2020.06.10 update

Vol.18 MAISON EUREKA × RYOHEI SASAKI| 今こそ触れたい、 “モノ愛”溢れる優しい空間(1/3)



伊勢丹新宿店メンズ館2階=メンズクリエーターズ内「ART UP(アートアップ)」において、福岡県を拠点に活動する人気アーティスト・佐々木亮平さんと、ウィメンズを中心に今業界内外から注目を集めている気鋭のブランド<MAISON EUREKA/メゾン エウレカ>による共同展示「BETTER THAN BEFORE BREAKING」を6月10日(水)より開催。両者の本格的なコラボレーションは今回が初めて。佐々木さんと<メゾン エウレカ>のデザイナーである中津由利加さんに、お二人の出会いや作品へのこだわり、今回の展示ならではの魅力、さらにはアーティストとしての今後のビジョンなど幅広くお話をうかがいました。

 

RYOHEI SASAKI

1985 年⽣まれ、福岡県出⾝。2007 年よりライブペインターとして福岡を拠点に活動開始。⽯や岩、⽔など⽇常的な⾃然物をモチーフにし版画の⽤に⾒える⼿書きの作品が特徴的。2013 年開催のLIVEPAINTING DOJOにてkaikaikikiよりGEISAI 賞を受賞。その後東京都での個展開催や、雑誌「THE DAY」や「BEAMS 原宿」へファッションアイテムのデザインを提供するなど活動の幅を広げている。

 

中津 由利加/MAISON EUREKA

 

1984年福岡県生まれ。セレクトショップバイヤー、シューズデザイナーとして活躍後、2011年にドイツを訪れ出会ったベルリン特有のアンダーグラウンド且つクリエイティブなカルチャーやライフスタイルに共感し、2013年ベルリンへ移住した後2014年に自身のブランド<MAISON EUREKA/メゾン エレウカ>をスタートし現在に至る。


※<メゾン エレウカ>は伊勢丹新宿店本館3階リ・スタイル(Women)にてお取り扱いがございます。

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友達の友達が繋がって実現した運命的コラボレーション

 

――そもそも、二人はどんなきっかけで出会ったのだろうか。

中津:もともと共通の友人がいまして、その友人を介してっていう感じですね。私が昔、ロンドンに住んでいたときの友人の旦那さんの出身が私と同じ福岡県で。そして佐々木さんも福岡の出身なんですけど、その友人の旦那さんがたまたま佐々木さんのお友達で、私の展示会に連れてきてくださったんです。

佐々木:もともと僕も由利加さんが福岡の出身で、洋服を作っている方だっていうことを友人を介して聞いていたのですが、どういう服を作られているのかっていう情報が無いなかで展示会にうかがって。実際に行ってみたら、すごく立派な展示をされていたのでびっくりしました(笑)。そこでお会いしたときに僕自身がアーティストであるということはお伝えしたのですが、具体的に作品をお見せすることができなかったので、次にお会いする機会を由利加さんに作ってもらって、その時にZINE(自費出版作品)にまとめた自分の作品をお見せしました。


RYOHEI SASAKI
※本展示会ではこちらの作品展示はございません


中津:佐々木さんはガラスペンを使って作品を描いていらっしゃるのですが、私から見て佐々木さんはなんでもできるんですよ。センスがすごく良くて、どんなテイストの絵でも、ある程度クリアできるといいますか。でもそういった器用さがあるゆえに何でもできてしまうから、その中に自分のスタイルを入れつつ試行錯誤をして模索しながら制作されているように見えます。

――そういう意味では今後、佐々木さんにいろんなオーダーができそうですね。

 

中津:そうですね(笑)。でも、佐々木さんの(作品の)タッチに惚れ込んでいる方もたくさんいらっしゃると思いますし、あまり周囲があれやってこれやってって言い過ぎるのもどうかなっていう(笑)。

 

――佐々木さんはそれを聞いていかがですか?

 

佐々木:なんとなく自覚はありますね(笑)。人並みですけど頼られることは好きですし、それに応えられるように技術をつけていくとその都度、自分の作品の幅がすごく広がっていっているという感覚があります。一方で、「いったい自分は何をしたいのか」と思う部分もありまして。自分が本当にやりたい制作の方を軸にもっと活動していかなきゃいけないなとは思っています。

 

――今回コラボレーションをするにあたり、どのように制作を進めていったのですか?

 

中津:私はテキスタイルや柄を作って欲しいってお願いをしたのと、あと以前見せてもらったZINEに載っていたような、ガラスペンで描いたイラストのタッチがいいということも伝えて。具体的にどんな柄にするとかは、LINE電話やSlackを使って話し合いました。佐々木さんは佐々木さんなりに私の好きなテイストをキャッチしてくれて、さらにそこから掘り下げてデザインパターンを作ってくれました。ミーティングは結構しましたね。

 

佐々木:最初はガラスペンやインクを使って自分で描いたパターンを提案させていただきました。それと、僕が個人的にいろいろな情報を集めて、そこから着想を得たものも加えて提案させていただきました。そのなかで由利加さんにキャッチしてもらったのが、僕が独自にリサーチをして見つけたものをコラージュしたもので。そこからはわりとすんなり進んでいったと思います。