「Bed To Park by Melple 空手道着パジャマ」を世界チャンピオンの杉野拓海が突く(1/2)
カリフォルニアのライフスタイルを具現した<melple/メイプル>のデザイナー、小野寺武人。今回俎上に載せる「Bed To Park by Melple 空手道着パジャマ」はかれがメンズ館地下1階=紳士肌着の担当バイヤー 植松義雄のリクエストを受けて完成させたものだ。空手着をモチーフにしたそのコレクションは、“ベッドから公園まで”をコンセプトに快適な着心地と街着としての佇まいを両立させている。バイヤー肝いりの一着に袖を通すのは、第21回WKF世界空手道選手権 金メダリストの空手家、杉野拓海。
<メイプル>デザイナーの小野寺武人(写真左)と空手家 杉野拓海(写真右)
──おふたりはすでに面識があったのですか。ずいぶんと親密な感じですね。
小野寺 いえいえ、今日が初対面です。拳が共通言語ですから(笑)。
──小野寺さんも空手をやられていたのですね。
小野寺 ええ。世田谷学園と駒澤大学で。
杉野 世田谷学園といえば高校空手の名門中の名門です。わたしの高校は同好会だったので、雲の上のような存在でした。
──杉野さんは同好会からのぼりつめたんですか。
杉野 両親が空手の先生でした。単純に、格好よかった。足を踏み入れたのは7歳の年。そのうちに空手は自分にとって大切な居場所になりました。高校はあえて空手部のない学校を選びました。同好会からはじめてどこまでいけるか、自分を試したかったのです。
杉野 空手家の多くは道着にかなりのこだわりをもっています。きちんとサイズを合わせた道着は型も美しく映えますからね。高校時代のわたしもがんばってオーダーしたものです。道着代は元旦の郵便局のアルバイトで貯めました。おかげでハングリーな精神も身につきました(笑)。
──本日は植松バイヤーも立ち会われているので、まずは本企画の狙いをうかがわせていただけますか。
植松 この春、紳士肌着では「和装×洋」の素材をテーマのひとつに掲げています。ここ数年、浴衣や甚兵衛が現代の感性でモダナイズされて見直されていますが、もっと異なるアプローチができないかと考えてたどり着いた仮説です。で、いの一番に相談したのが小野寺さん。洋の素材といえば機能素材であり、機能素材をトラディショナルな装いに落とし込む手腕にかけては小野寺さんを置いてほかにいませんから。道着で面白いことができませんかと話を振ると、なんと小野寺さんはかつてインターハイにも出場した空手家だった。これ以上の適任者はいないと興奮したものです(笑)。
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