【インタビュー】モデル・写真家/服部恭平|日常の中の人とモノの関係性を作品に写し出す
ブックストア「flotsam books/フロットサムブックス」 と、モデル・写真家として2つの顔を持ち活躍する服部恭平さんとのコラボレーションイベントを、伊勢丹新宿店メンズ館2階メンズクリエーターズ/DJブースにて11月4日(水)より開催。本イベントでは、服部さんが独自の視点で「flotsam books」からセレクトした本をはじめ、自身の写真集やポスターなどの作品展示、またメンズクリエーターズからスタイリングしたルックを撮影したオリジナルファッションムービーをご覧いただける。
ファッションモデルからスタートした服部さんが写真家に興味を持った経緯から、自身の作品や今回のイベントの見どころについて伺った。飾らず一貫して自然体で、洗練された彼自身の魅力が、作品に表れているように思う。
モデルから写真家へも幅を広げ、"いい人"になれた
―― 撮る側にも活動の幅を広げたきっかけや、その前後で変化はありましたか?「ファッションモデルの立場で撮影に参加していく中で、クリエイター側に惹かれていきました。フィルムカメラは持っていたのでまずは友達から撮ってみることから始めました。そのスタイルは今も変わっていません。モデルも写真も被写体とカメラという人と人の間で起こることなのは変わりません。表現の幅が広がったことで心の余裕を持てました。人生の充実感があるので人として"いい人"になれたと思います。」
本好きだから、写真集は買ってもらった後に気持ちがいい作りにこだわった
まっしろな写真集の中身の96ページは、1年間で撮りためた、身の回りのモノや人。―― 写真集のこだわりやみどころを教えていただけますか?
「まずできるだけシンプルに写真がたくさん伝わるように作りたいと思いました。あとある意味ちゃんと作らなくていいんだと。交流があったデザイナーの池上祐樹さんに相談し、デザインを詰めていきました。」
「私は本が好きで、ページをめくっていく感覚を大事にしたいので、ページの肌触りやめくりやすさも大切にしました。本屋さんに並んでるときと、買ってもらった後にそれぞれの家の本棚に並んでるときって見え方が変わってくると思っていて、この本は買ってもらったあとが気持ちいいようにできたなと思っています。」
誰しもが見たことあるようなものを、価値観を共有できる作品に昇華できている
―― ポスターや額装プリントについて、ガイドをお願いします。
「ポスターや額装プリントは私が実際に欲しいものを作りました。(笑) 写真に関しても同じで、私自身が気持ちいい瞬間や好きなものがたくさん写っています。ただそれが誰も見たことないものではなく、誰しもが見たことあるようなものを題材にしているため、個人的なもので収まらず、価値観を共有できる作品に昇華できているんだと思います。」
セレクトした約30冊は、「私が欲しい本」
今回、「flotsam books」から、メンズクリエーターズに30冊本をセレクトしていただいた。―― 「flotsam books」との出会いや繋がりを教えていただけますか?
「『flotsam books』の名前はずっと聞いていて、気になっていたら2020年1月になんと家の近所に実店舗ができました。行ってみたら飾りっ気のない店内に本がたくさん並んでいて、店主の小林さんも面白くていい人だし、お店のファンになりました。小林さんが『なんか飾りたいものあったら持ってきていいよ』って言っていたので冗談かわからなかったんですが、額装プリントを持っていったらお店に飾ってくれました。(笑)」
―― 今回メンズクリエーターズにセレクトしていただいた本は、どういう基準や思いからお選びいただきましたか?
「今回は私が欲しい本をセレクトしました。『flotsam books』にはファッションやアート系の本がたくさん並んでいるので、選びたい放題でした。」
人とモノの関係性の近さを表現するドキュメンタリーに近いファッションムービー
―― ムービーのコンセプトは何でしょうか?
「ファッションムービーとドキュメンタリーの中間のようなテイストで撮りました。私はスケボービデオのスケボーがきしむ音や、街の雑音や、被写体とスケーター達の関係性が近いのが魅力的に感じます。今回もまず人がいて、その人が着ている服から影響を受けながらも自然な状態でいることを意識しました。
今私の生活の中で一番距離感が近い映像って、Instagramのストーリー機能なんですよね。あれって撮っている人と写っている人がはっきりしていて、日常の中から生まれる。極めてドキュメンタリーだなと感じます。そのドキュメンタリーで伝わるファッションもあると思います。」
―― ムービーの中で、6つのスタイリングを組んでいただきました。一部ご紹介いただけますか?
●LOOK04〈TOGA VIRILIS/トーガ ビリリース〉
「シンプルに見えるように全体の色合いは合わせて、ロングコートとダウンジャケットを重ね着しました。結局暑いからダウンジャケットを脱いじゃうけど、手で持ってるのもバランスが良くてオシャレ。むしろそっちのほうがいいかも。」
●LOOK05〈FUMITO GANRYU/フミト ガンリュウ〉
「トップスのニットをマフラーや腰巻きにするのが好きで、同じニットを色違いで首に巻きました。ラフな感じにだるっとさせるのがいいですね。」
―― 最後に、メンズクリエーターズでの展示と共に、原宿のブックマークでもイベントを同時開催されるとのことですが、それぞれのイベントで伝えたいことは?
「伊勢丹では多くの人にファッションと写真の相性を感じられるようにと意識して構成しましたが、ブックマークではもう少しアートよりに感じられるようになっています。広いスペースを使って立体的に感じられるように空間を作りました。大きいプリントや撮り下ろしたポラロイドなどたくさんの写真が並びます。同じ写真集のイベントですが全く違うように見えると思いますので、是非どちらも足を運んでいただきたいです。」
- 開催場所:伊勢丹新宿店 メンズ館2階 メンズクリエーターズ/DJブース
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