【特集】バイヤー山浦が解説! スラックス3大ブランドが演出する2020年秋冬スタイル
今年の秋冬の着こなしはスラックス選びがポイント
「いわゆるテーラードで着こなせるパンツは、3~4年前からデザインや素材、カラーの選択肢がグンと増えて、装いの幅も大きく広がりました。パンツ専業メーカーのパンツのバリエーションが豊富になったことで、従来のドレススタイルにはもちろん、きれいめなカジュアルや、今のニューノーマル時代に求められているコンフォートまで、上品に着こなすことができるようになりました」。(山浦)「特に今年は、『オンにはスーツしか着たことがない』というお客さまが、『ジャケット&スラックスに挑戦したいが、どんなパンツを穿いたらいいのか分からない』と、5階 メンズテーラードクロージングでパンツを探される方が多くなっています。不定期な通勤やリモートワーク、あるいはスタイルや場所を選ばないワーケーションなどによって装いに変化が出てきていますが、今回紹介するイタリアの3大スラックスブランドのパンツでは間違いなくスタイルにフィットした1本を見つけることができます。ドレス系からカジュアル風のジャケスラ、さらにニューノーマルのコンフォート(リラックス)スタイルまで、パンツが主役になったスタイリングを楽しめます」。(山浦)
パンツがキーとなる最旬コーディネートは?
それぞれ3つのスタイルにはどんなパンツを合わせればいい?今おすすめの最旬コーディネートを伝授!1.ドレススタイルをコーディネートするならーー
「着こなしは、ジャケスラの最上位であるタイドアップでまとめて。大柄のグレンチェックのジャケットと合わせて、今季らしいモノトーンコーデをおすすめします。合わせるスラックスは〈インコテックス〉のベストセラーモデル「35」から、王道のグレーフランネルの生地をセレクト。この素材は〈インコテックス〉が開発した『雰囲気は上品だが、穿き心地は重くならない』柔らかいフランネルで、穿くほどに愛着が沸きます。秋冬らしい起毛感を味わいながら、大人のドレススタイルを楽しめます。」(山浦)
2. カジュアルスタイルをコーディネートするならーー
「今年の秋冬、アウターで大ヒットしているのがレザーです。『気分はジャケットからレザーアウターへ』ということで、〈ピーティートリノ〉のカーゴパンツを合わせて“ドレスアップ・レザー”をスタイリング。シングルライダースに首元がすっきり見えるモックネックニットとキャロットフィットで、若々しい印象をアピールします」。(山浦)
3. コンフォートスタイルをコーディネートするならーー
「リラックスして過ごすときも、スウェットの上下ではなく、イタリアのパンツ専業メーカーのコンフォートパンツを穿けば、そのままお出かけも◎。そんな新しい価値を提案する〈ジーティーアー〉の「HERRICK JOG/エリックジョグ」での着こなしは、リラックスシルエットのコンフォートジャケットがぴったり。この冬は、レザーやダウン、ウールコートなどの重めのアウターが活躍しそうなので、シルエットがきれいなジャージーパンツは、装いをひと味変えてあげる味方になります」。(山浦)
3つのブランドの今季イチオシモデルはコレ!
それでは、ここからはそれぞれのブランドから、”ドレス””カジュアル””コンフォート”スタイルに合わせたいとっておきの1本をご紹介します。Ⅰ.INCOTEX/インコテックス
イタリアパンツの雄とも称される〈インコテックス〉は、派手なファッションというより、生活の中に溶け込むワードローブを提案する唯一無二のブランド。超定番のモデル「35」を代表に、今季は、温かみのあるフランネル素材をおすすめします。ドレス|モデル「35」の柔らかいフランネルの穿き味を楽しむ
〈インコテックス〉のドレススタイルといえば「35」。コンパクトな腰回りとスリムテーパードは日本人の体形に合わせた設計で、ノープリーツパンツの代名詞として不動の人気です。ジャケスラでもスーツと同じような印象を与える、きれいなシルエットで、穿いていて安心感と信頼感が伝わってきます。
カジュアル|「トリコチノ」で色は季節感あるボルドーをチョイス
〈インコテックス〉の「TRICO CHINO(トリコチノ)」は、SLACKSシリーズの大定番で、ベースは「35」に近い細身のきれいなシルエットですが、製品染め独特のアタリ(パッカリング)や、適度に穿きこんだような生地の風合いが、ラフな表情を演出。高密度に織り上げられた丈夫な生地ですが、ストレッチが効いているので快適に穿きこなせます。
コンフォート|モデル「52」。柔らかいコーデュロイは家でも愛用
