2016.05.16 update

【インタビュー】＜FACTOTUM/ファクトタム＞ポップアップストア｜有働幸司が語る「男の服の進化のしかた」（前編）

「伊勢丹新宿店メンズ館でのポップアップは、ブランドの世界観をしっかりアピールできるので、＜FACTOTUM/ファクトタム＞を知らない人にも見てもらえるチャンスです」と語るのは、5月18日（水）より、メンズ館2階＝クリエーターズアドバンスでポップアップを開催する＜ファクトタム＞のデザイナー有働幸司さん。2004年にスタートしたブランドの服作りの核とは何かを伺いました。

3つのチャンネルに分けてモノ作りをしています

――＜ファクトタム＞は数多くのセレクトショップや地方の有力メンズ店などで取り扱われていますが、伊勢丹新宿店メンズ館はどういう印象をお持ちですか。

メンズ館では2008年秋冬シーズンから取り扱っていただいています。日本にこれだけの数のショップがある中で、メンズ館は一番パワーを持っている紳士の百貨店で、確実に成長していると思います。

――成長というのは、どんな点ですか。

ファッション感度の高い男性はもちろん、これから服を楽しもうとするビギナー、社会の中で成功するために服を必要としている人、さらにアジア圏を始めとするインバウンドまで、広い間口を持って、高いポジションでやっていますね。私たちにとっても“第一線の売場”なので、今回のポップアップもしっかり結果を残すように高いモチベーションを持って取り組みます。

――現在の＜ファクトタム＞の服作りの核としているものを教えてください。

＜ファクトタム＞はシーズンテーマを設けて、そのテーマに沿った場所を訪れたり、関連するモノをリサーチしたりして、ミリタリー、ワーク、テーラードをベースにした男の日常着を提案してきています。そして、＜VALLIS by FACTOTUM/ヴァリスバイファクトタム＞と＜FACTOTUM JEANS/ファクトタムジーンズ＞と新たに2つのラインを立ち上げました。

ライン毎の違いを明確に色濃く出せるように……

――＜ヴァリスバイファクトタム＞の特徴は？

＜ヴァリスバイファクトタム＞は、ジャケット、トレンチコート、ワンタックスラックス、ボタンダウンシャツなど男の定番アイテムを、今の空気感に合わせた素材、シルエット、カラーリングで表現。大人の男が着て楽しめるトラッド的なアイテムをラインナップしています。

＜ヴァリスバイファクトタム＞ジャケット 45,360円、シャツ 19,440円

――＜ファクトタムジーンズ＞はどうですか。

＜ファクトタムジーンズ＞は、＜ファクトタム＞で核となるデニムにフォーカスし、産地の岡山との共同製作などにも取り組む、定番とデニムに特化したラインです。

＜ファクトタムジーンズ＞シャツ 24,840円、デニムパンツ 23,760円

――3つのラインになったことで、服作りに変化は出ましたか。

自分の中でそれぞれを意識することで、違いを明確に色濃く出せるし、クリエーションもライン別にチームが編成できたので、素材の研究開発など、より深化したモノ作りが可能になりました。デイリーウエアの＜ヴァリスバイファクトタム＞と、デニムの＜ファクトタムジーンズ＞ができたおかげで、＜ファクトタム＞はよりシーズン毎の変化が提案できるし、服が変化することで今までの自分とは変わった気分になれるのはとても素敵なこと。その一方で、ヴァリスやジーンズは工場や生地屋ともしっかりタッグを組んでより高い完成度を目指し、こだわりを追求していきます。

ラインを分けたことで、男の服を進化させていく

――18日（水）からのポップアップストアの内容を教えてください。

メンズ館2階＝クリエーターズアドバンスでポップアップでは、今シーズンのコレクションを中心に、＜ヴァリスバイファクトタム＞と＜ファクトタムジーンズ＞も展開。今の季節感にジャストのTシャツや軽く羽織れるジャケットなどを揃えます。

＜ファクトタム＞Tシャツ 25,920円、シャツ 30,240円

――ポップアップ限定商品もあるそうですね。

はい。＜ファクトタム＞でとても好評だったシルエットで、ヴァリスでも展開したのを、ポップアップ限定としてTシャツに落とし込んで作成した「切り替えシリーズ」を販売します。和を意識した着物発想のシルエットで、体を包み込むようなドルマンスリーブに、鹿の子×天竺の素材のコンビネーションでスポーティに仕上げています。また、先着限定で15,000円以上商品を購入いただくとノベルティのトートバッグをプレゼントします。

＜ファクトタム＞Tシャツ 9,720円

――ポップアップの期待が高まります。

ファッション感度の高い人が集まるメンズ館なので、＜ファクトタム＞とそこから派生したラインのクリエーションを見せていきたいですね。

インタビュー後編では、熊本県出身の有働さんにふるさと熊本などについて伺います。