クリスマスに”自分へのご褒美ギフト”を選ぶ――男が手にしたい確かな名品(1/2)
今回ご紹介するのは、いちどは手にしたい歴史に名を残す品々。先人たちの知恵と努力によって生まれた『名品』と呼ばれるものには、目には見えないところにも隠された魅力が存在します。今の時代でも愛され、これから先も受け継ぎたい『名品』のストーリーをご紹介します。
<BORSALINO/ボルサリーノ>
ハット129,600円
メンズ館1階=シーズン雑貨・装身具
イタリアが誇る至高のフェルトハット
ジュゼッペ・ボルサリーノが、1857年に兄弟のラッツァーロと一緒にイタリアのアレッサンドリアに工房を構えたことから、<ボルサリーノ>の物語ははじまりました。<ボルサリーノ>が素晴らしいのは、それから150年以上の年月を経た今日でも、当時の品質を維持するため、昔ながらの製法を頑なに守り続けている点。木型や機械はいうに及ばず、伝統の職人技術も継承され、定番のフェルトハットを完成させるのに、50以上の工程とおよそ7週間の手間ひまをかけます。
希少な高級素材を使うのも<ボルサリーノ>の特徴で、このフェルトハットではニュージーランドレッドディアー(赤鹿)から採れる、高品質の毛だけを集めてつくられた「セルベルト」と呼ばれる繊維を使用しています。セルベルトはニュージーランドのダグラス・クリーク社による繊維で、シルクのような光沢とカシミアに似た柔らかさを備え、軽量で、透湿性、保温性にもすぐれているのが魅力。兎の毛とミックスすることで、さらにしなやかで光沢のある顔つきに仕上げているのも独創的です。滑らかな手触りは、まさにラグジュアリーそのもの。ほかではちょっと味わえない趣が感じられます。
<ARIANNA/アリアンナ>
ストール 63,720円
メンズ館1階=シーズン雑貨・装身具
<アリアンナ>の一部の商品は伊勢丹オンラインストでご覧いただけます。
旧式織機によるストールが人の手のぬくもりを伝える
ふんわりとした風合いと凹凸のある立体感が魅力的な<アリアンナ>のストール。1987年にイタリアで創業したこのブランドは、19世紀に使っていた旧式織機を独自に改良し、そのメリットを最大限に生かした製品づくりで人気を呼んでいます。
旧式織機は最新式のそれと違い、糸をピンと張らなくても生地を織ることができます。そのため職人がテンションを調整しながら、ゆっくりとした速度で生地を織っていくのですが、これがアリアンナの個性である手編みのような雰囲気につながっています。機械的な精密さではなく、生地の目が詰まっていないふっくらとした立体感は、微妙な調整がきく旧式織機だからこそ。
上質な素材からくる気品ある光沢となめらかな肌触り、それにひとつひとつ丁寧に作られる手仕事の風合い。<アリアンナ>が特別なのは、そんな作り手の温もりが感じられるからに違いありません。
<CAUSSE/コス>
グローブ129,600円
メンズ館1階=シーズン雑貨・装身具
貴重なペッカリーでしか味わえない贅沢の極み
<コス>は1892年にフランスで創業したグローブブランドの老舗。世界的トップメゾンのグローブ製造を請け負っていることでも知られ、品質の高さと抜群のフィッティングで多くの人たちを魅了しています。
熟練の職人が代々受け継ぐ伝統的な手仕事により、フランスとスイスの国境近くの自社工場で作られるそれは、グローブをしていることを忘れるほど手になじみます。手縫い特有の縫い目の動きが、マシンメイドでは味わえない一体感を生み出しているのです。
なかでも定評があるのが、ペッカリーの一枚革のグローブ。これは、南米のアマゾン熱帯雨林に生息する野生のペッカリーの上質な革を使ったもの。軽くて丈夫で柔らかく、通気性がよく、しかも傷つきにくい素材。ただ、ペッカリーは貴重な保護すべき動物なうえ、生息地域の特性上どうしても傷が多くなりがちで、素材として使える部分が限られてしまします。
それゆえ希少価値が高く、高額になってしまうのがネックですが、使い込むほどに味わい深くなっていくのは、ほかには替えがたい魅力なのです。毛穴の間隔だけでなく、風合いもそれぞれ違うので、手になじみ、徐々に“自分だけ”のグローブになっていくのは密かな楽しみです。
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