写真の可能性への挑戦と追求「写真家 内藤忠行作品展」が伊勢丹新宿店で展示販売をスタート
- 02.01 Sat -04.08 Tue
- 伊勢丹新宿店 メンズ館1階、2階、4階、6階
伊勢丹新宿店メンズ館の4フロアに設置された立方体の展示空間SI(ストアアイデンティティ)では、2月1日(土)より写真家<内藤忠行>の作品を、アートディレクター/石橋 研二郎氏監修のもと、展示販売がスタートしている。
今回の展示作品は、下記のデジタルカタログよりご購入いただけます。
►<内藤忠行>デジタルカタログはこちら
内藤忠行(ないとう ただゆき)Tadayuki Naitoh
1941年東京浅草生まれ、神奈川県在住。17、18歳でジャズに魅了され、23歳で最初のテーマ「ジャズ」を撮り始める。1960年代後半にジャズと写真の本質と精神を探求すべくN.Yへ渡る。オリジナルスタイルを創造した天才ミュージシャンのマイルス・デイヴィスなどN.Yのアーティストたちの自由な表現に触れ、自分自身の感覚(ジャズのリズムの偶然と即興性、フィーリングとバイブレーションの映像化を志すスタイル)に確信を得る。今後、精力的にコンサートライブを撮り続け、多数のレコードジャケットを手がけるなど、写真の可能性への挑戦と追求が始まる。
本場のジャズシーンに接するうち、そのルーツであるアフリカへと導かれ、この大いなる大地への愛と理解と感動を『アフリカの歌』などの作品集にて発表。アフリカへの旅を重ね、シマウマのモチーフを繊細かつ大胆に表現した『ZEBRA』においては、ストレートなカラー写真から、コラージュやソラリゼーション、多重画面などを駆使したシンメトリーな抽象表現までを自在に用い、「スピリチュアル」「モダン」「プリミティブ」の融合という、彼の写真に一貫して流れる特徴を確立させる。
赤道直下の国々やアラスカ、ヒマラヤ周辺など異なる文化圏へ世界規模に取材し、観察と空想とジャズ的写真の冒険を繰り返すことにより生まれた膨大な作品群は、写真集、雑誌での発表にとどめることなく、映像、造形、テキスタイルなど多様に展開させていった。その後、そうした体験と眼差しに対比させるかのように自らのアイデンティティを追及。
日本の美の象徴とも言うべき<桜>、<庭>というテーマに斬新に取り組む。アニミズムや曼荼羅と、日本人としての自然観と装飾性を結びつけた幻想的な桜の世界は、着物を連想させる『T字型12面シンメトリー』の無限の奥行きの中に、上品で雅でありながらも妖艶な魔性を潜ませた【SAKURA-COSM】に結実する。四季折々の自然と感応し美を表出させる<庭>では、日本人の美的DNAの潜在を表現し、N.YADC賞を受賞したCD-ROM【京の庭】をはじめ高い評価を得る。中でも『蓮華寺』は、「そうだ京都に行こう」の最初のポスターに選ばれ、グランプリを獲得する。
『ZEBRA』や『T字型12面シンメトリー』シリーズは、いずれも写真の革新的な表現と技術が高く評価され、東京都写真美術館に所蔵されている。
また、静寂な庭に宇宙のリズムを感じ、それをフィルムに写し撮っていく過程で浮かんだ「あの世には青い蓮が咲いている」から<蓮>を被写体として、『Blue Lotus』を発表。Blueは生命を誕生させた神秘的な色であり、マイルス・デイヴィスの曲『Blue in Green』から授かった感覚でもあり、実存しない青い蓮は、「愛と平和」への祈りを込め発表したその美しく幻想的な蒼い光に見る者を包み込むことにより、時空を越えた生命の普遍的なメッセージを発信することに成功している。
2005年には、スワミナサン財団(「緑の革命の父」と謳われるスワミナサン博士が、貧困・飢餓を根本的に解決するため設立した財団)によるプロジェクトの一環、「モダン・マスターズ・オブ・フォトグラフィー/ジャパン」の12人の写真家の一人に選出され、その草の根的支援活動に賛同し『Blue Lotus』を寄贈。2022年、一般社団法人日本ジャズ音楽協会より「日本ジャズ会長賞」受賞(写真家では初受賞)。
