ワイルドでリュクスな革の世界、希少なエキゾチックレザーを味わう。
Gaziano & Girling / ガジアーノ&ガーリング
ガルーシャとも呼ばれる、エイ(スティングレイ)の革。削ることで見えてくる粒だった表面が、宝石をちりばめたような印象をもたらす。硬くて扱いが難しいこの革をホールカットで使ったところに、同社の高い製靴技術が窺える。スクエアトウのスマートな「DECO」ラストを採用。
Stefano Bemer / ステファノ ベーメル
「革の魔術師」とも呼ばれた靴職人、ステファノ・ベーメル。彼が天に召された後も、その伝統は工房の職人たちの手で引き継がれている。日本ではあまり馴染みのないアフリカ原産のウシ科の動物「クードゥー」の革を使ったフルブローグは、同ブランドらしい一足。シワや凹凸が多く、マットな質感の革は、野趣という表現が相応しい。
Enzo Bonafè / エンツォ ボナフェ
イタリア・ボローニャの名匠が手がけた、オーストリッチとエレファントの革を使ったチェルシーブーツ。手作業を多く取り入れたファクトリーだからこそ、クイルマークが均等に入ったオーストリッチや、ワイルドなシワが交錯するエレファントの革の特性を活かした靴をつくることができる。
Santoni / サントーニ
イタリア・マルケを代表するシューズメーカー。同社の靴の特徴でもある流麗なラストシルエットをさらに際立たせるように、パイソンやワニ革が配されている。アンティーク調にムラ感をもたせ色付けられたカーフと、凹凸によりさまざまに光が踊るパイソンやワニ革は実に好相性なコンビネーション。
Carmina / カルミーナ
しっかりとしたグッドイヤーウェルテッドの靴で知られるスペイン・マヨルカのブランドは、各種のプレシャスレザーを得意としている。全8色展開のリザードと、3色展開のパイソンを大きな面積で贅沢に使ったチェルシーブーツ。
Paraboot / パラブーツ
同ブランドを代表するチロリアンシューズ「ミカエル」。そのエプロン部分にはこれまでもさまざまな革が使われてきたが、今回はラビットファーを採用。もともとウィメンズで展開していたモデルの、メンズバージョンやわらかな毛足のファーは質実剛健な靴に、柔和な表情をもたらしている。
F.LLI Giacometti / フラテッリ ジャコメッティ
イタリア・ヴェネト地方にあるメーカーのオリジナルブランド。著名ブランドの靴も数多く手がける、多彩かつ巧みな靴づくりを反映するような素材選び。今回はウィメンズウェアによく使われるアストラカンやイールスキン(ウナギの革)などをチョイス。ウナギはあえて異なる色を組み合わせている。
Magnanni / マグナーニ
スペイン、ラマンチャ地方のシューズメーカー。同社の特徴ともいえる「オパンカ製法」による、クロコダイルとリザードを使った靴が登場。ハンドフィニッシュの美しさにも定評があり、イエローカラーのパイソンレザーをアッパーに使ったハイカットスニーカーはその好例。
Spingle Move / スピングル ムーヴ
広島の自社ファクトリーでつくられる、バルカナイズ製法の靴で、世界的にも知られる存在。クロコダイルやパイソンの型押しやレオパード(ヒョウ)柄のプリントを配した素材を使ったスニーカーは、どこかポップな存在感。軽快な着こなしができそうだ。
Dami / ダーミ
ワニ革の鞣しでトップシェアを誇るヘンロン社を背景に持つシューズブランド、ダーミ。選び抜かれた素材を使った履き心地のよいスニーカーは、まさに唯一無二の存在感。鮮やかな発色も魅力だ。
Photo:Toru Oshima
Illstrations:Taku Itoh
Text:Yukihiro Sugawara