【インタビュー】CHALIE VICE loves FENDER|ウドー音楽事務所・高橋辰雄が語る「MY GUITAR HERO」(後編)
ウドー音楽事務所 代表取締役 高橋辰雄氏と、手前はジェフ・ベックが実際に使用したギター
シャイでプライドが高い3大ギタリスト
――エリック・クラプトン、ジェフ・ベック、リッチー・ブラックモアの3名の共通点はありますか。
まず3人ともイギリス人ですね。そして50年代のアメリカのサウンドに影響を受けています。ブルース、ファンク、R&B、ロカビリーなどに影響を受けて、自分たちのギタースタイルを作っていきました。さらにリッチーはクラシックからも影響を受けています。
――そして3人とも日本人に愛されていますね。
アメリカ人は何でもストレートに表現しますが、イギリス人は日本人に似て本音と建て前を使い分けます。エリックと話をしていると、「こいつはなぜこんなことを言っている?」と意味を考えて、本音はどこにあるのかをお互いに探っている。彼らは仕事よりもまず人間関係なんですね。アメリカ人はビジネスライクですが(笑)。そして3人ともとてもシャイなんですよ。シャイでプライドが高い。僕らが3人を好きなように、彼らも日本と日本人が大好きですよ。
1月23日に「THE GALLERY by CHALIE VICE」で開催されたトークセッション。奥左が高橋辰雄氏、右が田中稔氏
音楽と対峙して、音楽を追求する
――高橋さんはトークショーの中で、彼らから影響を受けたことに「持続すること」と語っていましたが。
彼らは白鳥のように、見かけは平気な顔をしているんだけど、水面下では激しくもがいています。トークショーで話しましたが、ジェフはツアー中のホテルの部屋で必ず毎日練習しているし、エリックもツアー前のリハーサルはとても真剣で激しい。3人に共通しているのは、音楽しかないんです。本当に自分にとって大切だと思ったことには真摯に対峙し、追求し持続させる。このような行動が彼らは重要だと感じているし、私も同感です。
――「音楽しかない」とは。
エリックを見ていると、音楽と対峙して、音楽をあれほど追求できるのは、自分に戻るところがあるからなんです。それがブルース。いつでもブルースに戻れるからいろんなことに挑戦できる。ジェフはインストならなんでも表現できるという自信がある。だからどんな状況でライブに出ても自分を音で表現できる。リッチーはクラシックに影響を受けたフレーズが持ち味で、それが自分のスタイルとなっています。
音楽とファッションの共通点とは
――ウドーでは4月にボブ・ディラン、エリック・クラプトン、5月にディープ・パープルを招聘していますが、“大人のロック回帰”は感じますか。
そうですね、音楽とファッションは同じだと思います。青春の十代にロックを聴いて、おしゃれに目覚めて、そのときのノスタルジックな感覚がみんなにあり、その進化が今の自分を形成しています。私たち世代も60年代にアイビーやトラッドを経験して、70年代にヨーロッパファッションに触れ、今はそれが懐かしくもあるし、若い世代にはそれが新鮮に映る。たとえば2002年にマルーン5が『Songs About Jane』というアルバムを出して全世界で1,000万枚以上のセールスを記録しましたが、まさに70年代の音を持っていて、それがとても新鮮に聞こえました。
――音楽もファッションも“歴史は巡る”ということですね
戻っているけど、進化しているんです。逆に言うと、新しくて良いモノがないんですね。ブレイクスルーする音楽が出てきてほしいですね。
高橋辰雄|Takahashi Tatsuo
ウドー音楽事務所 代表取締役
ウドー音楽事務所は1967年設立。70年代に「日本初のロック・プロモーター」として海外アーティストを続々と招聘し、日本にロック文化を根づかせた。高橋氏は、74年秋にアルバイトとして入社。75年に社員になり、エリック・クラプトンの初来日に帯同。以来、40年に渡りツアーマネージャーを務め、“エリックのプライベートを最も知る男”として広く知られる。ウドー音楽事務所は新進アーティストの招聘はもちろん、近年ではキャリアの長いアーティストたちの公演を大規模なスケールでプロモート。4月にボブ・ディラン、エリック・クラプトン、5月にはディープ・パープルが来日する。
http://udo.jp/
フェンダーミュージックジャパン
http://www.fender.co.jp/
Photo:Suzuki Shimpei
<FENDER/フェンダー>ポップアップストア@イセタンメンズ
□1 月13 日(水)~2 月1 日(月)
□メンズ館8階=イセタンメンズ レジデンス/チャーリー ヴァイス
お問い合わせ
03-3352-1111(大代表)