【座談】「ハンカチ」は好印象の要!男性に持っていて欲しい一枚を三越伊勢丹の女性社員が語る
しかし「ハンカチは好印象を与える大切なアイテムです」と、女性たちの共通意見のようだ。
ホワイトデーを目前に、卒業・入学式、新入社や異動の歓送迎会などのギフトとしても定番の「ハンカチ」について、三越伊勢丹の女性社員3名に語ってもらった。
[座談に参加した三越伊勢丹の女性社員3名]
男性には、いつもきれいなハンカチを持っていてほしい
―― 皆さんは男性のハンカチって、気になりますか?渋谷 ハンカチを持ってない男の人って、ワイルドな人だなって思います(笑)。使わなくても、ちゃんと持ってるほうがスマートですよね。
齋藤 トイレから濡れた手のまま出てきた男の人を見ると、少し驚いてしまいます。
原田 濡れた手をどうするのかな?って気になっちゃう・・・(笑)。
渋谷 ポケットから出てきたハンカチがくしゃくしゃとかも、気になってしまうかも・・・。
原田 手ぶらの男性って、案外ハンカチを持ってない人多くないですか?女性はほとんどバッグを持ってるから、ハンカチも入ってるし。
齋藤 なにかと使うシーンも多いですよね。
原田 手を拭くだけじゃなく、化粧直しに使うこともあるし。でも、単純に私はハンカチが好きだから持ってるっていうのもあるかも。
齋藤 それわかります。私も仕事で関わっていることもあり、ハンカチが大好きなので、ついつい男性のハンカチに目が行っちゃうのかも。
原田 男性のハンカチは、コーディネート視点で見ちゃうことがあります。ハンカチをネクタイの色と合わせてたり、ダークスーツに差し色っぽくハンカチをお持ちになってたり。
カジュアルのときは、パンツの後ろのポケットからチラリと覗かせてる色使いとかも気になっちゃいます。
渋谷 街中で靴下とハンカチの色を合わせている方を見かけたことがあります。靴下もポケットも、チラりと同じ色が見えるのは、とてもお洒落だと思いました。
―― では実際、男性に持っていてほしいハンカチって、どんなものでしょう?
原田 私は季節にあわせて、選ばれていると素敵だなって思います。これからの季節は、シャリ感のある素材だったり、夏場は爽やかな色柄だったりすると素敵ですね。
齋藤 きれいな色のハンカチは、好印象かも!
渋谷 ベージュのハンカチなんて、洒落ているなと思います。しかもそれがリネンだったりしたら、季節感もあって素敵。逆に鮮やかな原色系の目を引く色もお洒落ですね。
原田 秋冬は少し落ち着いたダークカラーだと、大人っぽいじゃないですか。
渋谷 ハンカチって、色柄選びにセンスがでますよね。そういう意味では真っ白いリネンのハンカチは基本にして定番ですね。フォーマルで使うポケットチーフも白のアイリッシュリネンが一押しですし。
齋藤 真っ白いハンカチって、清潔感があってカッコいいですよね!
渋谷 きれいなハンカチは好印象。できればシーズンごとに新しいものを、お持ちになってほしいとも思います。とっさの時、女性に差し出したハンカチに清潔感があると好印象がグッと上がります!!
―― なるほど、使い込んだハンカチのほうが、水分も吸いやすくて使いやすそうなんですが(笑)。女性目線だと違うようですね。
贈りやすく、もらいやすい、気軽なプチギフトに好適
―― 春は卒入学や進学、入社や異動などで、ギフトを贈ったり贈られたりするシーズンかと。そんなときのプチギフトに、ハンカチってちょうどいい品かと思います。齋藤 ハンカチって誰でも使うアイテムなので、差し上げやすいですよね。
渋谷 男性へのギフトの場合、ネクタイは定番ですが、相手の好みがあるので案外難しいんです。その点ハンカチなら、色柄を深く悩まないで済むので選びやすいですよね。
齋藤 頂いた側も、色柄の当たり外れが少ないでしょう。とくに贈る相手がビジネスパートナーの場合、差し上げやすいですよね。
渋谷 実用的だし、お値段的に贈る側も贈られる側も、気持ち的に重くないですもんね(笑)。
原田 差し上げやすいというのと、小さくて軽いので、貰った方が持ち帰りやすいという利便性もあると思うんです。
渋谷 送別会で貰っても、嵩張らないので、鞄にポンっと入れて持ち帰れますよね。
齋藤 メンズ館地下1階=ハンカチでは、ギフトとしてお買い上げの時に箱と袋が選べるんですが、お客様のご希望は圧倒的に袋が多いです。大げさじゃないので、貰う側も気負わないし、お返しもそこまで気を使わなくてよさそうです。
―― 「お返し」で、ハンカチをいただく経験は誰しもあるはず。無難な色柄から派手なものまであるけれど、派手な色柄でも使えないことはないので、貰って困ることはないですよね。
色柄、素材、ブランドetc.――― 選び方も多彩です
―― では具体的に、ギフトにハンカチを選ぶポイントってどういうところでしょう?齋藤 ハンカチって、色柄や素材、ブランドや作りなど、選び方にもこだわりが出せるものなんです。
渋谷 一見地味だけど、バリエーションも豊富だし、贈る方も贈られる方も楽しいですよね。
齋藤 いちばんわかりやすいのはやっぱり色柄とか素材で選ぶことでしょうか。男性がご自身で選ぶハンカチって、ブルー系とかチェック柄とかが多いです。逆に言えば、女性が男性に贈る際の、間違いのない選び方はブルーでチェック系ですね。
渋谷 ネクタイをギフトで贈る際は「好みに合わないかも」と、つい無難な色柄を選びがちです。でも、ハンカチって実用的なものだから、ときには派手な色柄で冒険してもよいのでは?
