2018.09.01 update

現在のリアルなトーキョーを世界に向けて発信する、クリエイティブな個性派3ブランドにフォーカス

ますます加速するラグジュアリーストリートを軸に、クリエーションの醍醐味と喜びをストレートに味わえる個性豊かなコレクションが展開されるメンズ館2階=インターナショナルクリエーターズの秋冬。そんななかでもフレッシュなパーソナリティで異彩を放つ、トーキョー発信の3ブランドに注目してみよう。


左/<URU/ウル>ジャケット41,040円
右/<HATRA/ハトラ>パーカ38,080円

支持者を増やし続ける、“血の通った”クリエーション

 

「居心地の良い服を作るユニセックスウェア・レーベル」を掲げ、2010年にスタートした<HATRA/ハトラ>は、エスモード・パリを卒業後、マルティーヌ シットボンやアン ヴァレリー アッシュで研鑽を積んだ長見佳祐氏がデザイナー。

ルームウエアを思わせる、文字通り「居心地の良い」リラクシングなコレクションのなかで今季おすすめしたいのは、「A-パーカー」と名付けられたアシンメトリーなデザインのジップアップパーカー。美しいフードの立ち上がりまで計算され尽くしたパターンに、旧式の吊り編み機を使用しふっくらと編み上げたスウェット素材が融合した、<ハトラ>ならではの逸品だ。

そしてパタンナーとして数々のコレクションブランドで培ってきた技術を元に、テキスタイルとパターンで個性を発揮するのが、<URU/ウル>の漆山政春氏。「想像力と技術力の加速(Accelerate creativity accelerate imagination)」をコンセプトに、新たな表現とシルエットを生み出す注目株だ。

そんな<ウル>の2018年を通じたテーマは、「エッセンス」。オーセンティックでベーシックでありながら、強い個性を放つモダンなアイテムが勢揃いする。そんな今日的エッセンシャルなコレクションから、ショート丈のブルゾンジャケットをピックアップした。ボクシーなフォルムと絶妙なショート丈、リブ風の裾仕上げ、大きめのフラップ付きポケットなどが一体となり、ワークで、クラシカルで、ストリートの空気感を漂わせながらもエレガントという仕上がりが秀逸だ。


<MIDORIKAWA/ミドリカワ>ブルゾン 172,800円
*11月上旬展開予定


最後に取り上げるのは、緑川卓氏が手がける<MIDORIKAWA/ミドリカワ>のツイードブルゾン。アルティザナルなアイデアとテクニックから生まれるインパクト十分な装飾性を、メンズウエアの文脈におけるリアリティと特別感を両立させたデザインに落とし込んだ傑作だ。

華やかさと上品さを兼ね備えるパープルのツイード、フリンジのように舞い踊るサテンのリボン、美しいレイヤリングで魅せるアンフィニッシュの裾や袖口など、ジェンダーの枠にとらわれない自由な表現と技術が見事。まだ4シーズン目ながら、すでに確固たるアイデンティティと国内外からの高い評価を確立しているのも頷ける完成度の高さだ。

国内の優れたブランドを発掘し、支援していく役割を担っているインターナショナルクリエーターズだからこそ実現したともいえる、旬の“トーキョー”ブランドラインナップは、まさに必見。

*価格はすべて、税込です。

お問い合わせ
メンズ館2階=インターナショナルクリエーターズ
03-3352-1111(大代表)