特徴的なディテールがクラシカルな香りを放つアトリエコート

──<ハバーサック>乗秀幸次

コートの腰ポケットにパッチポケットと、もう一つ、斜めに切ったスラントポケットがあって、手を入れると貫通している!――「クラシックなアトリエコートでは特徴的なディテールです」と、<ハバーサック>デザイナーの乗秀幸次氏。コートを羽織って、中に着込んだジャケットやパンツのポケットから簡単にモノが取り出せる“仕事熱心な先人の知恵”が2017年春の【My Best Coat】でフォーカスされます。


着やすさも追求した新作デザインのアトリエコート


――イセタンメンズから今回のMy Best Coat】の依頼があったとき、まずどう思いましたか?

一般的なスプリングコートというより、アトリエコート的なものを発想しました。40年代ごろにフランスで着ていたアトリエコートを想定しながら素材をピックアップし、襟元は自分が最近気になっているスタンドカラーで、貫通ポケット付き、全体的なフォルムは裾に向かって分量をとったきれいなAラインが出て、袖は前方向に振って着やすさを追求しています。

当時のワーキングコートはジャケットの上から羽織るもので、貫通ポケットのような機能性はそのまま、クラシックとモダンな要素を<ハバーサック>らしく融合させています。

――乗秀さんご自身は、春にコートを着られますか?

分量感のある秋冬のコートも好きですが、年々軽さが求められるスプリングコートも着ますよ。細身のパンツではなく、ワイドパンツと合わせたいですね。


コート 48,600円

芸術家がアトリエで着ているような、着込んだ味のあるコートへ


――My Best Coat】についてご説明ください。

今回の【My Best Coat】では、アトリエコートのイメージを重視して、素材はコットンライクなものを求め、ミックス感のあるナイロンポリエステルの混紡糸を採用。ナイロンならではの強度とハリ感があり、後染めによってトップ調に仕上げています。

ディテールでは、普通のアトリエコートにはない襟の沿わせ方やフロントのカッティングで<ハバーサック>らしさを演出しています。

――今回のコートを中心にどういう着こなしを提案しますか?

<ハバーサック>ではシーズンテーマは特に設定していませんが、このコートならシャツやカットソーにワイドパンツを合わせるのが、この春夏の気分でしょうか。ワンウォッシュして着ていただくと、よりラフな感じが出て、着込んだアトリエコートの雰囲気が味になっていくと思います。


さまざまなテイストが混在している売場を、もっと伊勢丹らしく編集を


――今のメンズ館に対して感じていること、期待や要望などをこの機会にぜひ。

メンズ館はブランド数も品揃えもとても充実していると思いますが、売場構成やディスプレイなども含めて、もっと「どう見せるか」、「何を見せるか」というお客さまに伝わりやすい編集にこだわってほしい。

伊勢丹のフィルターを通して、もっと分かりやすいメッセージが発信できれば、作り手である私たちも自ずと刺激を受けて、新しいモノの発信の場としてより輝くと思います。

乗秀幸次(のりひでこうじ)

2001年にブランド<ハバーサック>を設立。男の普遍的要素を持つミリタリー、ワーク、テーラードのヴィンテージウエアにインスパイアされながらも、現代的テイストを取り入れた新しい時代の服を見つめ、モダンとクラシックの両者を上手く融合させた迫力あるスタイルを提案する。

*価格はすべて税込です

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