2019.08.17 update

【特集】通勤におすすめ、スーツに合うビジネススニーカー決定版!──機能&実用性が詰まった厳選4ブランド


テーブルの上に一堂に揃ったのは、ビジネススタイルに適した4ブランドのスニーカー。クールビズでネクタイを外し、シャツがTシャツになり、スーツも機能性素材になって、足元にはスニーカーが定番になってきたが、メンズ館地下1階チーフバイヤーの福田隆史は、「スポーツメーカーのスニーカーは特定のスポーツ目的のための靴なので、スーツやセットアップには、歩く、働くなど、ライフスタイルの中で普通に履けるように作られているスニーカーがマッチします」とアドバイス。見た目にスマートで、履くとコンフォートなビジネススニーカー選びのポイントは、ズバリ“イノベーション”だ。


左から、メンズ館地下1階チーフバイヤーの福田、紳士靴アシスタントバイヤーの谷口、同担当バイヤーの田畑、ISETAN MEN'S net編集長の田代

 

  1. 世界的な本格靴メーカーが作るスニーカーに注目
    1. 1. COLE HAAN/コール ハーン
    2. 2. GEOX/ジェオックス
    3. 3. ECCO/エコー
    4. 4. Camper®/カンペール

 

世界的な本格靴メーカーが作るスニーカーに注目

「スーツにスニーカーを合わせても大丈夫ですか?」――昨今、そんなお客さまが増えている。

「ブランドロゴやアイコニックなモチーフが目立つスニーカーはオフに履くので、オンは“ドレス顔のスニーカー”を履きたい」という声が高まる中、“全身のビジュアル”を気にする方におすすめするのは、軽く、歩きやすいというコンフォートさは重視しつつ、アッパーは革などのドレス素材で、色は上品に履きこなせる黒か白、そしてソールはスニーカーソールという作りの靴だ。

スニーカーというより、「長時間の移動や天気の変動などタフな仕事環境などでも履きやすい」レザーシューズという捉え方をしたシンプル&ミニマルな“ビジネススニーカー”のバリエーションが充実してきている。


今回、伊勢丹メンズ館の靴賢者が自信を持って選んだのが、<COLE HAAN/コール ハーン>、<GEOX/ジェオックス>、<ecco/エコー>、<CAMPER/カンペール>の4ブランド。紳士靴担当バイヤーの田畑は、「この4ブランドは、世界中にある革靴メーカーの中でも開発力と技術力を誇り、常にイノベーションを続けて進化しているグローバルブランドです。開発のための設備投資に莫大な資金を投入しているので、テクノロジーを駆使したイノベーションが生まれやすく、良質な履き心地がお客さまに還元されます」とコメント。

働き方改革によって働き方が多様化し、オフィスでのスタイルが多彩になるにつれ、靴の選択肢が増えていくのも自然な流れ。スーツやセットアップの素材やデザインに合わせて、スマート&コンフォートな上質スニーカーをチョイスしてみたい。

1. COLE HAAN/コール ハーン


  


  • <コール ハーン>を薦める人
    谷口 健太

    メンズ館地下1階=紳士靴アシスタントバイヤー。ドレスシャツ&ネクタイ、シーズン雑貨アイテムの担当を経て現職に就く、入社4年目の若手。座右の銘は「Be kind to the people,be attached to the things.」、大切にしていることは" ヒトに思いやり、モノに思い入れを”と語る。


スーツ×スニーカースタイルのパイオニア



谷口
私が入社1年目のときに、「仕事でも履けるスニーカーがほしい」と選んだのが<コール ハーン>の「グランドプロ テニス」です。ドレッシーな見た目に反して、履いてみると驚くほど軽量で、一日履いていても疲れにくいので手放せなくなりました。

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    <コール ハーン>「GRANDPRO TENNIS」 28,600円

    ビンテージのテニスシューズからインスピレーションを得たスタイルに、柔軟性とクッショニングに優れたソールを採用した、人間工学に基づく快適さを実現したスニーカー。


    <コール ハーン>「ZEROGROUND WING OX」49,500円

    高品質レザーに、レーザーでステッチやカッティングのディテールを施したウィングオックスフォード。


福田 革新的なソールを搭載したモデル「ルナグランド」の日本デビューは、メンズ館地下1階=紳士靴でした。爆発的に売れて、「ビジネスで履くスニーカーなら<コール ハーン>」というのを確立しましたね。
田畑 それまでなかなか破れなかった“ビジネススニーカー”という壁を、テクノロジーを用いて<コール ハーン>が打ち破りました。
谷口 テクノロジーに加えて、アッパーとソールの色の組み合わせが豊富で、新作ではブラウンも登場。つま先と踵に滑り止めが付いて、グリップ力の高さにも定評があります。
田畑 <コール ハーン>を履いて、<コール ハーン>を買いに来るお客さまもたくさんいます。
福田 もう一足の「ゼログランド ウィング オックスフォード」は、革靴と同じようにケアをして履ける新感覚のブローグシューズです。愛着を持って履ける一足ですね。




