伊勢丹バイヤーが魅せられた、今注目すべきアーティスト・KOTA KAWAIが生み出す「心を動かすアートピース」
ファッションの新たな可能性をテーマに「人の心を動かす」アートピースを発信する若手アーティスト、KOTA KAWAIが、イセタンマートに初登場!作品がもつアート性やメッセージ性の高さに魅せられたバイヤー・渡邉との対談を交え、KOTA KAWAIの素顔に迫ります。
※今回の作品は2021年4月14日(水)午前10時より「イセタンマート」にて数量限定で販売いたします。一点物につき、なくなり次第終了させていただきます。
KOTA KAWAIが考える、「IT’S OUR MAINSTREAM !!!!(これが私たちの主流)」
服飾を学んだ後、“人と違う何かを生み出す”という想いと自身の社会問題への認識に対する想いが交差し、独自のクリエイティブな活動をスタートさせたKOTA KAWAI。さまざまなサステナブルの取り組みが行われている中で、“服を服へと変換する”という方法ではなく、余ったモノを別の分野に消費し可視化するといった部分に着目することが社会的認知や説得力に繋がるのでは、と感じた点が椅子を使ったアートピースを制作するきっかけに。着る服と座る椅子が一体化することで無作為に織りなすテキスタイルのすれ違いが魅力に変化するオンリーワンの作品。作品には“服で完結しないことを発信する方法があるのでは”という想いから生まれたメッセージ「IT'S OUR MAINSTREAM!!!!」が込められています。
今回のコレクションをKOTA KAWAIとバイヤー渡邉の対談でご紹介。
<ファセッタズム>の生地で制作された3脚の他にアーカイブ作品1つを含む8脚、合計11脚を今回のイベントのためにKOTA KAWAIが制作。その中から、バイヤー渡邉が気になる作品をピックアップし、KOTA KAWAIのアイディアやデザインのヒントを伺いました。
ファッションブランド<ファセッタズム>が、アートピースにアップデート
<ファセッタズム>のデザイナー、落合宏理さんもKOTA KAWAI同様、文化服装学院出身でKOTA KAWAIにとっては特別な存在のブランドです。今回はメンズファッションのバイヤーだった渡邉のセッティングにより、<ファセッタズム>がアーカイブ生地を提供し、3脚のアートピースが誕生しました。
渡邉バイヤー(以下、渡邉): 生地を“提供される”というのは初めてだということで、制作するにあたってのポイントはどんなところでしたか。
KOTA KAWAI: 私が選んだ椅子で、<ファセッタズム>が選んでくださった生地を最大限に活かすにはどうすればいいかと考えました。デザインの入り口がいつもと違うことが新鮮で、自身の制作活動に新しいエッセンスをとり入れることができ、何となく感じていたソーシャルに対する気持ちの壁の正体が見えて、乗り越えるきっかけにもなりました。
11脚の中で最も大きなリクライニングタイプは、服と重なり合うイメージを手縫いで表現
渡邉: これはボタンなどのディテールも残したままの服がパッチワークになっていて、強い意思を感じる作品ですね。
KOTA KAWAI: 古着の中には、キロ単位の重さで買える詰合せパックもあるんです。そのパックの中で積み重なっている服が、そのまま椅子になっているイメージでデザインを手縫いで表現しました。なので、ポイントは服の要素をたくさん残したこと。古着が山積み状態なのに、全体ではまとまった新しいオブジェになっている。そんな風に感じてもらえたら嬉しいです。
まるで脱いだ服を置いたよう、ユーモアあふれる新感覚スタイル
渡邉:私もよくやるんですけど、脱いだ服が椅子に掛けてある。そんな印象を受けました。ニットの重なり方が絶妙で、色の組み合わせも独特でいいなと。
KOTA KAWAI:いつも色みを最初に考えて、生地感は服を選びながら決めるんですけど、この椅子にはシンプルなデザインが合うなと思って生地感の方を重視しました。なので、生地感が引き立つような色を選んでいたら自然とこの2色に。確かに渡邉さんがおっしゃる通り掛かっているイメージですね。逆に新しい発見かもしれない(笑)。
無垢な木の椅子の既視感からはずれた、違和感の面白さが狙い
KOTA KAWAI: これは、テキスタイルとは縁のない木の椅子のフォルムでありながら、木の無垢な素材が見えていないことで、私たちが見慣れている椅子の既視感からはずれ、なにかの違和感に変化できたら面白いだろうという点から制作をしました。
渡邉: 脚にも服を着せるという発想はアーティスティックだし、手間もかかるだろうと思ったんですけど、違和感の演出だったんですね。椅子の要素を隠す。アプローチの方向が他と違うのも面白いです。
バイヤー渡邉のリクエストでKOTA KAWAIが取り組んだ、初のスツールで制作
KOTA KAWAI:ありがとうございます。これは面積が小さい分、素材の切り替えや色の配分を工夫しました。単純になりすぎず、派手になりすぎず、でも古着が重なっているというイメージバランス。脚に手を加えなかったのは、スチールパイプや服を着せた脚があるなかで、このスツールは本来、木の脚だということをあえてアピールさせたかったからです。
アートは、心を豊かに動かす存在、KOTA KAWAIにとって「イセタンマート」とは。
KOTA KAWAI: イセタンマートは魅力的なショップだと思います。美術館とかに行かない限りアートに触れる機会は少ないし、人との関わりで心が動くことはあっても、モノを通して心が動くことも少ないと思うんです。ですから「イセタンマート」がアートに着目していること、価値観の面でも心を動かされる色々なスタイルのアートに出会えることで心が豊かになれる、そんなクリエイティブなショップとご一緒できるのはうれしいです。
今後の活動では例えばエスカレーターの手すりやビルの外壁といった、パブリックな分野での現代アートにも挑戦できたら面白いと思っていて、多くの人の心を動かしていきたいという、意欲的なKOTA KAWAIの今後にもご期待ください。
- 場所:伊勢丹新宿店 本館5階 プロモーションスペース
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