三越伊勢丹・田畑智康──日本のモノづくりが息づく確かなスニーカー


Kick THE CITYはメンズ館6階=コンテンポラリー カジュアルにあるスニーカーに特化した発信型ポップアップショップである。毎シーズン世界中から様々なスニーカーブランドをセレクトし、百貨店では珍しくファッションとしてのスニーカーを提案している。田畑智康は今年4月に担当バイヤーに就任したばかりだ。

田畑「Kich THE CITYは、スニーカーをファッションアイテムの一部と考える事からはじまったセレクトなので、ラインナップもスタイリング重視です。お客さまが今日のコーディネートに自由に合わせられたり、自分のシューズクローゼットにあったらいいなと思えるようなスニーカーをつねに探しています。正直言ってパンサーについては、よく知りませんでした。デザインがトレンドと逆行しているぶん、バイヤーとしてくすぐられるものがあったというのも事実ですが、モノを見てシンプルに、いいじゃん!カッコいいじゃん!と言えたんです。たぶんこれってお客さまに近い感覚だと思うんです」。

ファッションとして認知された靴は、トレンドが過ぎ去った瞬間、シューズクローゼットの肥やしとなり、いつしか朽ちていくものだ。しかし足に優しく履きやすく、長く履いても状態のいい靴は流行に関係なく履きたくなるもの。そんな靴は、必ず真面目に作られていると、紳士靴畑を歩んできた田畑はいう。


田畑「ほんとうにいい靴を、もっともっとお客さまに知ってほしいんです。日本の技術だからこそ表現できることを、きちんと表現できるプロダクトに価値や魅力があるのであって、ただ単に日本製ならなんでもいいということにはならない。パンサーは昔の靴をそのまま再現したのではなく、今のテクノロジーも使いながら、昔っぽさと今っぽさを両方体現できたプロダクトだからこそ、素直に魅力的なのです」。

日本製品のこだわりが詰まったブランド・アイテムが並ぶ「JAPAN SENSES(ジャパン センスィズ)」が10月19日(水)、伊勢丹新宿店全館でスタートする。パンサー復刻プロジェクトが新たなフェイズを迎える

田畑「置いておくだけで飛ぶように売れる靴ではないと思っていますが、お客様の選択肢を増やすという意味でも挑戦したいと思えるだけの魅力がある靴です。対面販売でしっかり語らないと理解されない靴だとも思います。だからこそ店頭で販売するスタッフにも、パンサーに込められた想いをしっかり伝えたい。お客様にもぜひ手にとってみてほしいし、納得して買って欲しい。それだけの魅力が十分に備わっていると胸を張って言える靴に、僕は出会ってしまったんです」。

*価格はすべて、税込です。

Text:Ikeda Yasuyuki
Photo:Okada Natsuko

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メンズ館6階=コンテンポラリー カジュアル
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