谷口 「ゼログランド」は見た目は重厚感があるドレスシューズですが、ソールに屈曲性とクッションの良いGrand.OSを採用し、とても快適に履きこなせます。
田代 <コール ハーン>は、上質な革を使い、中のステッチなどを見ると本格的な靴ですが、削ぎ落として軽量化に成功しています。そのクラフツマンシップと革新性の融合がすごいですね。
田畑 実際に履いてみると都市生活の中で非常に快適なので、リピーターが多いのも頷けます。
谷口 「グランドプロ テニス」は購入して3年目ですが、仕事でもオフでも履ける汎用性が高いのも魅力ですね。


2. GEOX/ジェオックス


 
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    <ジェオックス>を薦める人
    福田 隆史

    メンズ館地下1階のチーフバイヤー。紳士領域バイヤー歴13年。紳士靴担当バイヤーとして、過去にKick the cityやJAPAN靴博を企画。靴を愛し、靴に生かされた男。座右の銘は、"Comfort is Luxury." 自分にとって心地良いかが大切と語る。


ファッション性を高めた“伊勢丹別注”に注目


 

福田 <ジェオックス>は、イタリア生まれの“呼吸する靴”として有名で、靴底に開けた穴から汗を排出し、通気性良く靴内をドライに快適に保ちながら、外部からの水を侵入させず、蒸れを逃がすシステムを搭載しています。
 

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    <ジェオックス>「NEBULA」24,200円


    3Dパフォーマンスユニットのソールで優れたグリップを確保し、全方向に通気する3Dブリージングを実現しているフィット感抜群の人気のあるシリーズのスニーカー。


田畑
「蒸れない靴=ジェオックス」として、一日外を歩く営業職の方や、靴を長持ちさせたい方から圧倒的な支持があります。靴内の湿気が逃げるので、アッパーの革の質もキープでき、メンテナンスフリーの靴としても人気がありますね。
谷口 この福田さんが手がけた伊勢丹メンズ館限定のスニーカーは、アッパーの革の質感がカッコイイですね。ソールも程よい厚みがあるので、テーパードパンツの足元にボリュームをもたせるなど脚長効果もありそうです。

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    <ジェオックス>「DEIVEN」各38,500円
    *伊勢丹新宿店限定

    イタリア本国の自社工場で生産された限定コレクション。アッパー素材には、上質なチェルボレザー(鹿革)を使用している。


福田 <ジェオックス>の素晴らしい機能性に加えて、「もっと大人っぽいスニーカータイプを」と、アッパーにレザー界のカシミヤと称されるソフトな質感と細かいシボ感が魅力のチェルボを特別に採用。軽量でクッション性の良い厚底ソールと組み合わせ、さらに、ロゴを型押しにしてさり気なくアピール。イタリアの工場で生産数限定です。





田代 福田さんらしく、素材の組み合わせと仕様にこだわったエクスクルーシブなスニーカーですね。ツルッとしたレザーよりシボ感がある方がニュアンスが出て、「クリーンすぎないスタイリング」にちょうど良いと思います。
谷口 店頭でも好評で、ダッドっぽい厚底ソールが好きな20代から、高級感に惹かれる50代のお客さままで幅広く購入されますね。実際に履くと軽くて、アッパーが柔らかく、スラックスからカーゴまで自由に合わせられます。
田畑 自分は出張時に愛用しています。通気性が良いのに、雨にも履けて、とてもコンフォートに履きこなせますね。


3. ECCO/エコー


 


  • <エコー>を薦める人
    田畑智康

    メンズ館地下1階=紳士靴バイヤー。入社14年目で、うち13年間で紳士靴を担当。地域店やプライベートブランドのバイヤー、セールスマネージャーを経て現職。お客さまもスタイリストも心から楽しめるお買場をつくることが今の目標。座右の銘は「我が人生、後悔先に立たず」。今を精一杯楽しみ、生きる事がモットー。
 

最先端のイノベーションに一目惚れ


 

田畑 <エコー>は他のメーカーと違う点が2つあります。まず、アッパーなどに使う革を自社で生産・製造していて、高品質なレザーを使えるのが最大の強みです。自社使用の他にラグジュアリーブランドに卸したり、AppleのiPhoneカバーに使われるほど信頼を得ています。
福田 <エコー>の革は本当に良いですね。一日履くと良さが分かります。



田代 例えるなら、<コール ハーン>の革は手に取った瞬間に良さが分かり、<ジェオックス>は履いて数時間後に良さが分かり、<エコー>はじっくり良さが伝わってくるという感じですね。
田畑 もう一つの魅力は製法です。スニーカーはほとんどがアッパーとソールを貼り合わせるセメント製法ですが、<エコー>はソールの形状に合わせた金型にソールの素材を流し込む「FLUIDFORM™」製法での一体成型になっています。
福田 「ECCO ST.1」に施された丁寧なレザーウェルトはその証しになっています。

