間違うことなく、確実におしゃれになる方法、教えます

 

森岡 すっきりと着こなしている石見さんですが、おしゃれに関して参考にしているものはありますか?

石見 雑誌だと、幻冬舎の『GOETHE(ゲーテ)』は個人的に好きで見ています。あとは、丸の内にある<イセタンサローネ メンズ>の香田義宏副店長と、彼が前職のときに出会って、「何を着たらいいか」相談に乗ってもらったのも大きかったですね。

森岡 好きなショップの信頼できる販売員を「自分のアドバイザー」にするのは、間違いなくおしゃれになる方法の一つです。

石見 そうですね。自分も着こなしの基本から、自分の色の出し方まで、香田さんに教えてもらいました。

森岡 優秀な販売員は、お客さまの職業や年齢から、「どう見られたいか」を作ることができます。また、購入したものを覚えているので、ワードローブの中で重なったり、余計なものにならない。さらに、石見さんが言われたように、「個性の表現の仕方」までアドバイスしてくれます。

石見 好きなワインと出会うために、ソムリエと会話するのと似ていますね。

森岡 自分が信頼できるお店で相談できるのが一番早くて重要です。石見さんは良い方と出会えましたね。服を着ることは楽しみの一つですが、「社会性と趣味性のバランス」を間違わないことが大切です。



服を着ることの意味・意義を、もう一度考えてみる

 

石見 森岡さんはスタイリストとして多くの男性にスーツを着せていると思いますが、スーツを着るときに一番大切なものはなんですか?

森岡 私は政治家や芸能人などのパーソナルスタイリングも手伝っていますが、よく言うのは、「スーツは佇まいを良くしてくれる最大の補正着」ということですね。

石見 最大の補正着というのは?

森岡 「正しいサイズを正しく着ると、間違いなくきちんと見える服」ということです。スーツはオーバーサイズを着ても決して動きやすいわけではないし、タイトすぎても窮屈で格好悪い。先生が着る白衣にも通じると思いますよ。

石見 確かに政治家のスーツ姿は独特なものがありますよね。

森岡 特に年配の政治家にはサイズという意識や、着こなしのルールというのはありませんからね(笑)。

石見 白衣に関しても、若い医師たちは比較的「着る意識」をちゃんと持っている気がします。

森岡 僕たち一般人は、白衣に“意味”を感じているので、先生たちには身だしなみを含めて、いつでも凜としていてほしいものです。

石見 他にスタイリングで気をつけていることはありますか?

森岡 基本は清潔感ですね。服を正しくきちんと着ると、自ずと清潔感は生まれます。私たちが服を着るのは、「自分をより良く見せたい」という意識があるからこそ。その先に自己表現やメッセージ性があります。まずなによりも大事なのは、サイズの合った服を着ることですね。

石見 それは私たちの白衣にも通じると思います。

 

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