様々なブランドからいわゆるコンフォートパンツは出ていますが、穿いたら違いが分かるのが〈インコテックス〉のモデル「52」です。ディテールはウエストシャーリングとドローコードを配し、深めのワンプリーツはゆがみがなくしっかり落ちるので、きれいなシルエットをキープ。どんなトップスともマッチする柔らかいコーデュロイの穿き味を堪能してください。
Ⅱ.PT TORINO/ピーティートリノ
ディレクターのドメニコ・ジャンフラーテが就任以来、好調が続いているブランドが、〈ピーティートリノ〉として再ブランディング。〈ピーティートリノ〉の強みはデザインや素材のバリエーションの豊富さで、様々なスタイルやシーンを想定してモデルを揃えている優秀なブランドです。今季の見どころは独自のカラーバリエーションなので、ぜひ店頭でご覧ください。ドレス|「ジェントルマンフィット」。クラシックな装いに好適
〈ピーティートリノ〉の「GENTLEMAN FIT/ジェントルマンフット」の人気はしっかり定着しましたが、今季おすすめなのは、ザ・ドレッシーのジェントルマンフィットのフランネル。細さを保ちながら股上がやや深めで、ポケットなどのディテールに凝っているバランス感の良いジェントルマンフィットに、ウールストレッチサキソニー素材を乗せて、相性も◎。クラシカルな装いが満喫できます。
カジュアル|「キャロットフィット」のカーゴで若々しさを演出
ゆったりした腰周りから絞り込まれた裾幅までのシルエットが“キャロット=人参”を彷彿とさせることで人気のキャロットフィット。特徴的なシルエットと野趣感のあるカーゴポケット、季節感を楽しめるコーデュロイ、さらに深いグリーンという組み合わせを武骨に見せないのは、〈ピーティートリノ〉の秀逸なシルエットのおかげ。カジュアルなのにドレス仕様のディテールと合わせてきちんと設計されているパンツです。
コンフォート|「スリムフィット トラベラー」でスポーティに!
ビジネスよりトラベルやニューノーマルなシーンに穿きやすいパンツとしてピックアップしたのは、〈ピーティートリノ〉の「SLIM FIT TRAVELLER/スリムフィットトラベラー」・トラベル仕様シリーズ。ウエストゴム仕様でコンフォートな腰回りにドローコード付きのワンプリーツです。きれいなラインなので、ニットジャケットなどと合わせてカジュアルアップを。
Ⅲ.G.T.A/ジーティーアー
〈ジーティーアー〉は、ベーシックなモデル「800」から、コンフォートパンツブームの先駆けとなったモデル「ジョルジオ」などまで、パンツ専業メーカーの中ではトレンドに敏感なのが特徴。今季はファテーグモデルカーゴパンツや人気モデル「エリック」のジョグタイプまでラインナップし、値頃感がありながらイタリアパンツの穿き心地を楽しめます。ドレス|「エリック」ー美しくエレガントなドレスパンツ
〈ジーティーアー〉のベストセラーモデル「HERRICK/エリック」は、サイドアジャスターのベルトレス仕様。職人が手がけたサルトリアディテールに加え、腰裏のプリーツ(ハカマ)やオリジナルボタンを使うなど、男心をくすぐる拘りが満載の正統派なきれいなドレスパンツです。今季はウール100%のサキソニーも登場して、よりドレス感がアップ。テーパードが効いた美しいシルエットに素材が絶妙にマッチ。
カジュアル|「ロレンツォ」―左右非対称のポケットデザインが粋
リアル軍モノを徹底的に研究して、現代的にリファインするという他の2ブランドにはない切り口を得意とするのも〈ジーティーアー〉のストロングポイント。そんな強みを表現しているのが、左右で用途の違うポケットを配したモデル「LORENZO/ロレンツォ」です。
コンフォート|「エリックジョグ」―脚長効果抜群のキレイなシルエット
ニューノーマルでのリモートワークやワンマイルのニーズとして急浮上してきたコンフォートとぴったり合致するのが、前シーズンに登場して以来、大人気の1プリーツジャージー「HERRICK JOG/エリックジョグ」です。ジョグ=走れるほどコンフォートな穿き心地は、ジャージー素材で、ドローコード・裾リブのスポーティ仕様の賜物。バックまでしっかりドローコードが入って腰回りをホールドしてくれるパンツは意外と少ないので、〈ジーティーアー〉の丁寧な作りがよく分かります。また、ドローコードは内側に付いていて、ベルトループもあるのでビジネスシーンにもOK。
Photo:Tatsuya Ozawa
Text:Makoto Kajii
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