タイルモチーフのアイコニックな柄など、二人の“好き”が詰まった展示
――今回の個展のオファーを受けた際、どのように思われましたか。
佐々木:とても素敵な場所でできるいい機会だなと思い、嬉しかったです。あと今回は由利加さんと一緒ということもあり、個人でする展示会とはまた違った意識で受け止めました。
中津:まずはアーティストとしての佐々木さんがどんな展示をしていきたいのかとか、そういうことも絶対に明白にしなきゃって思いました。もちろん佐々木さんと同じで、伊勢丹新宿店メンズ館さんで展示ができるとなればとても嬉しいですし、すごくいい機会です。うちの商品とコラボレーションしたものも一緒に展示するということでしたし、間違いなくたくさんの人に見てもらえるチャンスですから。ただひと言で展示と言っても、どこに重きを置いているかは人それぞれじゃないですか。だから最初は、佐々木さんがどう思っているのかを相談しました。
――今回の展示ならではの魅力はどのようなところでしょうか。
佐々木:テーマに掲げたのが「BETTER THAN BEFORE BREAKING」。最初は、僕も由利加さんもお互いにモノに興味があるという部分から入りました。モノって壊れるじゃないですか。例えば陶器なら落とせば割れるし。でも日本には、そういったものを修復する文化で「金継ぎ」って、ありますよね。壊れてしまったモノを捨てるよりも、それを加工することで再構築し、壊れる前よりもさらに愛着が湧いたりとか、そういう感覚が素敵だなと思って。以前から自分でも修復をしたりていますし、これは今回の展示のお話をいただく前から思っていたんですけど、今ってコロナ禍で大変な状況ですよね。今までの日常は壊れてしまったけど、でもそれがまた回復したころには世の中がもっと良くなっていたらいいなって。今回の展示を通じて、そういった部分は伝えていけたらいいなと思っています。
中津:今回のコラボレーションとの関連性を持たせたもので、ほかの展示ではやらないようなことをしようっていうことを意識して、佐々木さんと話合ってきました。<メゾン エウレカ>として出させていただくものは、今販売されている今季のアイテムが並ぶのですが、ほかには特別に佐々木さんに手描きで仕上げていただいたコラボレーションのスニーカーを限定で作っています。私も大好きなんですが、佐々木さんのアイコニックなアートワークである、タイルの模様に細かな色を塗ったスニーカーです。他にも佐々木さんの作品のポストカードなど、展示されているものは全て購入できますし、価格も買いやすく設定されているので、あまり今までアートに触れてこなかった方にとっては、本当によい機会になると思います。そして、これまでの佐々木さんの展示会はわりと玄人向けと言いますか、本当にアートに興味のある方しか絶対に足を運ばないような展示でしたが、伊勢丹新宿店メンズ館だったら、アートに詳しい方だけでなく、興味はあるけどあまり詳しくない方まで、さまざまな方に見ていただける機会になるだろうと思います。今回の展示を通じて、アートに興味を持ってもらえたら嬉しいですね。
個展「BETTER THAN BEFORE BREAKING」
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Text:Kei Osawa
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