近年では、ZEBRAのエキセントリックな縞模様とは異なり、以前から取り組む詩的で音楽的で幻想的な『ストライプフラワー』シリーズや、二度とない偶然性の姿を表す『雲』を最新デジタル技術により音楽や演劇の世界とコラボレーションを行うなど、新たな取り組みを行い写真の可能性への挑戦は続いている。
メンズ館1階、2階、4階 展示作品 【桜】
内藤の代表作である「桜 T 字型12 面シンメトリーシリーズ」。
1989年頃から制作されたこちらの作品は、ゼラチンシルバープリントを12面にコラージュし、銀箔をベースに特注の漆額装で覆われている。当時はパソコンが未だ開発されておらず、全て手作業による3/100ミリの誤差も許されない想像を絶する緻密な技術と細心の注意と多大な時間が費やされた。アフリカの縞模様から生み出されたポリリズムの視覚化により、日本的アイデンティティを掘り下げる中で、琳派からも着想を得て、大胆な即興のアイデアと静かに日本の美や着物を浮かび上がらせた名作。作品は東京都写真美術館にも所蔵されている。
作品の詳細については下記のデジタルカタログをご覧ください。
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メンズ館6階 展示作品 【視覚と聴覚の相乗】
ジャズのルーツであるアフリカを旅する中で、自然や民族など様々なものから影響を受け1998年に写真集『ZEBRA』を出版する。黒と白の縞模様からインスパイアされた「視覚と聴覚の相乗」のテーマからは、「マスク」、「shape」などの他に、さまざまなコラージュや合成作品が生まれ、今後の内藤作品に大きな影響を与えた。
「ZEBRA シリーズ」は、様々な企業の広告や雑誌、写真集、レコードジャケットなどで多数起用され高く評価されている。オリジナルは東京都写真美術館所蔵。本展では、ZEBRAを壁紙として特別に制作したものを大胆に用いてコラージュ展示を行なう。
作品の詳細は下記のデジタルカタログをご覧ください。
►<内藤忠行>デジタルカタログはこちら
アートディレクター/石橋 研二郎 Kenjiro Ishibashi
<コム デ ギャルソン>に在籍した後、茨城県笠間市のギャラリーにてアートディレクションを行う。主に若手のアーティストを発掘と育成サポートを行い、数々の企画展を開催。その他にもアートグッズなどを制作プロデュースも行う。その後作品がコンペで受賞するなど、国内外で活躍を広げるアーティストも多い。
「今回の伊勢丹SIでの展示は、日本を代表する写真家である内藤忠行氏の作品は元より、その永いキャリアで、今もなお精力的に写真の可能性の挑戦と追求を続けているスタイル(生き様みたいなもの)も、ぜひ多くの方々に知って欲しいと企画しました。保存状態が良い作品は大変貴重で、当時の時代の空気感や匂いみたいなものを感じ、今の時代では難しい技術やアイデアがあり面白い。ジャズや写真愛好家だけでなく、自宅、オフィス、パブリックスペースにアートコレクションとして、そしてファッション感覚でも若い世代の方にもご注目いただければと思います。」
協力:Yu Harada
- 開催期間:2月1日(土)~4月8日(火)
- 開催場所:伊勢丹新宿店 メンズ館1階、2階、4階、6階
- お問い合わせ:伊勢丹新宿店 メンズ館8階 イセタンメンズ レジデンス
電話03-3352-1111 大代表 または 下記のイセタンメンズレジデンスLINEWORKSよりお問い合わせください。
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