デザイナーとしてのこだわりが、“他では見たことがない”服を生み出す

僕は、「普通のものは売れるけどつまらない。デザインエッセンスが大切で、形が変わる面白いもの、日常的な機能性のある服を作りたい」と常に思っています。<ヒピハパ>の初期には、ロンドンの有名百貨店「ハロッズ」のショウウィンドウ全面に僕の服(8通りに着れる服)がディスプレイされて一気に注目を集めたこともありました。

デザインエッセンスにこだわるようになったのは、カブトムシなど昆虫の表面は、一見ツルツルのディテールなのに、羽を広げたら思ってもいなかった姿に変化しますよね。それと同じように、「服のデザイン的に何をプラスできるか」と考えたときに「機能的なものを加えたい」と思うようになったのがきっかけです。

服はいくらでもコピーできます。ただそれだとつまらないので、服をデザインするときは、まずディテールを考え、そこを起点にして服作りをしています。そうすることで、デザインベースは機能的でスタンダードな服ですが、素材やディテールに徹底的にこだわる服が生まれてきます。



ファッションデザイナーとして大切にしていること

時代性(頑固になりたくない、いつまでもミーハー)、年齢に関係しない、いくつになっても着られる服、オリジナルであること、清潔感と上品さでしょうか。

デザインはノートに手書きで描いていきます。人を待っているときも常にノートとペンを片手に自分の中で消化しきれないものをメモで残していくので、人を待つのは全然苦痛ではありません。僕は、街の人たちを見て、肌で感じて、その時代のフレキシブルに変化しているファッションを感じ取ることを大切にしています。時代遅れになるのが一番嫌です。

<ヒピハパ>で叶えていきたい、今後の夢

最近はレディスに興味があります。20年前に奥さんと洋服を作っていたんですよ。もう一度2人で作ってみようと思っています。

海外にいたとき、パリのセレクトショップで見た、スーツ+スカート+ブーツの組み合わせが格好良かったんですよ。そのスカートを真似て作ったりしています。まだ販売までは至っていませんが。最終的には、自分の方向性を見極めて、またロンドンに行きたいと思っています。そこで柄×柄で和服のようなコーディネートを提案したり、和服に通じるようなニュアンスの服作りをしていきたい。

それから、「年齢がない服」。この歳になると性別もなくなっていくんですが(笑)、年齢も性別も意識しなくて着られる服が良いですね。しのぎを削るような服は、メンズ館2階のブランドに任せます(笑)。

加賀清一(かが せいいち)
1950年東京・日暮里生まれ。ブランド<スキップ&ピープル><インテリア・エクステリア>を経て、1992年に<Jipijapa/ヒピハパ>をスタート。斬新なアイディアかつ、こだわりが詰まったコレクションを毎シーズン展開する。

<ヒピハパ>プロモーション
□1月18日(水)~1月24日(火)
□メンズ館6階=コンテンポラリー カジュアル

*価格はすべて、税込です。

お問い合わせ
メンズ館6階=コンテンポラリー カジュアル
03-3352-1111(大代表)