Creators VOICE #1 | 中村ヒロキ<visvim>
第1回目のゲストは<visvim>クリエイティブディレクターの中村 ヒロキ氏。
国内外で高い評価を受けるクリエイティブディレクター・中村ヒロキ氏が手掛ける<visvim>。
4月8日から21日までメンズ館1階=プロモーションにて開催された「visvim -the Gallery-」では、日本の伝統技法を用い、職人の手により仕上げたユニークでパーソナリティーを持ったプロダクトを展開し大きな反響を呼んだ。
今回は、ブランド設立以来、モノづくりを通じて“幸せ”と時を超えた“美しさ”を探求し続けてきた中村氏の“スタンス”に迫ります。
まずは「visvim -the Gallery-」の模様から。
手書きのグラフィックや、ハンドステッチなどを駆使し、“個(パーソナル)”を表現した<visvim>の2015年春夏コレクション。そのメインアイテムと併せて、これまで明かされていなかったインスピレーションソースをギャラリーのように展示。
――今回のコンセプトストアを通じて、中村氏が伝えたかったことは。
例えば、植物や車のフォルムを見て「これ、いいなぁ」って思った時、自分はどこに惹かれているのか、ということを分析するプロセスが僕のモノづくりに繋がっています。それを掘り下げることが、僕のデザインのあり方なのです。今シーズンは、つくり手である僕自身のパーソナリティーを反映させることでアイテムに深みを出せないかと模索したコレクションでした。だからプライベートな写真やイラストを公開することで洋服の魅力をさらに感じていただけるのではないかと思っています。そして今回、このような機会をいただき、ストアを構成しました。
――自らの感動を洋服という形で具現化する中村氏のスタイル。今回、展示された写真やイラストのひとつひとつにどのようなストーリーがあったのか。
僕が描いたワイフとワイフが描いてくれた僕のイラスト2枚、自分で改造したカメラで撮ったアトリエの写真、愛車「1933年のフォード」の写真、軽井沢で偶然出会ったキツネ…。僕にとって印象深いシーンを切り取りました。こういう些細な豊かさが僕にとってはリッチなことで、内側からジワッと湧き出てくる“楽しさ”や“ウキウキ感”を毎回洋服に投影しています。
――いま考えていることや、気になることは。
例えばレジカウンター横に飾った壷。骨董市で見つけて気に入って購入したのですが、まだどこに惹かれたのかが自分でもよく分からなくて…。今後、ふと頭の中に浮かぶ“気づき”があると思うのですが、それが次のアイディアに繋がるかもしれません。僕のデザインやつくり出したものに少しでも共感してもらえたら嬉しいです。
(KEIICHIRO MIYATA)
(PHOTO/FUKAMIZU KEISUKE)
中村ヒロキ
1971年生まれ。
キュビズム代表。<visvim>クリエイティブディレクター。2000年にブランド、<visvim>をスタート。フットウエアを中心としたコレクションは、海外からも高い評価を得る。その後、服からアクセサリー、フレグランスまでを扱うトータルブランドへと拡大。デザインから素材、パターン、生産工程までの要素を掘り下げ、デザインと機能に優れたプロダクト作りを目指す。
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