齋藤 ジオメトリック柄や、かわいらしいイラストのもの、遊び心のある色柄はお洒落な方に贈りたいですよね。
原田 私は素材にもこだわりたいですね。
齋藤 素材選びとしては、日清紡のアポロコット®加工という形態安定加工がされたハンカチなんていかがでしょう。コットン100%の風合いはそのままで、洗ってもシワになりにくいイージーケア。アイロン掛けが不要なんです。
渋谷 それ、奥様がすごいラクですね!
齋藤 汗っかきの方とか、夏場にはタオルハンカチがおすすめです。
原田 厚味があって嵩張るので、小さめのものが良いですよね。本館5階=タオル売り場では、長方形で2つ折りにするとハンカチを畳んだサイズになるタオルハンカチがあるんですが、とても人気があります。
齋藤 これは<BROOKS BROTHERS/ブルックス ブラザーズ>のスマートフォン拭きハンカチなんですが、小版でジャカード織とメガネも拭けるマイクロファイバーとのコンビ使いになっています。たたみ方で色柄が変わるのも面白いです。
渋谷 柄が可愛いですよね。羊のマークはゴールデン・フリースといって、<ブルックス ブラザーズ>のブランドロゴですね。
原田 これすごく柔らかいですね。それに大人の男性が持ってたら、すごく可愛い!
齋藤 年配の方にもお好きな方が多いブランドなので、上司に贈っても喜ばれると思いますよ。
渋谷 これはリネンですか? リネンのハンカチって根強いファンがいらっしゃいます。以前、羽田ストアに勤務していたとき、リネンのハンカチを買われていく方が結構いらっしゃいました。取り扱いのないところも多いらしくて。
齋藤 シャリ感あるリネン素材は、これからの季節にぴったりですよね。素材の特性上、シワになりやすいですが、水分を吸収しやすく乾きが早いので使い込むと手放せないようです。
渋谷 これはすごく肌触りの良いコットンですね。なんというブランドですか?
齋藤 スイスの<Blumer/ブリュメル>。スイスはコットン生地の生産地として有名で、なかでもここはプリントの技術に長けています。水がきれいな土地で作られるので、発色が美しいと言われています。
原田 ほんと色がきれい。ファッションブランドだけでなくハンカチ専門のブランドっていう選び方も素敵です。
渋谷 ポケットチーフならイタリアの<Mungai/ムンガイ>などが有名ですが、ハンカチ専業ブランドって、あまり知られていないのでお洒落上級者には喜ばれそう。
齋藤 日本のハンカチ専門ブランドでは<H TOKYO/エイチトーキョー>が有名ですね。素材感がよくてお洒落です。素材にシャツ生地の残反をつかったシリーズは、枚数も限られているので特別感もあります。
渋谷 エコやサステナブルな観点から、選ぶこともできるんですね。
齋藤 こちらは<Robert Fraser/ロバートフレイザー>。ネクタイが有名なブランドですね。ハンカチが登場したのは約2年前からなんです。
原田 ジオメトリック柄っていうのかな。かわいい柄ですね。
渋谷 ネクタイっぽい柄もあるので、ノーネクタイのときはポケットチーフとして挿してもいいかも!
ハンカチ担当のアシスタントバイヤー齋藤の、こだわりの選び方
齋藤 実は私、個人的には作りで選びたい派です。ハンカチの「ヘム」が気になるんです。原田 え、どういうこと?(笑)
齋藤 ハンカチの縁のことを「ヘム」と呼ぶのですが、縫製の仕方に特徴があるんです。三ツ巻きにしてミシンで額縁のように縫い上げるのが一般的ですが、私は断然「ハンドロール」をおすすめします。ミシンを使ってハンドロール風に仕上げる「千鳥巻き」という縫製もあります。こちらも、すこしふっくらと丸みのあるヘムに仕上がります。
渋谷 ハンドっていうことは、手縫い仕上げなんですね。
原田 手縫いの良さって、どんなところなんですか。
齋藤 職人が時間を掛けて手作業で縫っているので、ミシン縫製より縁がやわらかく感じます。
渋谷 畳んだ時のやわらかさが断然違いますね。
齋藤 ステッチにも表情があって一枚ずつ違っています。世界で一枚だけのハンカチって思うと愛着も湧くんです。
原田 たしかに味がありますね。
―― 「ヘム」の縫い方にこだわるのは、紳士の仕立て服と同じ感覚ですね。
そういうこだわった選び方をされたハンカチは贈る方も楽しいし、贈られた方も嬉しいと思います。これからの送別シーズンに、ハンカチを選んでみてはいかがでしょうか。
Text:Yasuyuki Ikeda
Photo:Natsuko Okada