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    <エコー>「ECCO ST.1 HYBRID Plain Toe Tie」34,100円

    ダービーシューズに現代のテクノロジーが融合した、オンオフ問わず活躍するハイブリッドな一足。衝撃吸収テクノロジーを踵部に搭載し、軽量なポリウレタン素材を使用した一体成型製法と、しなやかに屈曲するアウトソールとの3層構造で、画期的な履き心地を実現。
 



田畑 一般的なセメント製法はアッパーとソールを貼り合わせるためにフラットな形状にせざるを得ませんが、FLUIDFORM™製法は足型に合わせてミッドソールを作ることができるので、底面にフィット感が生まれます。
谷口 ベストセラーモデルの「SOFT8」はシンプルでかっこいいデザインで、この一足がきっかけになって「スーツにスニーカーを合わせる着こなし」を楽しまれる方が大勢います。硬めのソールで長く歩いても疲れにくいのも人気のポイントですね。

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    <エコー>「ECCO SOFT8 Mens Byfold Sneaker」28,600円

    ECCO DNAを象徴するクラシックカルなコンテンポラリースニーカーSOFT8。土踏まずにフィットするアナトミカルシェイプのラスティング、プレミアムなレザーのライニング、取り外し可能なレザー張りのインソールなど、快適な履き心地にも一切の妥協がないレザースニーカー。



田畑 福田さんと一緒に<エコー>の工場視察に行きましたが、まさにテクノロジーが詰まった靴が生まれてくる場所でした。
福田 伝統的なカーフクラストアニリン染めのレザーを纏った「VITRUS」と、モールド開発から生まれたインレイソールのマッチングなど、見どころも満載でした。
田代 <エコー>のすごいところは、ビスポーク職人の技術の域をテクノロジーで実現しているところですね。いわば、「クラフツマンシップを大事にするために効率化している」とも言えます。
福田 高度な技術力と開発力を背景にして、革靴好きも納得できる履き心地を提供してくれます。
田畑 メンズ館のお客さまを見ていると、グッドイヤーウェルト製法の履き心地が好きな人は<エコー>の靴が好きなんですよね。テクノロジーが生み出した上質な履き心地をぜひ多くのお客さまに知ってほしいですね。


4. Camper®/カンペール


 

  • <カンペール>を薦める人
    田代 径大

    ISETAN MEN'S net 編集長。入社より9年間に渡り紳士靴を担当し、販売や買付を経験。ビスポークシューズからスニーカーまで幅広く精通する。座右の銘は“靴は料理と同じように気分で履き分けるべし”。 


幅広い世代から高い支持


 

田代 <カンペール>は靴の産地として有名なスペインのマヨルカ島にある靴メーカーで、靴製造の技術力はもちろん、アーティストとのコラボレーションなどデザイン面のイノベーションでファッション好きから注目されています。今回は定番モデルの「Beetle」と「Neuman」をピックアップしました。
福田 「Beetle」といえば、インソールとアウトソールを一体成型し、シューレースにゴムひもを採用したシューズとして有名です。



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    <カンペール>「Beetle」 27,500円

    幅広のフォルムが足に優しく、シンプルでアーバンナチュラルなデザインが魅力。シューレースにはゴムひもを採用し、そのままでも脱ぎ履きできる仕様はファンが多い。インソールには低反発素材を採用して、軽くクッション性のよい、非常に履きやすいシューズとなっている。



田代 実際に履いてみると足を包み込む感じがあって、甲のフィッティング感を感じます。また、足なりの木型で、前足部が動きやすいのが履き心地の良さに繋がっていますね。
谷口 ポロシャツなどカジュアルなビジネススタイルの方が店頭で気に入ることが多いです。
田代 もう一足は、「ビジネスシューズ=外羽根プレーントゥ」という20代のサラリーマンが必ず気に入る「Neuman」です。やや丸みのあるつま先は、クラシックな中にエレガントなシルエットを生み出します。

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    <カンペール>「Neuman」 27,500円

    コンテンポラリーなルックスと進化した機能性を備えた新しいクラシックシューズ。伝統的な靴造りにインスパイアされ、ソール部分はマットな風合いを施した手仕上げのような雰囲気を醸し出す。軽量素材のアウトソールを合わせることで、見た目からは想像できない軽さに仕上げている。


田畑 独特なデザイン力に加えて、このモデルは360ºステッチで、優れた耐久性にも定評があります。
福田 普通の革靴と同じく、ポリッシュができるのも、靴磨き派には満足できるポイントですね。


Photo:Tatsuya Ozawa
Text:Makoto Kajii

*価格はすべて、税込です。

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