【インタビュー】<Jipijapa/ヒピハパ>加賀 清一|リバティプリントにインディゴ染めを施した理由(1/3)
<Jipijapa/ヒピハパ>を手がけるデザイナーの加賀清一氏
規範たる基本に精通するからこそ、楽しんでデザインできる
加賀さんはインタビュー中、常に笑っていて、とてもユーモアのある方でした。最新コレクションもどれも凝った服ばかりで、どうやって作ったのだろうか、こんな服はどこにもないだろうと思うようなアイテムばかり。
「こんな考え、冗談みたいでしょ?ふざけているみたいでしょ?でも真剣なんです」と加賀さん。遊び心の中にこだわりがきちんとあって、着る人が面白いと思って着られる服であり、そんな遊び心がきちんと形になって一つの服として出来上がっている。デザイナーの“真剣な遊びと本気度”がストレートに伝わってきます。
伊勢丹との出会いと、<ヒピハパ>のブランドコンセプト
伊勢丹とはもう20年近いお付き合いになります。海外のTRANOI(トラノイ)という小規模な展示会で見つけていただいたのがきっかけです。当時、大手のセレクトショップにはいろいろ規制があって指示されることが多く、ブランドとしてこだわったアイテムを取り扱ってくれないことが多かったのですが、伊勢丹は尺度が広くて、僕のこだわりも理解してくれ、イメージ通りのアイテムを取り扱っていただきました。
<ヒピハパ>の由来は、パナマ帽に使われる植物で、南米・エクアドルで採られる葦(あし)のスペイン語の読み方から。昔訪れたニューヨークの帽子専門店で耳にしたその語感と綴りが気に入って名づけました。1992年のブランド創設以来、「普通だけど、ちょっと面白い」をキーワードにコレクションを展開。チャイナカラーのシャツや防弾ベストに使われるケプラー素材のセーターなどが話題になり、モスキートネットを使用したウインドブレーカーはOasisのリアム・ギャラガーがステージ衣装として着てくれました。
<ヒピハパ>という響きは馴染みがありませんが、Jから始まるブランドにしたいと思ったのと、知名度が上がったどうかの判断基準がわかりやすいと思ったから名づけました。
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