【イベントレポート】スタイリスト・森岡 弘に聞く「意思あるスタイルの作り方」(1/2)
左から、『MEN’S EX』編集長の大野 陽氏、ファッション・ディレクターの森岡 弘氏、<アラミス>のメンズフレグランススペシャリスト上垣智英氏
森岡 弘がコーディネートした4スタイルを解説
大野 『MEN’S EX』10月号で「意思ある装いに応じた<アラミス>の香水の選び方」をご紹介していますが、今日は、スタイリストの森岡 弘さんと、<アラミス>の上垣智英さんと一緒に「ファッションとフレグランス」についてお話を進めたいと思います。まず森岡さんからコーディネート解説をお願いします。
森岡 メンズ館の各フロアにある商品で、<アラミス>の4つの香りに合わせて4つのスタイリングをしました。まず、「清潔感プラス仕事ができる男」をイメージして選んだのは<ICHIRO SUZUKI/イチロウ スズキ>のグレーのスリーピースです。構築的で男性的なスタイリングなので、余計なことはせず、スーツの格好良さをシンプルにまとめました。「生地感と仕立ての美しさがあれば80点以上になる」見本ですね。
森岡 次は、ビジネスシーンで自己主張と格好良さを兼ね備える<EDWIN WOODHOUSE/エドウィン・ウッドハウス>のネイビーストライプ3ピースです。視線がVゾーンに集まるようにして、ネクタイを替えることで、正統派スタイルが作れるスーツですね。グレーのダブルブレストは<Stile Latino/スティレ ラティーノ>で、ジャケットスタイルをイメージしたものです。ネクタイのブラウンはドレスコードでは休日の色ですが、タブカラーシャツに合わせて金曜日の装いにしました。ヘリンボーンのジャケットとジレは<TAGLIATORE/タリアトーレ>のもの。英国調のトレンドに合わせて、ジレを加えることで遊びすぎていない印象にしました。ポケットチーフを挿すと、より気分が上がります。
大野 4つとも個性的で主張があって、人物像やTPOなどを想像しやすいですね。
森岡 今の時代の着こなしには、どこで誰と会うかというTPOなど「目的意識」が大切です。自分の着こなしの主張だけではなく、そこに目的意識を足すと、服は大きな意味を持ってきますね。自分をプレゼンテーションする上で、服はとても重要なツールです。
服を着ることは、もはや“ビジネススキル”だ
大野 『MEN’S EX』10月号で「ビジネスで“必要な”スタイル50の実例」として、商談やプレゼンテーション、接待、外回り、内勤などシーン別の戦略的な装いをご紹介しています。
森岡 服にはメッセージ性があり、ファッションは印象に残るものですから、より良く相手の印象に残りたいもの。人から見られる立場の会社の代表や政治家などは服を上手く使うと、好人物に見られます。好き勝手に服を着るのも楽しいですが、自分をどれだけ上げてくれるかという意味で、「服を着ることはビジネススキルだ」とよく言っています。同じように、印象を良くするのが「香り」ですね。
大野 視覚的には装いはとても大事ですが、接近戦になると香りの重要性が出てきます。今日は<アラミス>の上垣さんに、「わかっているようでわかっていないことがたくさんある」香りについてお話いただきます。
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