マークさんの話をもらって、それで眼鏡一本にしよって決めました。眼鏡はじめて10年あまり経っていて、ようやく自分なりのスタイルもかたまりつつあった。
<ナッキーメイド>は材料の削り出しからフィニッシュまでぼくひとりで完結します。こうして眼鏡づくりを生業にするようになって、あらためて気づいたことがあります。眼鏡はサイズが命だってこと。なのにマイ・サイズをわかっている人が驚くほど少ないってこと。注文を受けていちからつくるオーダーならとことん骨格に合わせることができる。
ま、これは後付けのようなもんで、お金のないぼくが眼鏡をつくろうと思えばフリーハンドでやらざるを得なかったってだけなんですけどね(笑)。
むかしから贔屓にしてくれるお客さんに「偉くなったね」とか「変わったね」とかいわれたくないし、これからもこのスタイルを変えるつもりはありません。それに、自分の手の届く範囲で仕事してたら、おかしなことにはならない。
デザインはすべて掛け手から生まれます。たとえば今日ぼくらが掛けている眼鏡は〈リベラーノ&リベラーノ〉の大崎(貴弘)さんのためにつくったモデル。だから、タカモデル。うちのサンプルは、最初につくった人やゆかりの土地の名前をつけているんです。
肝に銘じているのは神戸牛並みのものづくりですね。外国と商売するようになってわかったんは、日本人のようにディテールに凝ったりしないということ。かれらが求めるのはただひたすらインパクトなんです。だから、神戸牛に負けない、個性、主張をものづくりで表現したい。
最たるもんが恐竜をモチーフにしたテンプル。福井の工場にいるころ、唯一の楽しみが恐竜博物館やったんです。
イベント情報<ナッキーメイド>トランクショー
□6月16日(土)・17日(日) 各日11時~7時□メンズ館8階=イセタンメンズ レジデンス
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Text:Kei Takegawa
Photo:Shimpei Suzuki
*価格はすべて、税込です。
お問い合わせ
メンズ館8階=イセタンメンズ レジデンス
03-3352-1111(大代表)
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