【特集】古き良き美徳から生まれた、「JOJO Naitou(ジョジョナイトウ)」という名のサンダルの秘密とは。
5月中旬、筆者は、京都市の歴史的意匠建造物にしてされ、創業時と変わらぬ姿を残すお店を訪ね、<ジョジョナイトウ>の発想の原点を探った。
「間口税の影響で軒先は狭く作るのが、京のスタイル。奥行きのある建物でいかに上手に生きるかということを考え、それが自然と生活の知恵になりました」
お店に入ると、手前には接客空間、暖簾を一つくぐると草履を作る場所が置かれている。
自らを職商人(しょくあきんど=職人と商人を掛け持ちする)と表するだけあって、こうした間取りにも納得出来る。職商人として職人と商人、どちらの技も自然と高めていく時間が、継承と変化を生み出しているのだ。
過去と現在が自然と行き来する廊下
細かなディテールの要望をお客さまの指定通りに受けるフルオーダーとは一線を画していた。
お客さま一人ひとりの容姿やお仕事、用途など様々な要素を鑑みて一足の草履を誂える。この過程で生まれる気づきの一つ一つがJOJOの製作に生かされるのだ。
しかし、JOJOの製作過程で生まれた新たな素材へのチャレンジや新たな発想は草履作りにも反映されている。それぞれの時代で生まれた2つの履物が、いとも簡単に交差し、切磋琢磨することで常に進化が止まらない。当たり前に思える仕事の一つ一つが次の時代を生み出す新たな履物へと近づいているような気がした。
サンダル 24,840円から
更なる進化を遂げた”Neo JOJO(ネオ ジョジョ)”
職商人が店頭にいれば、鼻緒の微調整も行える。草履では当たり前の作業もJOJOの構造に生かしたことで、従来よりもお客さまそれぞれにあったフィットの調整ができるようになったのだ。
お店の片隅に無造作に置かれた2つの履物の距離は、もうない。
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Photo&Text:ISETAN MEN'S net
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