2020.11.01 update

2020 WATCH COLLECTOR’S WEEK|注目ブランドはこれだ!Vol.5 〈シチズン〉

今年の「ウォッチコレクターズ ウイーク」のテーマは、わたしにとっての“いい時計”。ここでは、そんなテーマに合わせて注目ブランドに焦点をあてる。5回目となる今回は、〈CITIZEN/シチズン〉をご紹介する。

 

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〈シチズン〉と名を聞けば、聞いたことがない人を探すのが難しいくらい著名な日本の時計ブランドだ。部品から自社一貫製造するマニュファクチュールなのだが、世界各国でビジネスを展開するグローバルカンパニーとしてその名を知られており、海外旅行へ行った際、ふと目をやると〈シチズン〉の時計が目に入ってきた、といった光景も珍しくない。

1918年の創業から現在にいたるまで、世界に先駆けて開発した光発電技術「エコ・ドライブ」や、衛星電波時計など、時計の可能性を広げる開発を重ねている。

 

カジュアルな時計から重厚感のある時計まで、幅広く展開があるのが〈シチズン〉の魅力の一つだが、今回注目したいのは、同社の技術と日本ならではの伝統が表現され、“宙空の美”をデザインコンセプトに掲げる「カンパノラ」の時計たちだ。

 


「塵地螺鈿(ちりじらでん)」 374,000円
SSケース:直径43.5mm、ムーンフェイズ、3気圧防水、光発電エコ・ドライブ、限定300本

 

こちらのモデルの名前についている“塵地螺鈿”とは、日本の伝統技法である漆塗りに、貝の真珠層を散りばめた螺鈿細工のことだ。夜空に浮かぶ月の満ち欠けを文字板に表現したムーンフェイズと、6 時位置のサブダイヤルにこの細工が施され、漆黒の闇に輝く星空を表現している。

また、12時位置のサブダイヤルには、古代アステカの文様で太陽を、外周部は次元をつなぐワームホールをイメージしたパターンを電鋳で表現。これらのデザインを文字盤内に閉じ込め、漆黒の黒と神秘的なゴールドで彩ることにより、宇宙の壮大な風景を想起させるデザインとなっていてなんともロマンティックだ。

 

 

もちろん、デザインだけでなく同社が誇る技術にも注目してほしい。ケース、ベゼルの素材はすべてデュラテクトDLCを採用することで、表面硬度を高めキズにも強いうえ、高級感のある美しい黒色を出している。また、駆動方式は「光発電エコ・ドライブ」を採用しており、文字盤の見返し部分にあるリング状のソーラーセルで光を吸収し発電することで時を刻んでいる。

 

 


「紺瑠璃(こんるり)」 484,000円
SSケース:直径42.5mm、ミニッツリピーター、永久カレンダー、クオーツ

 

続いて、「カンパノラ」の中でも、複雑機構を搭載したモデルを2つ紹介しよう。まず1つめは、文字盤に青漆塗りと白蝶貝を施した格調高いデザインの「紺瑠璃」だ。

名前に使用されている“紺瑠璃色”だが、これは仏典に頻出し、かつ四宝または七宝のひとつとして、金、銀に次ぐ第三位の色として位置する歴史的な色である瑠璃色を意味し、特に光沢のある青色のことを指している。

 

 

その名の通り、文字盤は青を基調としているのだが、その表現の仕方が面白い。精緻な文字盤に、漆塗りで靄を表現し、白蝶貝の螺鈿細工を施すことによって窓からのぞく満月に見立てているのだ。日本の伝統に基づく匠の技に、芸術・美術の息吹を感じ取れることだろう。

また、本モデルはミニッツリピーターを搭載。透明感と深みのある「カンパノラ」独自の音色が耳に心地いいのだが、アラームは朝、昼、晩と違ったリズムで時を奏でるので、これは実際に聴いてもらいたい。

 

 

 

「深緋(こきあけ)」 440,000円
SSケース:直径43mm、ミニッツリピーター、永久カレンダー、ムーンフェイズ、クロノグラフ、3気圧防水、クオーツ

 

2つめのコンプリケーションモデルは「深緋」だ。ご覧の通り、緋色を基調としているのだが、緋色とは濃い赤の色を指し「あけ」ともいわれ、古代に位を示す服色にも用いられ上位に位置していた色だ。実はこれも、単調な緋色ではなく、漆塗りで表現された非常に深みと重厚感のある色に仕上がっている。

 

 

ミニッツリピーター・永久カレンダー・ムーンフェイズ・クロノグラフと、時の愉しみを教えてくれる数々の機能が搭載されているグランドコンプリケーションモデルとなっているのだが、ここで一押ししたいのはムーンフェイズの機能。

夜空に浮かぶ月の満ち欠けを文字盤上に表現したムーンフェイズは、約29.5日の周期にあわせて2 種類のデザインされた月の表情が交互に姿をあらわす。どちらもどこか癒される表情をしているので、目にするのが楽しみになっている自分に気づくはずだ。

 

たゆまぬ努力による技術向上で、日本の時計文化の発展と日本の伝統文化の発信に貢献してきた〈シチズン〉。古き良き日本の文化と時計を融合させ、見事に昇華した時計を“いい時計”と考えるのなら、ぜひ手にとってもらいたい。

 

 

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Text:ISETAN MEN‘S net

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