森岡弘さんと歩く(3)「春のメンズ館地下1階」|良い靴とは一期一会。履いてみて初めてわかる名靴の価値
試し履きすると、奇跡の一足のようなものと出会える
――5階でジャケットを試着していただいた後は、地下1階で靴を見ていただきます。
自分は日本人に多い甲高幅広なんですよ。「この靴、きれいだなぁ」と思って試し履きすると、自分のイメージと違うことがよくあります(笑)。でも、そういうなかで、足にピタッとフィットし、見た目にも美しい奇跡の一足のような出会いもあるんですよね。
――今はどんな靴が気になりますか。
この<STEFANO BEMER/ステファノ ベーメル>と<EDWARD GREEN/エドワード・グリーン>のステッチは素敵ですね。濃い茶色なのも良い。大人の男には茶が許されるんですよ。Uチップの茶色は履きたいですね。
ドレッシーな気分にちょっとクセのある感じが良い
――これから夏に向かうとどんな靴がお好みですか。
自分はビットローファーなどを裸足で履くことが多いですね。裸足歴は長い(笑)です。この中では、タッセルローファーやエキゾチックレザーのビットローファーなどが好きですね。ドレッシーな気分にちょっとクセのある感じが良い。特にクロコなどエキゾチックレザーの靴は色気がほしいときの主役に最適です。靴は楽しいですね。
――夏向きにライトカラーも多く出ていますね。
<JOHN LOBB/ジョンロブ>の新作スリッポン「LYNTHER(リンサー)」のブルーや、「YARDLEY(ヤードレー)」のベージュなど新しい感覚で履きこなしたい色ですね。足元を軽くしてあげると短めのパンツと相性が良いので、盛夏のスタイルまでお薦めです。
高い靴、高いスーツには“高い理由”が必ずあります
――紳士靴のこのスペース(ハイエンド)は、こうして見ているだけで目の保養に(笑)なります。
本当に「どうしてこのフォルムが出せるのだろう」とか、「この革の質と色はどうして素晴らしいのだろう」というふうに見ていくと、新しい扉が開きますね。メンズ館のスタッフと話をしながら“高い理由”を知っていくと納得できるし、高い靴はスーツと同じで、やはり価格と作りは比例しています。
――そして、履いてみないと名靴である理由もわかりません。
そうですね。オーダースーツにも必ず“ハウススタイル”があって、そこからより深い世界をのぞき見ることができます。靴も同じですね。ブランド毎の特徴を知って、価格を超えた“嗜(たしな)みの世界”を感じることができたら、必ず一期一会はあるし、ここではそんな特別感を味わうことができます。
上/<ステファノ ベーメル>226,810円、<エドワード・グリーン>197,640円
左/<ジョンロブ>108,000円、<ジョンロブ>151,200円、<シルヴァノ・ラッタンジ>486,000円
右/<シルヴァノ・ラッタンジ>タッセルローファー 378,000円、<エドワード・グリーン>(ラスト890)176,040円
森岡さんに「今欲しい靴」を選んでいただいたあとは、オーセンティックカジュアルの7階へ上がります(つづく)
Photo:SUZUKI Shimpei
※価格はすべて、税込みです。
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