基本と応用で学ぶ、ブライダルゲストのVゾーン&コーディネート術
近年は結婚式のスタイルが多様化し、メンズ館1階=ドレスシャツ・タイでは、頻繁にブライダルの装いに関する相談があるそうだ。式場のクラスや規模、席次、あるいはドレスコードによってもブライダルゲスト(参列者)の装いは変わってくるが、今回はベーシックなスーツをベースに、シャツ、タイ、チーフ+αの合わせ方を解説する。
ゲストは、着こなしでお祝いの気持ちを表す
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教えてくれる人
岩見 和貴
伊勢丹新宿店メンズ館イメージコンサルタント
「結婚式や披露宴のカジュアル化が進み、いわゆるフォーマルのマナーも変化してきています。日本人も欧米並みにパーティーでの着こなしが上手になってきていますが、ブライダルでは自分の立ち位置を見極めながら“平服とブライダルの垣根”をうまく橋渡しする着こなしになってきています」
同僚や友人なら、手堅い「黒やネイビーのスーツ」に、ネクタイをボウタイに変えたり、シルクではなくリネンのチーフをスリーピークスで飾ったり…、Vゾーン+小物のアレンジでパーティーを楽しむのが、“平服とブライダルの垣根”を考えた、一つのスタンダードだ。
今回はブゲストの装いがメインテーマだが、参列者が一番困るのが、「会場で浮いていないか」ということ。場違いな格好でいると、本人の居心地が悪いばかりではなく、まわりにも微妙な空気が流れてしまうかも…。かといって、「冠婚葬祭すべて略礼服であるブラックスーツでOK」というのも味気ない。
誰に対しても失礼にならない装いは大切なポイントだが、いわゆるT(時間)P(場所)O(場合)に加えて、新郎新婦との距離感や立場なども考慮した“バランスの整った装い”を心掛けたい。
【基本編】ブライダルゲストの正しいファーストチョイス
「冠婚葬祭というと日本では“黒”のスーツになりますが、欧米ではチャコールグレーが主流になります。ジャケットのポケットは、フラップなしのノーベントが正式だったり、礼服は様々な決まりや慣習がありますが、今回は“略礼服の鉄板”をご紹介します」
「いわゆる略礼服よりは平服寄りですが、手持ちのスーツで、Vゾーンの組み立てを替えるだけという分かりやすい着こなしです。ゲストがお祝いごとで締めるネクタイは、“時間帯を問わないシルバータイ”と覚えてください。足元は、シルクかウールの黒の織りのないソックスに、内羽根のストレートチップの紐靴が基本です」
シャツをトレンドのタブカラーシャツにして、ピンドットのネクタイを合わせる。シャツを変えるだけでも、首元に微変化が生まれる。
ボタンダウンシャツにブランドの"アメトラ"仕様のボウタイをプラス。金ボタンの紺ブレにチャコールグレーのパンツならよりトラッドな装いに。
袖口がダブルカフスの白シャツに手結びのボウタイを合わせ、白蝶貝のカフリンクスを加える「大人合わせ」。場数を踏んでいるこなれ感と、ラグジュアリー感をプラス。
【応用編】フォーマルこそ、主張といでたちの表現の場
どこに出ても恥ずかしくない“略礼服の鉄板”はおさえておいて、「パーティーはやはり個性を主張したい」という方におすすめの着こなしをご紹介。いずれも手持ちの黒やネイビーのスーツを活用して、Vゾーンの変化や小物使いで、平服を超える華やかさを醸し出します。
ポイント①|シャツ・ネクタイ・チーフの色に統一感を持たせる
英国の匂いがするネイビースーツに、ピンクシャツ+ボルドーネクタイ+レッドチーフで色に統一感を持たせつつ華やかに。
若者向きの“オールブラック”は、黒のショートポイントシャツにネクタイと、ジャケットの襟にラペルピンをプラス。足元をパテントシューズにすると、ソリッドなイメージに。
ポイント②|ストライプシャツでVゾーンに変化を持たせる
トレンドのクレリックシャツにシルバーのボウタイを合わせて、ロイヤルブルーコーディネート。
スーツのネービーと同系色をセレクトしてトータルコーディネート。赤を効果的に配して、晴れやかな気持ちをアピール。
Photo&Text:ISETAN MEN‘S net
*価格はすべて、税込です。
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メンズ館1階=ドレスシャツ・ネクタイ
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