【インタビュー】<DOPPIAA / ドッピアアー>アレン・フラカッシ&アルベルト・カレーラス|2人の「A」の二重奏(1/2)
アレン「幼い頃から白いシャツにネクタイをして、ジャケットを着て遊んでいました。良質な服を着ることが当たり前でしたので、子供ながらにネクタイをすることに抵抗はありませんでした。服とはそういうものだと思っていたし、店に来るお客様のなかに私と同じ年頃のお子さんを連れてくる方もいらっしゃいましたが、皆わたしと同じような服装でしたので」。
彼は生まれながらにして上質な服に囲まれて育ったために目が肥えているのだ。上質な服しか見てこなかったが彼にとって、良質な素材と縫製を見分けることは容易いこと。かつて自身のシグニチャーブランドを立ち上げたときも、生地とつくりには最高を期していた。
「良いオリーブから上質なオリーブオイルができるのと同じで、良い素材から上質な服が作られます。素材のクオリティは、何よりも優先されるのです」。
デニムは日本、ウールは英国。彼が知る最高の素材を、世界中から取り寄せてコレクションにあてはめていく。上質な素材を活かすためには、調理法も手を抜けないことを知っている。だから縫製にもこだわりは尽きない。
「スーツはアマルフィの小さな工房にお願いしています。ブルゾンはミラノ近郊のファクトリーの腕がたつ。パンツはヴェネトに優れた工場があります」。
普段は寡黙な紳士だが、服の話になると言葉が溢れる。コレクションづくりにはつねに最高の布陣で望む。その精神は昨年、友人であったアルベルト・カレーラスとともに始動した「ドッピアアー」に引き継がれた。
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