちろん、それまでマーティンの存在は知っていましたが、所有したことはなかったんです」

そうして完成したのが2004年に発売され話題となった「000-ECHF Belleza Nera」。かのエリック・クラプトンと藤原ヒロシのコラボレーションによりリリースされた限定476本の特別モデルは、漆黒のカラーリングに加え、やや小振りなサイズがひとつの特徴。


「最近、エレキギターを弾くことがめっきり少なくなりました。自分にとって今、ギターといえばアコースティックが基本。その理由はやっぱりシンプルだから。いろいろ繋げたりすることなく、サッと取りだして弾くことができる。そう言う意味で小振りなサイズであることは重要なポイントです。「ECHF」モデルを構想するに際し、小振りモデルをベースに選んだのも、使いやすさを重視したから。何かフレーズなど思いついたときに、構えることなくすぐつま弾ける。非常にこのモデル(000-ECHF)の仕上がりには満足しています」

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