お互いに発信し合う心地よい刺激が、次の創作やアイデアに繋がる

 

――今回のコラボを通じて改めて感じたことがあるそう。

 

中津:やりとりはけっこう大変ですけど、でもそれ以上に一緒に考えたりすることは楽しいですし、それがお互いの制作にとって良い影響になったらいいじゃないですか。この経験が学びにもなったり、広がりにもなったり、いいこともたくさんありますから。作品を通じて仲良くなって、おでん屋さんに行ったりもできるし(笑)。そこからまた佐々木さんのお友達が私のブランドを知っていて、そのお友達とも繋がって。そのお友達ももともと東京にいてファッション業界で働いてらっしゃった方で、共通のお友達がまたそこにもいたりとか。他にもいろいろと繋がりがあるんですけど、すごい不思議なご縁ですよね(笑)。


 ©MAISON EUREKA 2020SS

佐々木:今回の展示を機に、また新たなご縁ができるかもしれないですね。

 

中津:たしかに。出会うべくして出会うっていう感じはしますよね。

 

――さらに、佐々木さんは今回の中津さんも含めこれまで、いろんなクリエイターともの創りをしてきたことで、アーティストとして確実に得たものがあるそう。

 

RYOHEI SASAKI
※本展示会ではこちらの作品展示はございません


佐々木
:たくさんの刺激を受けました。今回、由利加さんとやりとりをさせていただいた中で、僕の創作に対する姿勢がどういうスタイルでどういう人間性かっていうことをすぐに見抜いていて(笑)。僕の絵の描き方や捉え方をいち早く理解してくださったので、すごくやりやすかったです。自分ではつねづねデザイナー寄りの思考だと思っているのですが、そういった部分を生かしてくださったんです。由利加さんは考え方がとてもはっきりとされていて、アーティストだなって。自分的には、インスパイアを受ける時の感覚がとても似てるなって思いました。そしてそれをすぐ形にするスピード感やバランス感覚が本当にすごいなって思いましたし、見習わなきゃいけないなって思いました。

あと、自分はここしばらく直感的に絵を描くというよりは、自分が足を動かしてそのときに見つけたものをまた絵に落とし込んだり、また行動してそれをさらに絵として記録していくという描き方をしています。そうやって何かを調べて描いたりすることが好きなんです。例えば今回のように洋服に関わる作業をする時は、服にまつわることを研究してみたり。こういった行為がどこに活かされているかはわからないですが、感覚として残っていたらいいですよね。今回コラボレーションをさせていただくまでコラージュは作ったことがなかったんですけど、そうやって今までしたことのなかったことがやれたことは、自分の活動にも大きな糧になっています。