昨年は「クラシック回帰」が注目されたが、今年もメンズスタイルに新たなトレンドが生まれている。たとえばボトムスはプリーツ入りのシルエット主義からカラードパンツの時代へ。ジャケットのインナーはシャツからポロシャツへと変化しそうだ。オフィスの「脱スーツ」化に、ニットアンサンブルの提案が新鮮だ。クラシック系のメゾンやブランド、世界中のウェルドレッサーの傾向など、多様かつ独自の視点からメンズ館5階=ビジネス クロージング担当バイヤー山浦 勇樹がピックアップした最旬のキーワード&アイテムを紹介しよう。
 

1.世界で唯一、自分だけの紺ブレをクローゼットに


イセタンメンズは今年9月、新館として誕生してから50周年、メンズ館としてリニューアルして15周年を迎える。これを記念して、メンズ館5階=ビジネス クロージングでは、「ONLY ONE」なMUST HAVEを展開。それは大人の男のクロゼットに欠かせないワードローブのひとつ、紺ブレ。洋の東西を問わない、男の基本服だ。


<タリアトーレ>
ジャケット 105,840円

人気の<タリアトーレ>からは、デッドストックのメタルボタンを使ったダブルブレストの紺ブレ「ピエール」を。チェンジポケット、マニカカミーチャといったトレンドのディテールデザインは、デザイナー、ピーノ・レラリオ氏のグラマラスな世界観が伺える。


<パイデア>
ジャケット 151,200円
*釦、裏地の仕様が異なります


<ルカ グラシア>
ジャケット 253,800円

GFB(ジャン フランコ ボンメッツァドリ)のファクトリーから誕生した<パイデア>では、デッドストックのドレスシャツを解体して裏地に使ったリビルド紺ブレが登場する。同じ色柄は2着と存在しない希少性の高いコレクションだ。

<ルカ グラシア>では、オーナーのルカがコレクションしていたデッドストックのメタルボタンを使ったモデルを提案。生粋のナポリ人であり腕利きのサルトである彼のコレクションを放出する貴重な機会は、ここでしか出会うことはできない。

2.ジャケットスタイルが新鮮になる"今年のインナー"


「今季、ジャケットのインナーに何を合わせるか」は、毎シーズンの話題だ。昨年はクルーネックのTシャツや、モックネックのカットソーがトレンドに挙がった。果たして今年は。


<アンドレア フェンツィ>
ポロシャツ 各19,440円

まず注目したいのはニットポロだ。色は白、黒、茶などベーシックなものから、レンガ色、ターコイズブルーなど、トップス1枚でも成立するトレンドカラーを合わせたジャケポロスタイルが流行りそう。高品質なニットファクトリーで知られる<アンドレア フェンツィ>に別注したニットポロは、ポロ衿にコンパクトなフォルムにカットソーのようなスクエアな裾仕立て。10色ものバリエーションを揃えている。


シャツ
左:<バグッタ>28,080円、右:<ボルゾネッラ>24,840円

もう1アイテム、ジャケットのインナーに注目なのはオープンカラーシャツ。多くの海外ブランドが今季のトレンドに掲げているだけに、こちらはかなりの高確率。<ボルゾネッラ>や<バグッタ>などカジュアルに強味あるシャツブランドがトロピカル調のプリントや、70年代調のモノグラム、後染めのシャンブレーなど、個性的な柄モノをリリースしている。ドレッシーなスーツをカジュアルダウンして、夏を感じるリゾートなイメージで着るスタイルが今年、街中に溢れそうだ。

3.ボトムストレンドはシルエットからカラーへ


昨今のスタイリングはボトムスのシルエット次第。プリーツ入り、テーパードライン、くるぶし丈、といった3つの要素が揃うパンツが、メンズファッションの最先端トレンドだ。ここに今春は「色」という要素が加わりそうだ。従来の白、黒、グレーのほかにブラウン、ベージュといったベーシックカラー。そしてテラコッタやマスタードといった暖色系の色が加わる。国内外のパンツ専業ブランドは、こぞって色を揃えている。


<EP1949>
パンツ 各31,320円


今春新たにローンチする<EP1949>は日本が誇るパンツ専業メーカーから誕生した新ブランド。1949年の創業以来、多くの有名ブランドのOEMを手がけてきたファクトリーが、今季ローンチする。欧米人と異なる日本人特有のヒップラインに相応しい型紙と芯地を再考して、穿き心地の良さを追求したパンツブランドである。ここでも、コロニアル風の暖色系カラーバリエーションが多彩に用意されているのだ。


<PT01>
パンツ 37,800円


<デヴォ―レ>
パンツ 各31,320円


今注目のイタリアパンツブランドからも多彩な提案が。<ピーティーゼロウーノ>も昨秋から展開しているジェントルマンフィットにカラーバリエーションを用意する。新進のパンツブランド<ザネッラ>はコットンパンツに色を揃える。かつて<ボリオリ>のデザイナーとして活躍したマルコ・レ氏が新たにディレクションするナポリの<デヴォーレ>も、トレッドセットされたコレクションを提案。今季もパンツ事情はなにかと騒がしい。

4.ジャケットに代わる新たなオフィスエレガンス


「脱スーツ・デー」を設定する企業が現れ、世界的なオフィススタイルのカジュアル化が進んでいる。しかしあまりにラフな仕事着はビジネスマナーにそぐわない。そこでイセタンメンズが提案するのは、オフィスエレガンスに相応しいカーディガン×ニットポロのアンサンブルスタイル。終日デスクワークという日に、快適で動きやすくノンストレスでPCに向かうことができるビズスタイルだ。


<セッテフィーリ カシミヤ>
カーディガン 37,800円
ニットポロシャツ 31,320円


<セッテフィーリ カシミヤ>は、モノ作りの街フェラーラのニットブランド。ブランド名にあるようにカシミヤを得意としているが、上質なメリノやコットンニットにも定評がある。このブランドにイセタンメンズはニットポロと同色のアンサンブルニットを8色でオーダー。単品使いも可能なニットの組み合わせは、新たなビジネスマンのユニフォームとしても注目したい。

*価格はすべて、税込です。

お問い合わせ
メンズ館5階=ビジネス クロージング
03-3352-1111(大代表)